東女美女烈伝.11 上福ゆき

新しいツヨカワのリーダー

上福ゆきは美しいんだ。


私はこれまでの東女美女烈伝において何度も"クラシカル"という言葉を使ってきた。
プロレスに詳しい、または実際にアマチュアレスリング等の格闘技をやってきた方によれば、東京女子プロレスのレスリングスタイルは実にクラシカルで基本に忠実なのだそうだ。
国内を含め攻防の激化が止まらない一方の現代プロレスにおいてナカナカに稀有な団体。
オマージュ元の著者内館牧子先生がご覧になったら驚くべき変貌を遂げたプロレスという格闘技。
そんな中、東京女子プロレスには「原風景」がある。温故知新。内館先生も安心できるのではないだろうか。
上福ゆきもご多分に漏れずそのファイトスタイルは実にクラシカル。
それでいてカジュアルビューティという実に現代的な二つ名を持つ。その名の如く彼女は自分の長身スレンダーという身体的特性をいかに魅せるかをよく知っている。チョップ、ドロップキックにブレーンバスター。 強引だがフィニッシュのフェイマサーはスタンディングのレッグドロップと見れば彼女のレスリングはクラシカルをカジュアルに落とし込んでいる。
加えて彼女は「港区女子」という私が人生で交わることがまずないであろう新生物だった過去をもつ。一人称は俺。男なら無頼漢と呼びたい頼もしさがある。
2023年のTPCにおいて彼女は

「フューチャーハズバンドの平野紫耀くんに街で会ったらどうすんの?」

と角田奈穂戦後に傷だらけになった顔面でインタビューに応じた。
練習の虫であり道場に足繁く通う渡辺未詩戦を前にしては

「道場には行かない。」

と、道場論を体現する練習の虫相手に言葉のプロレスを仕掛け、相手の信念を真っ向からひん曲げた上で完勝を収めた。
まるで朝まで飲み明かしたまま試合に臨む昭和のプロ野球選手を彷彿とさせる。無頼漢。

でも。きっと彼女は猛烈な努力をしているはず。表に出さないだけ。カジュアル。頭脳明晰。
そうでなければTPC決勝で求道者山下実優をあそこまで追い詰めることはできなかっただろうし、前述の道場行く行かないしかりファンの心にフックする言葉を巧みに使いこなすことはできないはずだ。
東女における新時代の旗手は上福ゆきだと私は思っている。ツヨカワニューワールドオーダー。

彼女は型にはめられるというか、「上福ゆきは⚪︎⚪︎だ」と形容されることをとても嫌う。それは常人とは違う道を歩んできた彼女のバックグラウンドゆえだろう。とはいえ。まえがきで述べたように東女美女烈伝については私の選手たちに対する「妄想の憶測」であり、演繹的な「あるべき論」ではない。
一方的な「かくあるべし」は良くないと思う。あくまで「こうなのかな?」という「妄想の憶測」だ。「こうあってほしい」でもない。

前置きが長いのが僕の悪い癖。
結論。
上福ゆきはプロレス温故知新な側面が多分にある。
東女が誇る正統派美女であり正統派レスラー。
プロレス見たけりゃ東女に来い。
上福ゆきが全部見せてやる。

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