PlaceMaking

部内メールでPlace Makingのセミナーの開催案内メールが回ってきた。

所属部署柄セミナーやシンポジウムの案内は定期的に流れてくるが、今回の案内は『世界一住みたい都市の常連であるメルボルンでPlaceMakingを続けているGilbert Rochecouste氏が、通常3日間で進めるセミナーを1日に詰め込んで日本に上陸する』というなんとも刺激的な内容。


月並みだが、30歳も過ぎ、自分て何がしたかったんだっけ?とモヤモヤ野郎が心の中に常駐してきた&残業で集中力が切れかけていたタイミングだったので、即決で申し込みをした。


結論としては自分の考えを整理するのことにもなり、すごく参加してよかったので備忘のために記録。


2019.2.15

What is PlaceMaking

人々が生活する空間を計画する際に、ハードとしての設計をするのではなく「その場所」の魅力を深掘り、再定義し愛着をもつ場所とするためのアプローチ方法。

細街路やルーフトップ、公園など個人の専用部ではない場所はすべて対象。

StickyPlace(粘っこい)場所という表現はわりと面白かった。人を惹きつけ、滞在時間が自然と伸びる、人に伝えたくなってしまう(ヤンゲールが言う「City for the People」とも同じ思想

結果的に人の活動量が増え、経済合理性が生まれる。


今の日本はPlaceMaking の機会の山

郊外、都心問わず人が通過するだけの寂しい場所(ColdSpot)世の中にはがたくさん存在する。UR団地だけで考えても団地広場や商店街、使われていない公園など悲しいかなそれはそれは大量に。。。(主催者の温情で公にはされなかったが、Gilbertが「Empty〜!!」と叫んでいた写真も弊社の団地広場であった。)

これを悲観的に捉えずに、伸びしろがめっちゃある会社(我がふるさと茨城県と似た境遇)とポジティブに捉えることが重要。

ましてや、これからの日本は人口減少社会。都心でなくても仕事ができ、必要以上に容積を稼ぐ必要がない中で、この大量の使われていない空間をどう変えるかという非常に面白そうな世界が広がっている。


今後2050年までに全世界の80%が都市部に住むと言われている中で、どのような視点で街を考えるかというスキルを身につければ団地に限らず非常に展開力があるんじゃないか?

PlaceMakingはどのように進めるのか?

1 地区の深掘り 

 地区のデータや名所(店、景勝地、遺跡等)を深掘りしAssetMapを作成

2 ステークホルダーとのエンゲージメントを高める 

 ウォークショップ(街歩きを含めたワークショップを意図する造語)などを通じて関係者 で課題の共有

3 目指すべきまちの将来像を描く

 専門家ではない人もイメージできるように、事例を写真で見せるなどしてインスピレーションを共有

4 Strategy(戦略)
 将来像に向けどのように誰が取り組むのかを戦略的に考える

5 Temporary Action
 いきなり完成形を作ることはハイリスク。時代の流れがFaster&Fasterな中で間違ってし まうとWorse&Worseというドツボにはまる。何事もミニマムから始めること。

6 継続
 変化が早い社会の中で少しずつチューイングしながら街が育つ仕組みづくり

 重要なのは予算の付け方
 80% -日常(清掃、警備、カフェ、マルシェなど)
 15% -月1回程度のイベント
   5% -遠方のからも人が集まるような盛大なイベント


PlaceMaker に必要なこと

ひとを巻き込んで物事を進めていく役割を担うのがPlaceMaker

・まずは自分自身の得意不得意、興味関心を知ること

・様々な意見を持つ人をまとめあげていくファシリテーション能力

・既存の情報を紐解き、作り変えていく再編集力

・誰に対してもWelcomeな雰囲気を持つこと

・いつでもキーパーソンになりそうな人を探す(見つけたらハントしに行く)

・誰に対しても話ができるように、非常に広範囲な知識(浅くても良いので)


その他

 今後世界的企業が公共空間を展開(BrandUrbanism)する流れが生まれつつある(NIKE  PARKやAppleSquare)

 これが良いことかどうかは判断できないが、一つの企業経済活動に組み込まれることのリ スクも把握しておくべき

 Drive Local Sales

 同じものを買うなら大型チェーンよりも地元店舗。結局はそれが地域経済を回転させる。Amazonで買ったら利益は国外に。地元の書店の利益は書店のおじさんが飲みに行けば還元される。

 

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