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2022ドラフト 感想

前回シーズン終了後に書いてから3カ月、オフシーズン戦力を整理するとか言いつつ全くまとめていなかったので、これまでにあった選手の出入りをところどころ文中で触れるとして、今回はドラフトの感想をまとめる形で振り返ってみようと思う。(最後まで無料です。気が向いたらお布施ください。)

2022ドラフト 指名順、ニーズ確認

昨年トレードアップしFuture HOF(仮) Trey Lanceを指名したため、今回チームとしては20何年振りに1巡視名権のないドラフトとなった。(なのでプロスペクトのチェックはあまり興味がでなかった…)
とはいえ指名数は
2nd-61th
3rd-93rd, 105th
4th-134th
5th-172nd
6th-187th, 220th, 221th
7th-262th
と9つあり、また先日FAで流出した戦力を考えると中位~下位でしっかりデプスを埋める選手を取る必要があった。

ニーズ① IOL

  • 真っ先に挙げるのがIOL。昨年はC/G3名変わらずプレーしたもののLARとのNFCCCでAaron Donaldに勝負を決められてしまった。そしてその中でも堅実にプレーしてくれていたLG Laken TomlisonはNYJに移籍、そして昨年獲得したC Alex Mackは今年37歳で去就をまだ発表していない。
    昨年までも下位で指名し枚数はいるものの、ここはまず先発を固める必要があった。(一応Aaron Banksという昨年2順の4スナップくらいしか出てない穀つぶしの木偶期待の星がいるが、彼が入っても補強は必至)

ニーズ② CB/S

昨年開幕戦でのJason Varrett負傷後安定しなかったポジション、結果としてEmannuel MoseleyとAmbry Thomasで固めることとなったがSBへのラストピースとして戦力アップを狙いたいところだった。ということで今年のFA唯一にして最大の補強となる元KCのCharvarius Wardと契約。
一方でリーグトップにして隠れたエースだったNCBのK'waun Willamsを引き詰められず、SSの先発JaQuaski Tarttとの契約延長もなかった。
昨今のパスハッピーな情勢からDBのデプスはいくらいてもいいものとして、ここもやはり補強ポイントとなる。

ニーズ③ DL

SFファンはご存じのところだが我々チーム最大の強みは凶悪なDL陣にある。上記でDBの不安を書いたもののNFC CCまで歩を進めたのは昨年後半リーグトップのサック数、プレッシャーrateを支えたDLのおかげであった。
こちらも2017年の下位指名から順調に成長してくれたDJ Jones、昨年LVRから獲得しブレイクしたArden Key、そして2年かけても首の怪我が完治しなかったDee Fordという中心戦力の離脱を考えると、こちらも枚数はいくらでも欲しく、良い選手が狙えるならいつでも狙ってほしいところであった。

その他ニーズ

その他喫緊ではないもののニーズをあげると、真っ先に挙がるのはRBとWR、今年リーグ全体に名前が知れ渡ったDeebo Samuel a.k.a wideback の問題である。今オフに契約延長が可能になったことで当然さっさとリーグ最高額クラスでの延長がされるものと思われたが、まさかの本人からトレード要求が噂されるようになった。
ファンの希望的観測としては、今後RBとしての起用が増えることでキャリアが削られることを危惧した彼が「WRとしての起用をメインに戻させたい」「確実に最も稼げるこのタイミングに大金を確保しておきたい(=保証額を増やしたい)」という思いを形にしたのだと思っている。
ということでドラフト前にはトップ10指名とのトレードも囁かれたが、万が一抜けた場合穴埋めのWR、もしくは彼が残留できたとしても彼に負担をかけさせないためのRBのデプスは必要なところであった。

ドラフト結果

というドラフト前の状態を踏まえ、結果はこちら。

Round 2: No. 61 – Drake Jackson, DE, USC
Round 3: No. 93 – Tyrion Davis-Price, RB, LSU
Round 3: No. 105 – Danny Gray, WR, SMU
Round 4: No. 134 – Spencer Burford, OT, UTSA
Round 5: No. 172 – Samuel Womack, CB, Toledo
Round 6: No. 187 – Nick Zakelj, OT, Fordham
Round 6: No. 220 – Kalia Davis, DT, UCF
Round 6: No. 221 – Tariq Castro-Fields, CB, Penn State
Round 7: No. 262 – Brock Purdy, QB, Iowa State

John Lynch - Kyle Shanahan政権になって以来初めて指名権のトレードなく、全てそのまま指名することとなった。詳細は以下。
(後で貼れるハイライトは増やしていく予定)

Round 2: No. 61 – Drake Jackson, DE, USC

今年最初の指名は強みをさらに強くする形となった。いわゆるBendが得意なスピードラッシャータイプで恐らくDee Fordの後釜を期待しての指名。
Pros:
ハイライトを見ると確かにOLに対して低く入ったまま切り込める(身体を折り畳む=bend)+QBが交わす間際の詰めが非常に上手く、True Freshmanながら5.5サックを記録していた。
Cons:
「1巡指名相当のポテンシャルもあるもののまだ発展途上」という前評判からもわかるように、パスラッシュの勝ち方がほとんど最初のポジション取りorワンカットで抜くのみで、ハンドテクニックなどはまだ磨かれていないようである。その他なんとなく下半身が細めでランブロック対応は未知数。
初年の期待値:
まだ21歳になったばかりの素材ということで、まずはローテーションで数サックを目指し、コーチもタレントも優秀なこのユニットの中で成長してもらいたい。


Round 3: No. 93 – Tyrion Davis-Price, RB, LSU

本政権お馴染みとなったサプライズ+リーチという評価の指名。なんでもLennard Fornetteの持っていたLSUのランでの1試合最多獲得ヤードを更新した選手とのこと。
Pros:
ブロッカーを待った上でタイミングを見てすぐにLOSを上がれることに加え、SFのソロタックルでは止まらない当たり強さを兼ね備えている。贔屓目に見て先述のFornetteと我らがレジェンド、Frank Goreを足して2で割った雰囲気。
Cons: 
トップスピードはないため一人で独走して持っていくようなことはあまりない。またパスキャッチもほとんど記録がないため未知数。
期待値:
Shanahanオフェンスの要はランでの組み立てであること、他RBが怪我がちなことから、1年目からしっかり活躍が期待される。
余談だがLance仕様のオフェンスとしてインサイドのアサイメントブロックのランが増えるのでは?という以前からの噂がこの指名でより強まった。

Round 3: No. 105 – Danny Gray, WR, SMU

こちらもサプライズ指名、しかし頭数としてニーズではなかっただけで非常にリーズナブルな指名と思われる。
Pros:
40ヤード4.33のここ数年SFにいなかった純粋なディープスレッド。コンテストキャッチもちゃんとできるとのこと。
Cons:
落球クセがあるらしい。また、線が細いのでプレスカバーの処理、ブロックができるか不安。
期待値:
スタッツは置いといてDeebo, Aiyuk以下のWR3として今までいなかったタイプとして、フィールドをストレッチする(昨年のBenjamin, Sherfieldに期待された)役割を果たしてくれれば。出来ればLanceの肩を活かす存在になってもらいたい。さもなくばShanahanお得意のドッグハウス行となりかねないのでまずはマイナス面の払拭から。

Round 4: No. 134 – Spencer Burford, OT, UTSA

ようやくのOL指名。
Pros:
本職はLTとしながらC以外はすべてプレーできるversatility、メインのLTでも全体的にそつなくこなしている印象。また手の使い方が上手く相手の力を使って投げたり下にはたき落とすプレーがハイライトでも見られる。
Cons:
ハイライトが上記に終始しており、自分の脚を使ってドライブしたりセカンドレベルへブロックに行ったりするプレーが見られないので、ゾーンスキームのようにモビリティを求められたときにどうなるか。
加えて恐らくカンファレンス的にも一流の相手との対戦がない中で並のプレーが多いので、パワーもスピードも技術も特筆するものはなさそう。
期待値:
名門出身ではないもののランブロックのステップもパスプロのキックバックも丁寧、手の使い方で言えばそれこそTrent Willamsのようないやらしいプレーを披露しており、今後楽しみな存在である(上手くいけば将来のLT/RTの先発も見えるのでは?)。とはいえまだまだ全体的なレベルを上げる必要があるのでまずはSwing Tackleとしての控えを目指したい。


Round 5: No. 172 – Samuel Womack, CB, Toledo

ここでようやくDB指名。
Pros:
フットボールIQの高さとクロージングスピードが速さが売りとのこと。それによるパスブレイクの多さで注目されていたらしい。
Cons:
5'9と小柄かつ腕が短いことがネックとされていた。
期待値: 
scouting reportもなかなかでてこないことから注目度の低さが伺える。とはいえ前任のK'waunもUDFA出身であることからNCBでロースターを狙うためにもまずはSTから頑張ってもらいたい。

Round 6: No. 187 – Nick Zakelj, OT, Fordham

2人目のOT指名。
Pros:
Burford同様、G/Tでプレー可能でシニアボウルでもそこそこやれていたとのこと。また、これもBurford同様手の使い方が上手く、俊敏ではないが6'6にしては動けるようで、身体の使い方は良さそう。
Cons:
サイズの割にパワーはないので、相手をキャッチしてもドライブしていくことはなさそう。
期待値:
恐らくBrunskillに似ているタイプでどこでもある程度働けそうな一方パワーの絶対値が低いので、それがどこまでプロで通用するのか。上手く便利屋としてまずは控えからでも定着してもらいたい。

Round 6: No. 220 – Kalia Davis, DT, UCF

地味に補強ポイントだった1テクのDT。
Pros:
ハイモーター、ブロックされてからも脚をかき続けてタックルまで行けるとのこと。
Cons:
2年間で5試合しかない試合経験の少なさ(ハイライトですら動画がなく、数プレーしかわからない)、そしてその原因となったACL断裂から現在リハビリ中。また、6'1しかないのでプロでも1テクにつけるかは謎。
期待値:
上記から今年はPUPリストスタートが濃厚。指名順位やDLの状況からしても急いで復帰する必要ははないので、プロジェクト枠としてじっくり育成していきたい。

Round 6: No. 221 – Tariq Castro-Fields, CB, Penn State

2人目のCB指名。6巡終盤だがあのドラフト名鑑にも載っていたので割と期待している。
Pros:
プロでも通用するサイズと身体能力を兼ね備えているとのこと。
Cons:
身体能力に頼りきりで基本に忠実にできないタイプらしい。例えば最後までパシュートする、ランのサポートするなどの意識が低いのが目立つらしく「disciplineが出来るか出来ないかで彼のキャリアは大きく変わる」と書かれていた。
期待値:
一部では「Sへコンバートするのでは」と言われたりもしており、ポテンシャルへの期待値は高い。まずはロースターに残ることを目指してほしい。

Round 7: No. 262 – Brock Purdy, QB, Iowa State

いわゆる"Mr. Irrelevant"の指名でまさかのQB指名。彼もあのドラフト名鑑にて「第二のTom Bradyに期待」と書かれていた。
Pros:
4年間先発経験があり、基本的な動作は十分にこなせるとのこと。
Cons:
裏を返せばこれといった特色もないようで、カバーの読みミス、タイトウィンドウに投げ込めない、など書かれていた。(まあルーキーQBにはありがち)
期待値:
我々のこの先10年はLanceが背負っていく(予定)が、優秀なバックアップはいつでも必要。なのでまずはキャンプでSudfeldを追い抜きゆくゆくはLanceを支える(+数年後他所に高く売れる)存在になってもらいたい。

UDFA

ドラフト終了後、早速以下の選手と契約の情報。

  • C Dohnovan West

  • OL Jason Poe

  • OL Sam Schuelter

  • WR Tay Martin

  • WR Taysir Mack

  • DL Kevin Atkins

  • LB Jeremiah Gemmel

  • LB Segun Olubi

  • DB Taylor Hawkins

  • DB Qwuantrezz Knight

  • S Leon O’Neal Jr

と少なくとも11人(やけに多い)と契約予定とのこと。
中でもDohnovan West, Jason Poeは待望のC/Gの選手、特にDohnovan Westは運動量も多い選手ということで当初は4巡相当の評価を得ていた。(Cにしてはサイズが足りないとみられたことでスリップした)
またLeon O'Neal Jr.も割と掘り出し物だとか。この辺りの選手からロースターに残る素材が見つかると嬉しい。ちなみにO'Nealは3巡RBのDavis-Priceのハイライトでタックルを外される事例で紹介されている。


感想

UDFA含め数ある指名権で当初のニーズを埋めることができたこと、順位が低くいわゆる目玉となる選手を取れないことがわかっていた中でポテンシャルのある選手を複数確保できたことから、十分満足な結果と言えるのでは。あとはこの中から先発になる選手が出てくることを祈るだけである(JacksonはPro bowl、Davis-Price, Grayは先発、他はロースター入りが当面の目標か)

今後の展望としてまずは相変わらず結論のでないDeebo、そしてドラフト直前にしれっとオプション行使が決まったBosa様との延長をまとめて気持ち良くキャンプインしてもらいたいところ。(Bosaは来年でもいいけど)
そのためにも早いところGaroppoloを売り払って25Mの負債を処理したい。との涙の別れを済ませたい。

まあ延長にしろトレードにしろ現政権の情報統制は非常に上手く、いつも唐突に決まる傾向があるので気長に待とうと思う。次はロースター決まるころに書きたい。

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