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★ Road to 『 市美展 』 vol.1


今回、はじめて、石巻市美術展さんに出品させて頂いたのですが、
光栄にも『賞』を頂きまして、本当に嬉しく、小学生のように喜んでおります。
今回の出品の過程や今日までのエトセトラをオムニバスでまとめてみました。
とりとめないかもですが。初出品・初入賞記念という事で☆
まずは、出展までの流れをば。


■ 【 絵を描く”気” 】———————————————————

絵を描く”気”がまったくおこらなかったんですよねー、この数十年。^^;
ほんと。
そう、震災前までは。
学生の時は描いてたんですよ。教育系の美術の専攻だったので。

卒業後、社会人になって、仕事も、忙しかったのも、もちろんですけど、

毎日の日々で、絵を描く”気”になれなかったんですよねー。
絵を描くことより、面白いことが満載だった。
音楽を聴いたり、ライブにいったり。DVDをみたり。旅行へ行き、同窓会をする。^^
今振り返れば、会議をして、会合をしていただけだったようにも思えるんですけど。これまでの28年。^^;

けれど、震災後、変わったんです。
なぜなら、大好きなあの景色が失われてしまったから。。。

いつか、石巻の風景を描きたい。特に震災前の石巻を。
大好きな”あの石巻”への”想い”を絵に込めて描いてみたい。
そんな”想い”が、ふつふつと胸の奥でくすぶりはじめていただんです。

それでも、「いつか」だったんです。遠い「いつか」描いてみたいなー。という。
それが急遽、今年になったのは、50歳という節目の年齢になったのもあるし。
一連の50歳到達キャンペーンの中で絵を描いたらSNSで盛り上がるんじゃないかとかね。^^
けれど、本当に背中を押したのは。
来年のカレンダーを作る時期になったからなんです。
この件はまた後で詳細、書きますね。長くなるので。十分長いですけど^^;


■ 【この構図に決めた理由】

この絵の、この構図に決めたのは、、

やはり、石巻で、一番、好きな風景ですもんねー。
父親もよく描いていました。
最初は、他の風景にしようと思ってたんですが、やはり、自分の発表、第1号は、この景色からはじめたい。
そう思えたので、これにしました。
描いてる時に、家人から、「よく、お父さんと同じ構図、描くよねー、、」と、ちゃちゃが入ったのですが、
いわゆる、父と比べられるのはプレッシャーじゃないのか?というような事なんですけどー
それは、考えもしなかったですねー 比べるもんじゃないですもん。俺、1枚目、あっち500枚^^;
仮に比べられてもいいんです。違うものですから。
それに、何より、俺もあの景色が好きですしね! 石巻ファンの皆様がそうであるように!
スタートはこの構図にしたい!その想いからです。


この9月に女川で写真展を開催したのですが、(これも初!)
その写真の選定の時に、ふと、惹かれた写真があって、
それは、中瀬に、石ノ森萬画館が建設された年の春のある日の、
日和山公園の、駐車場前の東屋のある公園付近からの、中瀬と旧北上川、そして石巻の街並みの写真だったんです。萬画館は完成間近の状態で、造船所のクレーンもまだ残ってる状態の時。

元にした写真。(比べないでね^^;)
(川がエメラルドグリーンに見えません??)

写真の情報によれば、時は、2001年4月15日。
当時、インターネットの地域情報サイトを運営していて、そのトップ画像に、
桜が咲き始めた石巻の写真を掲載しようと、日和山に行って、自分が撮ったもの。
中央側の川岸しには、旧丸光デパートも、まだあって、中瀬には、岡田劇場さんの赤い屋根も見える。
聖ハリストス正教会もうっすら見え、不動町の方には、石巻リバーサイドホテルの建物も。
自分がずっと、見てきた石巻。
その石巻にUFO(萬画館)が飛来した時の春の石巻。

実は、父親は、萬画館ができてからのこの構図は、描いてないんですね。
60代の中盤になり、もうあまり描かなくなった頃ですし、描かない理由もあったのかもしれません。
(他のアングルで旧作に、萬画館だけ中瀬に描き足してるのは見たことあったんですけどね^^)
なら、俺は、そこからの続きを描くのもいいなーと思い、
この写真をもとに絵を描いてみようと決めたんです。(風景画は実際に外でその場で描くのが本質でいいんだとは思うんですけど。。ね。。今回は写真から。)
時代は、くしくも21世紀にかわった年。中瀬の様相も、造船業が盛んだった頃の活気がうすれ、萬画館という、新しい観光施設ができ、まさに街自体が変わろとしていた時なのかもしれませんね。


■【 市美展に出そう! 】
9月に入って、市内のショップで「石巻市美術展」のポスターを見かけたんです。

<搬入日:9月27日。>

うーん。間に合わないでしょう。
でも、どうせ、描くなら、出品してみようかなー そう思う。

また市内の別な場所に行く。いわゆる運動をしなきゃと、旧ペアーレに行ってパンフをもらう。(未だ運動しには通っていないが^^;)
そこにはカルチャー教室の案内があって、
その紹介文の中に「何枚か描いたら、市美術展に出品してみましょう!」とあった。
え? そんな感じで、気軽に出品できるんだーと感じる。(後日、搬入日にその感覚は崩れることになるのだが^^;汗)
では、間に合ったら出品してみよう!
「出品する」っていうことにとても意義があると思ったので、出品を決めた。(間に合えば)
今まで、社会人になって一度も描いてなくて、それが、やっと「描く”気”」が満杯になったのだ。
それを大事にしたい。何より。出品するということは、「搬入日」という締切日ができる。


■ 【”締め切り”がすべての”創作物”を創る?^^】--------------------------

持論に「すべての創作物は締切りが創る」
というのをがあるんですね。自分。
社会人になって、今の仕事をしている限り、ほんと何度も何度もそう実感してきたからだ。
正確に言えば
「締切りが、創作物のその時点でのベストな状態を創る」
という事になるんですけど。^^ (いろんな方からおしかり受けるかもですが^^;)

「締切り」があるっていう事は、自分にとっては最大のモチューベーションになるんですね。サーガ上。
「出品する」という事は、そこまで、真剣に取り組み、まずはベストな状態になるまで作りあげる事になる
という事になるので。
「締め切り」の設定はがぜん、やる気があがるんです。
出品する! そう心が決まればあとは早い。
と、いうことで、油絵の入門キットと参考書を買って、描き始める。

結果、描きはじめた日が、お彼岸中だったというのは本当の事なんですけど。^^



■ 【 制 作 過 程 】—————————————
描き出してから、搬入前々までの過程を記してみます。

●まずは、参考書通りに、イエローオーカー(おうど色)で、下塗りの「おつゆ描き」なるものをしてみた。

作品名「夕 2016」で、これで出してもいいのでは?

と一瞬思う。^^ 一瞬ですよ^^


●あまり乾かないので、ざっとふきとる。

●ざっと、下地色を置いてみる。

なんかー、茶色とグレーの色のまざり具合が、

一瞬、あの話題になった
「キリストの絵」みたいに見え、気持ち悪くなる。-_-;) げんなり。一晩おく。

●昨日より色を置いてみたが、まざり具合が多すぎて、にごる。暗い。

暗いとこから仕上げるって参考書に描いてあったし。

もちろん、最後の仕上げに、白をたっぷりつかって、明るところをつけていくんだけどー
自分の目指したい”絵”の雰囲気と、色味にならなくて、げんなり。一晩おく。
それでもSNSにアップするも、反響なし。
やっとあったのが「500枚目を期待します」とのコメント。
絵の投稿を削除。

■ 【前々夜のあきらめモード】--------------------------

●俺は、明るくしたいんだ!と、昨日より、色を置いてみる。

籠峰山は、よい感じになったが、色が全体的に、暗め。

自分が目指したいのは春なのに。(春の石巻の写真をみて描いてるのに。なぜ!ならないー?)
冬のさむーい日の石巻のようだ。春の風が、北上川を渡ってくれない。
む、むずかしい。油絵!!!!
深みを与えようとしすぎか?
うまく描こうとしすぎか??
自分と問答。
習わぬ経。やはり読めぬか?!
(一応、授業では、数枚、油絵、描いたことあるんですけどー、会得する前に卒業してまったんです。^^;)
ぐぐー。
この日が、搬入日(締切り日)前の前の晩。
この時点で、
ま、ちゃんとしてないもの、出すより。
きちんと自分で納得したものが描けてから、出品を考えようと
今回の市美展への出品を一度、諦める。


■ 【絵アプリへの逃避】
市美展への出品を諦め、寝ながら、スマホに入っている、撮った写真を、絵のようにエフェクトかける優秀なアプリがあったのでそれで、遊ぶ。出品からの逃避。^^;

結構、面白くないですか?? 優秀なアプリなんですよー^^

右上が一番、絵っぴですかねー。上の真ん中は、ゴッホ的フィルター?
左下は、ステンドグラス調フィルター。下の真ん中は北斎風フィルター。^^
右下の夜な感じもよいですね☆
現実逃避ー。。。^^;

そんな時、SNSで、応援のリプライを頂く。
ありがたいですね。動機づけになります。木に登りやすい人にとっては^^

明日、(締切り前夜)もう一度、トライして、納得できなければ、出品は、来年に伸ばそう。そう決める。


■【 一徳、親父の絵の前に立つ 】--------------------------


もう1度、親父の絵の前に立ってみる。

描く人の立場で、親父の絵をみる。

あそこの描き方はどうなのか?どんな色処理してるのか?

中瀬や湊のエッジはどうか? 稲井の遠い家並みはどうか?
街は? 籠峰山はどう描いてるか? 北上川は?

結構、川なんかも、1色で、いってるんですよねー。
もう変化つけず、ガーーっと。

そうなんです。
目に見えるものがすべてではないんですよね。絵の世界は。
絵ですから。本物と一緒なら、写真の方が優れている。
絵に描く対象を見てると、見ている通りに描きたくなるんですよねー
結果、時間がかかるし、何度もやり直し、色もにごる。

フィーリング。大事なのはここでもフィーリングなんですよねー
そういえば、友人もSNSで、「DNAを信じて描いて描いて描きまくれ。」とコメントくれてたなー、と思い出す。
あまり考えずフォーリングでいこうかーと決める。
感覚で描いてみるということですね。

締め切り前夜。とりかかる。
そして、問う。自分は何を描きたかったのか?
それは、萬画館が建設された時の、春の石巻。
中瀬には、まだ造船所があって、対岸には旧丸光デパートのビルがある。
あの年の春の石巻。すべてが懐かしい石巻。愛おしい石巻。
つい15年前のことなのに。
絵の中でも、春の風が、北上川を登っていくような、そんな石巻の絵!
それで、もし、見てくれた方々が、少しでも懐かしく、優しい気持ちになってもらえたら嬉しい。
そんな石巻。
それを再確認して、白や原色の明るい色をつかって仕上げていく。

籠峰山・立山、1時間。湊・大門町・不動町、1時間。
それまで、封印していた、油絵用のナイフをつかう。
ま、封印していたわけじゃないんですけどー
遠景は筆で描いて、近景を、ナイフでと思ってたので、使ってなかったんですけどー
ナイフを使いはじめたんです。
親父はほとんど、ナイフを大胆に使って描いていたんです。
ガッとナイフで厚く絵の具をつけて、偶然できるグラデーションでリアルさを引き出す。
自分もナイフを使いはじめたら、街並みがキマり始めたんです!!!(俺的にですけど^^)
「オオ!絵っぽい!」と。^^
とたん。街並みが表現できた。
調子にのって描く
中瀬1時間。描きたいものの4つ。岡田劇場さん。造船所のクレーン。ハリストス教会。
そして舞い降りたUFO(萬画館)。
原色に近い形で色を置く。

中央・門脇、1時間。嗚呼、丸光デパート! 川岸ロード。ヨット群。門脇町の街並み。
2つの橋と、そして、川の反射を処理して、終了。

なんとか、「絵」になった。
ナイフを使いだしたら、急にキマリだしたなーと回想。

明日、搬入しよう!


■ 【サイン】
最後に、サインを描こうとするが、絵が乾いてないので、溝になって、うまく描けず。
描いて、うまくいかず、そこの周辺を修正し出す事態に発展したので、今回はサインなしで出品しようと決める。
出品票をつければ、大丈夫!ね!^^;
戻ったらサイン、いれます^^ノ
サインは、K.Kumakuraか、K.Kuma かなー
親父は、K.Yasuo なんですー Kumakura 、長いなー Kumaだと 、クマっぽいしー
うーん。なにしろ、サインいれたことないもんでー^^;
あとでやってみよ⭐︎

■【完成した絵について】

完成した絵について。
明るい感じになってよかったです。一時はどうなるかと。
展示会を見た、皆さんにも、明るい、”色”を、多くの方に、ほめて頂き、ほんと嬉しいです。
「川の色が好きです!」と、何人にもおっしゃって頂いて、ほんと光栄。
見たまま描いてたら、あの色にはならなかったかなー
前日の親父の絵からのインスピレーションと、やはり、春への”想い”ですかねー
せっかく、昔の石巻の絵を描いても、
冬のどんよりで、見た人、どんよりなったら、逆のことしてますもんねー^^;
冬でもいいんですよー 冬の清らかさとか、凛とした寒さを表現できたらねー。そんな冬ならいいです。親父の絵にも何枚かあります。冬の石巻。
けど、どんより石巻ではねー ちょっとねー。^^;

ま、原色、多量投入で、生っぽく、ならなきゃなーと思いながらでしたけど、思い切ってよかったです!

自分的には、『絵』にこそ、なりましたが、なんか、学生風になったなーと、おもったり^^;
そりゃあ当然、そこから描いてないですからねー そうなって当然です。
まだまだ、未熟ですがー、そこにほめて頂ける要素があったとするならば、素直に嬉しいですし!
また、描いて、精進したいと思ってます。


【出品準備】
額装で。と、出品要項にあったので、親父の絵をしまってる部屋へ。
F12号の額を探す。^^
1枚だけ、「赤景」で縦利用してたのがあったので、お借りして、横組みに紐をなおし、額装することに。(これ当日昼w)

絵は当然、乾いてないので、慎重に入れる。
一応、2日前に、画材屋さんにいった時に、「市美展」には、乾いてなくても出していいのか?聞いてました。
失礼にあたるとおうまくないですしねー
乾いてた方が当然いいんですけどー 乾いてなくて出される方もいらっしゃいますよー
との返答だったので、胸をなでおろし、額装。
けど、中の額のふちフレームの中には、絵の具ついちゃうだろうなー
と思いながら、慎重にいれ、完成!

一応、念には念で、扱う方への注意喚起で、ポストイットを貼る。(あとで剥がされたすけど^^;)
そんな出品準備。いざ、河北町のビックバンへ!

=vol.1 終了=

ここまで、お読み頂きありがとうございます! 長文でしたね 失礼!^^;

ここから先に記そうと思っていたタイトルだけ付記しておきます。
中身は追って、vol.2という形でいつか。^^

【受付で待っていてくれた人々】

【会場で声をかけられたこと(1)】

【会場で声をかけられたこと(2)】

【会場で声をかけられたこと(3)】

【お褒めにあずかり】

【パンフレットの短評】

【あんだは描かないの?】

以上

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