【コントラクトブリッジ】こちらだけバルの競り合いを考える【2023前期日本リーグ2日目②】

ゼルダ新作をプレーしてます。難しい祠をロケットでごり押して雑にクリアするのが楽しいです。


2日目のお昼明けから振り返っていきます。前半戦残り2ラウンドで2位と12VP差で1位。自分は残り2ラウンドどちらも出場だったのでこのままの勢いで前半戦折り返せたらいいなと思ってました。

R6 vs SAKURA

カードコンビネーション

あなたはサウス

#20 both vul 4th

KQ75
QT6
AJ96
84

(P)-1C-(1S)-3NT///

自分の3NTになってオープニングリードはS3。

T
AK4
K832
QJT32

KQ75
QT6
AJ96
84

T1:S3-T-A-5
T2:SJ-K-2-D2
T3:C4-7-Q-A
T4:S9-Q-H3-C2

プレーの方針はどうしますか?









テーブルで考えたのは、

・2322を狙ってクラブを出すか、2331でクラブ1つとダイヤフィネスで9個にするか、2340を狙ってダイヤ一本に賭けるか。
・右は一巡目にCAで勝ったのでCKを持ってないかもしれないが、CKを持っていない場合は右にエントリーが無い。CK持っていないならSA上がってSJをプレーしなかったかもしれないから、CKも持っていてディセプティブにCAを上がった可能性がある。
・ダイヤは表にDQがあって32以内なら4つ取れる。また、DQのフィネスが抜けたとしてもCKが左にあって、ダイヤ32以内ならクラブが間に合って2331で9個になる。

先にダイヤ試してからクラブを試すのが良さそう。ダミーにはハートのエントリーがあるから、後からクラブを取るエントリーは問題ない。ということでダミーのDKに向けてダイヤを出した。











実際のハンドは、

(P)-1C-(1S)-3NT///

T1:S3-T-A-5
T2:SJ-K-2-D2
T3:C4-7-Q-A
T4:S9-Q-H3-C2
T5:D6-4-K-Q
T6:D3-H5-A-5

T5にハートでダミーに入ってダイヤをJに向けて出すのが正解でした。イーストのDQシングルトンだったときにダミーのD8でフィネスするプレーが成立するので。テーブルではクラブとダイヤの組み合わせのことばかり考えていたのでダイヤ4勝のパーセンテージプレーを間違えてしまいました。

「QT抜けの8枚フィットは4勝したいならJに向けてスモールを出す。3勝したいならJハイになるようにアナーを取る。」というのは教科書通りですが、テーブルでプレーすると失敗しがち。実際トラベリングを見ると7テーブル中6テーブルが失敗してます。

あと右にCAKをマークしてダイヤ一本にプレーを絞っても良かったかもしれないです。AJ98xx Jxx x Kxxだったら2Sオーバーコールしそうですし、初巡はSJで粘るディフェンスが有りそうなので。


続いて、

スラムトライの展開を考える

あなたはサウス

#25 they vul 3rd

T874
K6
AKQ654
A

1D-(P)-2D-(P);
2NT-(P)-3C-(P);
3NT-(P)-?

2D=D4+、FG

アクションの方針はどうしますか?












テーブルで考えたのは、

・パートナーのハンドはNT向きのミニマムだが、それでも6Dはあり得そう。6Dに必要なカードは、SA,SK,SQ,HAのうちから3枚+何かいい感じの持ち方。ハイカード的には十分あり得る。
・スラムをプレーするなら、パートナーのスペードの持ち方が重要。AKダブルトンが最強で、AQダブルトンとか、KQJとかも良い。KQxとかだとクラブかハートに良い感じのカードが無いと厳しい。
・IMPのチーム戦だし、5Dまでは大丈夫そう。

とりあえず3NTを越えて4Cとキュービッドしてパートナーの様子を見た。










実際の展開は、

1D-(P)-2D-(P);
2NT-(P)-3C-(P);
3NT-(P)-4C-(P);
4H-(P)-?

となってビッドに困りました。4Hは嬉しいけど、スペードのコントロールを確認したいので4Sも4NTもビッドしにくい。一方で5Dとビッドしたらパートナー視点でバリューの足りない手に見えるから、だいたいのハンドでパスを選びそう。

もう一粘りしたいので、仕方なく5Cをビッド。クラブ三連打してみたら、パートナーからは5Dが返ってきたのでそれをパス。6Dはシングルダミーで少し分が悪そうな感じだったので5Dで落ち着いたのは妥当という感じです。裏は6Dまでビッドしてメイクされたので11IMP取られでした。


終わった後パートナーにビッドを聞いてみると、「クラブ3回ビッドされてAシングルトンは全然イメージしていなかったです」と言われました。たしかに、ビッドの雰囲気はマイナー2スーターなので2245とか2146みたいな手が出てきそうな感じが有ります。

後から考えると、サウスはスペードのコントロールを知るのが一番重要なので、4Cではなくて4Hとキュービッドしてパートナーの4Sを待つのが良かったです。4Sが返ってきたら4NTをビッドして0keyじゃなかったら6Dへ。バリュー十分と考えるならこの展開がシンプルで良かったです。

でもAxx QJxx Jxxx KJとかで6Dになってスペードリードされたら厳しいので、4Cからの4Hに5Dくらいで控えめにトライして、AK Axxx Jxxx xxとかで6Dにレイズしてくれるのを期待するのも有りでした。8割くらい5Dで終わりそうですが、6Dになったときのプラススコアを取れる期待値が高いのが良いです。

いずれにせよ、スラムトライする前にどういうスラムに辿り着きたいか考えるようにしたいです。


次はタータン2Sで得点したハンドを紹介します。

自分はサウスで一番手。タータン2S(S5m4,weak)でオープンして、ビッドは下のように展開しました。

2S-(P)-3H-(4D);
X///

3H=NAT,F1

イーストの4Dはやや危険なビッドで、サウスにダイヤを持たれてるときはダブルがかかってしまうリスクがあります。今回はばっちりダイヤを持っていたのでペナルティダブルをかけて4ダウンは800取り。先制で2Sをビッドして、サイドのマイナーを活かしてダブル。タータン2特有の得点になりました。こういうシステムの勝利があると嬉しいです。


次はXXするか迷ったハンド

(P)-1S-(2H)-4S;
(X)-P-(P)-P

4Sxxをプレーしたかったですが、XXすると5mに逃げられるのが嫌だったので仕方なくダブルをパス。テーブルでは4Sxが回ってきて自分が少しアクションを考えていたので、ウエストは逃げる選択をできたかもしれないです。サウスが4Sxで回ってきて考えるのはXXするかどうかしか無いので。たしか、オポーネントのヘジテーションを利用するのはOKなので、サウスのヘジテーションを見てウエストが逃げるのはOKなはずです。自分たちの4Sxが嬉しい時はテンポ良くパスするようにしないと。


R6はカードコンビネーションをミスして3NTを落としてしまったものの、それ以外は良いスコアで16ボードで+27IMPのデータムでした。裏も強いペア相手にアベレージくらいのスコアで25IMP勝ちは16VP弱を取ることができました。


R7 vs たかやま

こちらだけバルの競り合いを考える

あなたはサウス

#2 we vul 2nd

876
K8652
QT532
---

(1C)-P-(1NT)-2S;
(3NT)-?

アクションはどうしますか?













テーブルで考えたのは、

・4Sをビッドするかパスするかの二択。
・パートナーはバルで2Sオーバーコールしたので、サウンドな手か、シェイプのある手を期待できる。
・自分の手にはクラブボイドとサイドに5枚スーツがあるので、噛み合わせが良ければ4Sは良いコントラクトかもしれない。例えばスペード6枚以上とクラブ0点とかなら4Sメイクまであり得る。
・右は自発的に3NTをビッドしているので、18-19のスペードストッパーある手とか、スペードストッパーとクラブランニングとか、そういう手を持ってそう。
・自分たちだけバルなので、4Sxになったらまずいかも。噛み合わせとかスペードのブレークが悪くて3ダウンで800取られると、裏が3NTを作っても8IMP取られてしまう。

いろいろ考えたけど最終的にはパス。4Sはあまりメイクしそうには見えないし、左右に点数多そうだからダブルされる可能性も高そう。もう一枚スペードがあれば、バルでなければ、4Sをビッドしたいところ。








実際のハンドは、

(1C)-P-(1NT)-2S;
(3NT)-P-(P)-P

ウエストの3NTになって、SKリードから5メイクされでした。NSの4Sも噛み合わせがかなり良いのでメイクでした。ビッドすれば良かったと後悔。


パートナーに聞いてみると「点数の位置良いし4Sありだったね。でも自分たちだけバルなら俺もパスかな。このバルじゃなければビッドしてくれた?」と言っていました。やっぱこのバルはキツいですよね。

でもHKもDQもクラブボイドも活きそうだし、パートナーがスペード6枚持ってることも多そうだし、ビッドするのも有りだったかもしれないと考えてます。実際トラベリングを見ると3~4テーブルくらいは4Sをビッドしてそうです。4Sxをメイクしたテーブルもあるし、自分もビッドすれば4Sxになってメイクしていたかもしれません。

有識者にもジャッジを聞いてみました。

「4S言わないのが普通だと思います。」
「パスですかね。リスクが大きいと見ます。」
「普段はパスします。このバル関係のパートナーのオーバーコールを信用して、相手のランニングマイナーの気配を感じてビッドするのは有りです。」
「OCのスタイルにもよるが、普段のパートナーなら以下の理由でビッドしそう。
①敵のハートが少ないから、2スーターフィットしてそう
②パートナーのクラブは長そうだから、ダイヤは短そう
③左右のHCPが多い仮定ならば、トランプの内容はNが良くなければおかしい」
「私ならビッドします。ボイドがあるからプレーに向いていると考えます。」
「3NTは普通クラブランニングのハンドなので、HCPが左右に多そうとは言えないです。そうであればクラブボイドは非常に魅力的なラフィングバリューなので、4Sをビッドしたいです。4Hでハートとスペードサポートが伝わるなら、4Hがベストですが。northも4Hと最後にビッドしても良かったと思います。」
「私は4Sをビッドしますが、ジャッジメントは難しいです。たまたま4Sがメイクしますが、EWのNTは5Nまでメイク、5CもDリード以外はメイクされるので仕方ない面が多いです。Eは4SダブってCADA両方とも取れないのは寂しい。」

パスも4Sもどっちも有りという感じでした。パートナーのオーバーコールが軽い傾向で無ければビッドなのかなと考えてます。クラブボイドが活きそうですし、点数が無くてシェイプがあるときはクロスラフ風のプレーが良さそうだからです。4Hが伝わりそうなら4Hをビッドしてより良い切り札を探せるかもしれないです。

自分たちだけバルのときはオーバーコールする側が冴えない手をパスに回して、サウンドな手かシェイプのある手でオーバーコールするように調整してオーバーコールの下限を上げるのが良いです。そうすればアドバンサーがアクションしやすくなって自分たちのゲームやスラムをルーズしにくくなります。12点の冴えないバランスハンドなどでオーバーコールしないと見つからないゲームを逃すことは有りますが、そういう手でオーバーコールして500取られることを減らせるのでそんなに悪くないはずです。こういうのはパートナーシップで大事なので、自分がオーバーコールする側のときは気をつけたいです。


続いて、

ディフェンスの読み

あなたはウエスト

#3 we vul 2nd

JT7
3
QJT986
A95

(1H)-P-(1S)-P;
(3C)-P-(3H)-P;
(4H)///

右の4Hになって、オープニングリードはDQを選びました。

T1:DQ-2-7-K
T2:HA-3-5-2
T3:HQ-D6-7-K
T4:SQ-A-7-3
T5:HJ-D8-S4-8
T6:HT-D9-S5-9
T7:CK-?

ディフェンスの方針はどうしますか?














実際のハンドは、

T1:DQ-2-7-K
T2:HA-3-5-2
T3:HQ-D6-7-K
T4:SQ-A-7-3
T5:HJ-D8-S4-8
T6:HT-D9-S5-9
T7:CK-CA-4-2
T8:SJ-6-2-K

自分はサウスでプレーしていました。ウエストは長考の末にCAを上がったので、ウエストのスペード3枚目を取るエントリーが無くなってメイクしました。CAをダックしておくと、2巡目のクラブをイーストが勝ってスペードを出すディフェンスでダウンです。

ウエストでCAをダックするディフェンスは難しく、トラベリングを見ると1テーブルだけ発見してダウン。他のテーブルは作られていました。実際裏も全く同じ展開でメイクでした。

ここではディフェンスの読みを考えてみます。T7までの段階で、サウスの2510で8トリック見えていて、ハートとスペードのプレーからサウスのシェイプは36xxと分かります。3631ならダイヤラフすると想定して、3622か3613のどちらかに絞ります。
①AKx AQJTxx Kx Kx
②AKx AQJTxx Kx KQ
③AKx AQJTxx K KQx
④AKx AQJTxx K Kxx
ディクレアラーは①~④のどれかになります。CQを持たれている②と③はメイクしているので除きます。

①はCAを上がって、ダイヤを出してDAを飛ばして、続くCxをパートナーがCQで上がって、スペードかダイヤを返せばワンダウン。
④はCAをダックして、続くクラブをパートナーがCQで上がって、スペードリターンでワンダウン。

ディクレアラーがどっちを持っているか考えると、①の場合にはクラブを自分から出すとしても手からCKじゃなくて、ダミーにDAで入ってクラブを引いてフィネスしそうです。④だったら手からCKを出すのはあり得るから④だと考えるのが良さそうです。という感じで後から考えれば分かりますが、実際テーブルいると他にも考えることがあったりして難しいです。作られるのも仕方なさそうです。


話しは変わって、終わった後パートナーに「3Cをイマックス3Cにしたい」と提案しました。3Cが、①H+CのFG②H1スーターFG のどちらかというシステムです。これを使った方がオープナーもレスポンダーもビッドを柔軟に組み立てやすくなります。レスポンダーが一旦3Dでウェイティングできるのが便利で、5224の強い手とかをレスポンダーが持っているときに切り札をセットしやすいですし、レスポンダーはかなり特徴ある手だけ3Dを外すことになるので、オープナー視点で外されたときのジャッジがしやすくなるのも良いです。

パートナーは「イマックス3CはOK。でもプレーはスペード三巡出した方が良いよ。手からCK出すと正しく守られたらノーチャンスだけど、スペード三巡出すとクラブの配置によってはメイクするので。相手に6313分かるだろうし、正しく守られることも多いと思う。」と言っていました。

テーブルでは思いつかなかったですが、言われてみて考えるとスペード3巡出す方が良かったです。ダミーからはハートの下にクラブとスペードを一枚ずつ捨てて、スペード3巡出します。

ディフェンダーがダイヤを出すとDAとSの4枚目が取れてメイクするので、クラブを出すしかないです。右からクラブが出たらスモールを引いて、右にCQがいればメイク。左からクラブが出たらJを引いて、右にCQ、左にCAとかならメイクです。スペード41はダウンですが、正当なメイク目があるからこちらのプレーが良さそうでした。


次は我々がディフェンスエラーで作らせてしまったハンド

ビッドはパートナーのマルチ2Dオープンからウエストの4Sになりました。

2D-(P)-2H-(4S)///

オープニングリードはHAでハートが三巡続きました。オッドイーブンファーストディスカードの約束だとして、パートナーのハートの3巡目に何を捨てるのが良さそうでしょうか?

自分は少し考えてCKをディスカードしました。とにかくクラブのカモンを出したいのでC3とCKの2択で、CKだとCQだけじゃなくてCJまで持ってることを示せると思ったからCK。C3よりも分かりやすいと考えました。その後パートナーは長考の後に、ダイヤにシフトしたので作られ。「ごめん失敗した。」とパートナーはコメント。

後から考えてみれば、C3でカモンした方が良かったかもしれないです。というのもパートナーはアナーのディスカードをアラームクロック的な役割で使うことが多いので、CKをディスカードしたらQJを示すというよりも、何か変わったシフトをして欲しいという意味で捉えることも有りそうだから。C3なら明らかにクラブをカモンしていて他の意味は無いだろうから、CAとかCKQを期待してクラブを出してくれたかもと想像しました。

ということでパートナーに聞いてみたら、「C3の方がCA持ってそうでクラブ出しやすいけど、CKで良いよ。ごめんね。ディクレアラーにAKQJxx xxx K Axxをマークしたけど、ダイヤボロ2枚だったらダイヤ捨ててくれるでしょ。」と言ってました。たしかにパートナー視点はゲスになってました。サウスはDKを抑えているから、CAを持っている風のC3がより良いシグナル。こういうのよく考えて出せるようにしたいです。


次は我々がグランドスラムをビッドしたハンド

自分はサウス。サウスの1Dオープンからフリーランで、

1D-3H;4C-4S;4NT-5S;5NT-6C;7D///

パートナーの3Hはスプリンター。6Dに必要なカードはSA、DA、DQ、CKから3枚程度。FGバリューを保証しているので十分スラムは有りそうです。キュービッドからのRKCBでSA+DA+DQを確認。5NTでKアスクしてCKを確認して7Dに到達しました。

キュービッドは3Sか4Cで迷いましたが、3Sだと3NTトライとかも含まれそうかなと思ったのでシンプルな4Cにしました。パートナーは3Sの方が普通かなと言っていたので、3Sから入るのも有りだったかもしれないです。というかキーカード+CKだけでスラム判断できるので4DでRKCBするのも有りでした。1D-3H;4D-5C;5H-5S;7D/// という感じでビッドできそうです。


最後にウエストの14点1NTオープンからゲームスイングしたハンド

表 1NT-P-2NT-P;3C-P-P-X;P-4S///
裏 1NT-P-P-P

自分は表のサウスに座っていて、3Cをバランシングでダブルしてパートナーが4Sをビッドしてメイクでした。イーストは「普通にパスしたら1NTだったかしら」と聞いてきたので、「1NT流れてきたらパスでしたね」とコメント。2NTはサウスのオーバーコールをブロックする意図ですが、今回は裏目になりました。

裏はウエストの1NTオープンがそのまま流れて終了でした。ノースもサウスも絶妙に動きにくいです。NSの手が逆だったらバランシングでボスメジャーオーバーコールから4Mをビッドされていたので、我々にとってラッキーなハンドでした。


試合は39-35で11.2VP取りでした。こちらのデータムが+11、裏のデータムが+4だったのでかなりVP効率が悪いです。前半戦は94VP弱取って折り返し1位でした。

1部の前半戦を1位で折り返すのは7年ぶり?2回目。今回は後半も良い結果を残せるように頑張ります。


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