2019シーズン(SB LIV)を終えて

はあ、辛い。。
一日経っても傷は癒えず、twitterのTLにはDisney Worldでの優勝パレードの様子が流れ、職場では「夜中BSでやってたねーあの赤いチームのQB凄かった!」と言われるも特に面白い返答は出来ず「いやー良い試合でしたね」と力なく答えるしかできなかった。(いや、話題にしてもらえるだけありがたい話なのだが)
そんなわけで我がSF 49ersの2019-2020シーズンが終わった。しかしショックのあまり今日一日仕事が手につかず上司にまで心配される始末だったため流石にまずいと思い、なにか自分のいかんともしがたいこの感情を言葉にし前に進む方法はないかと模索した。その結果思いついたのがこのnoteである。というわけで、この文章は
・自分の感情の整理
・NFLファン、もしくはなにかプロスポーツにのめりこんで応援している人であればこの気持ちを理解してくれるのではないか、という甘え

のために書いてみることにする。

この5年の振り返り

終わってみればファンやアナリストのシーズン前の予想を覆し大躍進したシーズンだった。ただ2009年から49ersを追いかけ始めた私にとっては「またか。。どうしてこうも勝てないのか。。」と7年前の悔しさをまた思い返すシーズンとなった。7年前、当時学生だった私は期末テスト真っ只中に2012年シーズンのSBを観戦し、ショックのあまりその日の単位を全て落とすという誰に言っても「そんなにショック受けること。。?」笑われるでもなくむしろ困惑される苦い経験をした。社会人となった今、当時と全く同じ心持ちなことに自分でも驚きつつ、この文章を書いている。
今シーズンは本当に楽しめたシーズンだったのは間違いない。振り返ってみれば2014年を最後にJim HarbaughがSFを去り、長い暗黒時代(と言っても振り返ると今回は3年間、実際はとにかく長く感じたが)を乗り越えた2017年、GMにJohn Lynch, HCにKyle Shanahanを迎え新たな時代を迎えた。
就任当時彼らは「このチームには素晴らしいタレントがそろっている。5年待ってくれ、このチームを必ず強くする。」と強い言葉で語っていたが結果3年で一つの形となった。(最近「就任当時はああ言ったが、正直あのロースターを見たときは困った」と発言) 
2017年シーズン途中にJimmy Garoppoloをトレードで獲得しシーズン終盤に5連勝、2018年は久しぶりに期待出来るシーズンだった。しかしそれも束の間、3戦目でACLを断裂、あっさりと事実上シーズン終了。控えQBのNick Mullensの活躍もありなんと5年ぶりに憎きSEAに勝利する等、怪我人続出の絶望的環境の中なんとか形にはしたがまたしても悲惨なシーズンとなった。

迎えた2019年シーズン

そして迎えた2019年、オフシーズンにはFAやドラフトに力を入れ攻守共に戦力を充実させた(BosaやSamuelをドラフトできたのは正に怪我の功名)。「今年の戦力なら9-7,10-6くらいでPOいければいいなー」なんて軽く考えていたが蓋を開けてみればあれよあれよと8連勝。ホームでのSEA戦、at BALには敗れはしたものの、その後GB、NO、LARと強豪達を撃破。特にat NOの試合は今シーズンのベストカードだったのではないか。そして迎えた最終戦at SEA。最後までもつれた試合で残り数秒の4th down、TDを狙ったプレイをエンドゾーン残り数inchesのところでタックルで仕留め試合終了。積年の鬱憤を晴らす勝利、7年ぶりの地区優勝、そして第一シードを確定させレギュラーシーズンを終えた。この時点で正直お腹一杯まで楽しませてもらったわけだが、ここまで上手くいったチームを見ているとファンとしては当然欲が出てくる。SB優勝。「もしかしたらこのまま行ってしまうのではないか?」。そんな思いを抱きながらPOが始まる。対するはMINとGB。どちらも危ないシーンはあったものの結果は完勝。GBの試合に至ってはランプレイだけで前半に勝負を決めてしまった。いよいよSB。7年前見れなかった頂点が見えてきた。

Super Bowl LIV

ここからは正直あまり書きたくない。興奮と緊張で恐らく冷静に試合を観てられなかった。しかし恐らく今後も観返すこともないので今さっと書いて振り返りを終えよう。
・オフェンス
オフェンスは正直に言って物足りない結果となった。もちろんQ1~Q3の出来は十分だったと思う。用意してきたであろうSamuelのEnd aroundは毎回決まったしいつものOutside Zoneもしっかり出ていた。Garoppoloも試合当初のスタッツで言えばパス成功率7/8、1TD。ただQ4にかけてKCディフェンスのアジャストが効いたのかなかなかドライブ出来なくなっていた。特にKC DLが常に勝っていたのでインサイドはランブロックもパスプロテクションも勝負にならなかった。結果プレッシャーがかかりINTにつながったシーンや、DLにパスをディフレクトされるシーンが多々あった。
・ディフェンス
全体の印象としてはディフェンスは本当に良く頑張った。そもそも相手はあのMahomesなのだから戦前は全ポゼッションの内、何回止められるかが勝負の分かれ目だと思っていた。結果的にまともに取られた点数は24点。あのKCオフェンス相手にこれ以上を望むのは酷だろう。
・コーチング
試合後Shanahanの前半終了時にTOを取らなかったことや後半プレイコールが消極的だったと批判の声も挙がっていたが、私はそうとは思わない。前半残り90秒でTO2回と、残り60秒でTO3回ではオフェンス側の状況は変わらず上手く進めればFGまではつなげられる(現にRSではそんなシチュエーションを成功させていた)。むしろ3-outになり時間を残してMahomesにボールを渡すほうが危険だっただろう。
後半のプレイコールもKCディフェンスが前がかりになって守ってくる以上は得意のPAはコールしてなんぼだったと思う。10点リードしていたとはいえ何度も逆転してきたKCを考えれば時間を消費するより攻めたコールをするのは当然だった。
結果は前半最後のドライブはKittleのOPI(あれも厳しい判定だった)で止まってしまったし、後半はドライブ出来ずモメンタムをKCに渡すことになったが結果論でしかない。(ジョジョで言うところの"ネットに弾かれたテニスボール"だったと思いたい)
・総評
最後になんと言ってもMahomesが素晴らしかった、に尽きるだろう。他のQBであれば間違いなくサックにつながるシーンが何度もあったがその度にスレスレでかわしプレイを継続させた。SFは出来ることは尽くしたのではないか。最後のオフェンスドライブのSandersへのオーバースローだけ残念ではあったが他は大きなミスがあったわけでもなく、明らかな誤審があったわけでもなく、十分にやり切った結果だと思う。

最後に

試合後のBosaの涙やStaleyのインタビューは本当に辛いものだった。勝手に好きになってただ極東の島からテレビで観ているだけの人間がここまで打ちのめされているのだから当人達の思いは計り知れない。今シーズンは望まぬ形で終わってしまったがしかし、プロスポーツである以上来シーズンは必ず来る。きっと彼らもオフシーズンの間に気持ちを切り替え、来年再挑戦に向けてより一層取り組んでくれるだろう(KwonとKittle曰く"Legendary Revenge Tour"とのこと)。
ファンというのも困ったものでチームが上手くいこうとどんなにどん底に沈もうとチームを愛することは止められない。今シーズンは予想もしない楽しい試合を観せてもらったことに感謝しまた来年の9月まで待つことにしよう。
と、言いつつ早速来年のFAやキャップスペースからチーム構想を妄想してしまっているので、近いうちにその辺のお財布事情も備忘録としてまとめていこう。締める文章も見つからないので最後はこの言葉で。
Go Niners!




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