地球の成り立ち(7)
前回に引き続き、藤岡換太郎著「海はどうしてできたのか」(ブルーバックス)をもとに、地球の成り立ちについて述べてみたいと思います。
創生期の地球を覆い尽くしていたドロドロのマグマをマグマオーシャンといいます。このマグマオーシャンは、コマチアイトという岩石が溶けたマグマからできていました。
やがて表面が冷えて固まったコマチアイトは、「プレート」という硬い岩盤を形成します。冷えたプレートは、流動性のある熱いマグマより密度が大きく重いので、マグマよりも下へ沈み込みます。
さらにもっと冷えたプレートは、周辺のプレートよりも重くなって、軽いプレートの下へ沈み込んでいきます。沈み込む場所は、海のもっとも深いところである海溝です。こうしてプレートの運動がはじまったと考えられています。プレートが移動してるメカニズムを「プレートテクトニクス」といいます。
プレートがいつから沈み込みを始めたかはよくわかっていませんが、地表のマグマオーシャンが冷えてある程度の厚みをもったときからだと考えられいます。
プレートが他のプレートの下へ沈み込むとき、海水を巻き込んで地球の内部へ一緒に運んでいきます。地下の深いところまで運ばれた水が周辺の岩石と反応すると、そこでマグマがつくられ、マグマ溜まりができます。
このマグマ溜まりは、沈み込んだプレートがある一定の深さまで到達したところでできます。それは、水が反応できる圧力と温度がそろった地点です。
こうしてつくられたマグマは、周辺の岩石よりも流動性があり、軽いので地表に噴出して、火山をつくっていきます。プレートが移動すると、同じ深さでマグマ溜まりができるので、火山が線状に並ぶかたちでいくつもでき、島が弓状に並ぶ「島弧」が形成されます。
このようにして、プレートが沈み込む海溝のそばに島弧ができるのです。海溝と島弧はセットなっています。前にも述べたとおり、日本列島は、海溝と火山をともなった代表的な島弧です。
現在、地球は数十枚のプレートに覆われていて、それぞれが移動と沈み込みを繰り返しています。
さて、こうしてプレートテクトニクスが始まると、プレートの上に載っている島弧も移動します。それらがやがて、別の島弧と衝突します。衝突した島弧どうしは合体して、より大きな島弧となります。そして大きな島弧どうしがまた衝突し、合体します。
このような衝突・合体が次々に繰り返されることによって、「大陸」ができてきたのです。
しかし、話はここで終わりません。次には大陸が、やはりプレートによって運ばれて移動し、別の大陸との衝突・合体を繰り返します。こうして、ついに地球上にはたった1つの大陸しか存在しなくなります。
「超大陸」の誕生です。現在知られているもっとも古い超大陸ができたのは、約19億年前。この超大陸の名は「ヌ-ナ」といいます。
なんかものすごくダイナミックな話をしているのですが、このプレートが動くスピードは、一年で数センチ程度といわれています。途方もなく長い年月をかけて地球の陸地がかたちを変え続けているのです。
さて、次回は超大陸ができたことで何が起きたのかを述べたいと思います。
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