【コントラクトブリッジ】NTのINVに対するジャッジ【いつかのオンラインマッチ②】

天鳳で初役満を達成して嬉しいKKTです。

初役満は四暗刻

海底自摸なのが芸術点高めです。



R3は韓国チームとの対戦でした。

マイナーチョイスを考える

あなたはEAST。

5番ボード、they vul 2番手

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873
AK9642
AT72

(P)-1D-(1H)-X;
(2D)-3C-(P)-3H;
(P)-?

1D=D2+,11-15
X=S4+

ちょっと頑張って3Cをビッドしたらパートナーがcueを返してきました。アクションの方針はどうしますか?









4Cと4Dのどっちか。

4Cをビッドする手は、①D4C5などクラブの方が長い手②弱いから4mでやめたい手などが本命。4Dをビッドする手は、ダイヤの方が長くて多少良い手。テーブルでは4mでの撤退を考えて、4Cをビッド。


結果は以下です。

画像1

(P)-1D-(1H)-X;
(2D)-3C-(P)-3H;
(P)-4C-(P)-P;
(P)

HQ勝たせて、ダイヤシフトでDA勝ち、CK勝ち、CJ勝たせて、ハートシフトをHAで勝ち。クラブフィネスしてCT勝ちと進んでジャストメイク。裏は3D5メイクだったので1IMP取られ。


ビッドを振り返ると、4Cよりも4Dをビッドするのが良かったです。3C時点ではm45系はどのシェイプもあり得るので(D4C5,D5C4,55,D6C4など)、3Hに対して4Cをビッドするとクラブが良い手(D4C5とか55)が本命に見えます。4Dをビッドすればダイヤの方が長くてまあまあ良い手と伝わりそうです。そうすればウエストは5Dにレイズできそうです。

あとは3Cでなくて3Dで捌くのもシンプルで良いかもしれません。競り合いなのでなるべく早く手の雰囲気を伝えたいのと、プレシジョン1Dなのでダイヤの枚数が6枚まで伸びるのが大きいです。パートナーがクラブ5枚くらい持っていて5Cだけできることも有りますが頻度は低いです。クラブを切って本命のダイヤコントラクトに向かっていく選択も実践的だったと今は考えてます。

R3は42-14で勝ちました。1日目の後半のラウンドはお休みして2日目へ。


2日目

2日目も朝から出番で後半休みでした。朝から出番で後半が休みだと一日が長く感じられて良いです。


R6

NTのINVに対するジャッジ

あなたはイースト

9番ボード、we vul 2番手

QJ9
JT98
J8
AQJT

(P)-1D-(P)-2NT;
(P)-?

1D=D2+,11-15
2NT=INV

アクションはどうしますか?















パートナーのレンジは良い11~悪い13くらいだろうと考え、ちょっと足りないとパス。

結果は以下です。

HKリードから、クラブがオンサイドなので簡単に4メイク。


パートナーはTや9が多くて強いからINVに乗った方が良いと言ってました。たしかに、12点だけどミドルがしっかり厚くてNTに向いているので3NTへレイズするのが良かったかもしれません。

こういう手はどういう風にジャッジしたら良いのか難しいです。そういえばブリテンで、NTでINVされたときのジャッジについてspade14さんが書いていたのを思い出しました。ここでは、spade14さんの記事に従ってこのハンドを定量的に計算してみます。


ブリテンの記事によると、EW両ハンドが4333か4432のとき、HCPの公正価値を下記のようにアジャストして、

A=3.93 K=2.76 Q=1.72 J=0.97 T=0.45 9=0.17

バルとノンバルにおける、HCP公正価値と3NTの成功率の均衡値は、

23.75~24.24:37.3%(vul)    24.25~24.74:48.2%(non vul)

今回はvulなので、37.3%あれば勝負になっているとします(ゲームができれば10取り、ゲームが落ちれば6取られとして)。およそ24HCPに到達すればOKです。


自分の手は、3.93+1.72x2+0.97x4+0.45x2+0.17x2=12.48

12.48点なので、パートナーのハンドが11.5点よりも強いなら3NTに乗るのが良いです。パートナーの2NTの見積もりは良い11点~悪い13点なので、平均12点くらい。合わせて24.5点程度あるので3NTが良さそうです。バルなら余裕の3NTでした。ノンバルの場合なら乗っても乗らなくても良いというボーダーです。


実戦テーブルでHCP公正価値を計算するのは難しいので、簡略化した結論として、1m-2NTで誘われて12点のとき

・バルの場合は一つのTがあればINVに乗ってよい
・ノンバルの場合は二つのTがあればINVに乗ってよい
・ペア戦ならバルによらずINVに乗らない

として良さそうでした。


この基準で当落線上(バルでTが1枚、ノンバルでTが2枚)のときにはどうしたらよいのか、spade14さんに聞いてみました。「オープニングリードで来そうなスーツが来た時にうれしいなら乗る、そうじゃないなら乗らないのが均衡解に近くなるのではないか」とコメントしてました。

ダブルダミーでメイクする確率はベストリード、ベストディフェンスから計算されるものなので、リードが逸れてベストディフェンスから逸れそうだと思えば乗る方が良くて、ベストリードの場合はベストディフェンスから逸れにくいから乗らない方が良いと理解しました。

ポーカーでは均衡のときに、乱数ツールを使ったり、HUDを用いて相手の傾向から頻度を調整します。一方でブリッジは、ハンドの特徴やビッドなどからヒントを探して頻度を調整することができます。どちらも不完全情報ゲームですが、情報の量で頻度の考え方が異なっていて面白いです。

実戦のハンドはノンバルならINV乗るかどうか当落線上なのですが、今回のビッド展開1D-2NT;3NTならメジャーのリードが来そうです。WESTの手はメジャーのリードはまあまあ嬉しいので、INVに乗った方が良さそうです。


続いて、

ブロックしてるスーツのある3NTのプレー

あなたはWEST。

10番ボード、both vul 3番手

KT84
QT75
9
AT85

1C-(2H)-X-(P);
3D-(P)-3NT///

1C=16+

オープニングリードはHJでした。

AQ
8
AQ8532
KQ42

KT84
QT75
9
AT85

T1:HJ-8-K-5
T2:C7-?

プレーの方針は?



























実際のハンドは下です。

テーブルではC7-8-9-K、SA,SQ,CQ,CA,SK,HQとプレーしたので、HAで勝ったSouthにダイヤを出されてダウン。クラブが32じゃなくてSJも落ちてこなくてダメでした。


後から考えるとダイヤに賭ける方が良さそうでした。DKが表の42以内なら、Dフィネス、DA、Dxと負けに行けばHHDDだけ負けて2043と取れるのでメイク。サウスが長いハードを持っているから、ダイヤはノースの方が枚数も点数も多そうなのでフィネス効きそうです。

でも可能であればクラブも組み合わせたいので、クラブ32を試しつつDK表の42以内を試したいところです。ただWESTへのエントリーが少なくてなかなか両立が難しい。スペードがブロックしてなければ簡単なのですが。


と、ここまで書いて両立するライン思いつきました。

HK取られ、C7-8-9-K、C2→CAとして、

①クラブ32ならCTがハンドエントリーになります。ここでHQを負けに行けば、DKが裏にあってもメイク(3114)。
②クラブが41ならダイヤをQに向けて出します。フィネスが効けばDAも取って、ダイヤをもう一度出します。ダイヤが42以内ならHHDDしか負けないのでメイク(2043)。

クラブ32を試しつつ、DK表の42以内も試せます。次はテーブルで出来たら良いな。


ちなみに裏は、

5Cをプレーしていました。HKリード、S→SA、DA、Dラフ、SQ、Dラフ、CA、CK、CQ、あとはダイヤを走ってマスター1敗でメイク。C41のときはD33もしくはDKダブルトンでメイク、C32のときはD42でもメイクです。


R6は16-39で負けました。9番,10番で20IMP取られたのが痛かったです。どちらも自分が改善してれば勝ててたのが悔しいところです。


R7

プリエンプトについて考える

あなたはEAST。

7番ボード、both vul 4番手

AKQT93
4
9543
Q7

(2H)-P-(4H)-?

アクションはどうしますか?












パスして撤退か4Sかのジャッジ。テーブルでは4Sを選択。4Sできることも有り得るし、4Sがダウンしたとしても4Hがメイクなら問題無さそう。大量ダウンのリスクはあるけど4Sをビッドしないのは控えめすぎる。



実際のハンドは下です。

4Sxは3ダウンで800取られでした。敵の4Hはできますが、ハートのゲスを外すと落ちる形でした。


4Sは当たり外れあるので仕方ないと考えてます。Northの4Hが上手でした。4HをビッドすることでEASTにプレッシャーをかけることができて、ちょっと頑張り目にビッドしてきたところをXで捕まえることが出来ます。オーガストとか挟むと3Sでリスク低めに介入されてしまうので、スラムが薄いなら4Hと置き切るのが良いです。最後のゲスは相手にさせよ、というブリッジの基本通りの良いビッド。


ちなみに裏は、

サウスが2Hオープンせずにパスから入ったため、EASTが安全に1Sをビッドできて最後のゲスはNS側になりました。プリエンプトは危険ですが、プリエンプトしないことで出遅れてしまって、相手に楽させてしまうケースも有り得ます。リスクを負って早めに仕掛けていくのも大事だと感じたハンドでした。


続いて、

バランスハンドが向き合ったときのスラムのジャッジ

あなたはEAST。

8番ボード、both non vul 3番手

KT2
AQT92
Q53
QJ

ビッドはパートナーの1NTオープン(15-17)からフリーランです。

1NT-2D;2S-3D;3H-3S;4C-?

2D=TRF
2S=Super Accept
3D=ReTRF

スーパーアクセプトからスラムトライの展開です。4Cに対して何をビッドしますか?







実際のハンドは下です。

4Dで粘ってRKCBから6H。でき目はダイヤのチャイニーズフィネスのみ。4Dの意図としてはラストトレインでした。パートナーが4Hをビッドすればそこでストップ、4SならRKCB、RKCBされたらパートナーにお任せ。


でも後から考えてみると、そもそも6Hにはバリューが足りていなかったかもしれません。検証してみます。

EAST目線で必要なカードは、SA,SQ,HK,DA,DK,CA,CKの中から5枚くらいです。バランスハンド同士の向き合いなので、ルーザーをハイカードで処理しないといけないのが厳しいです。


例えば、こういうハンドなら6Hが良いです。

AQxx
Kxxx
Kx
Axx

スペードの良い配置とクラブのフィネスのチャンスがあります。しかし、スペードがダイヤに一枚ずれるとダイヤの処理ができなくなって厳しいです。

良い手でも6Hができるかどうか微妙です。8割くらいは4Hが良さそうで6Hは厳しいと予想できます。EASTは3Sまでは付き合って、4Cには4Hをビッドするくらいで良かったです。スラムトライの展開に自信が無ければ3Hに対して4Hでサインオフしても良さそうです。ショートがあればラフでトリックを増やしやすいですしキーカードも絞りやすいですが、バランスハンドだとハイカードバリューが必要になりがちと分かりました。


R7は1-27で大敗しました。R8以降はおやすみで、最終的には予選5位でフィニッシュ。目標としてた予選2勝は達成しましたが、予選抜けはできず実力不足を実感した試合でした。オンラインの試合は気楽で楽しかったので、また開催されたら参加したいです。


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