東女美女烈伝.31 マックス・ジ・インペイラー

大和撫子になった女風来坊

マックス・ジ・インペイラーは美しいんだ。

「最も強い者が生き残るのではない」
「最も賢い者が生き残るのでもない」
「唯一生き残るのは変化に敏感な者である」

進化論を唱えたチャールズ・ダーウィンの格言。
世界中から未知の強豪が襲来するリングとなった東女。甲田哲也氏が目指す桃源郷へと進化が止まらない東女。外国人選手にとっては女子レスリングのサンクチュアリ。
インペイラーのように継続参戦するほどの選手達はみなダーウィンの条件を満たしている。
強く賢くとも変化に敏感、つまりは環境にアジャストできなければ一発屋で消えていく。
インペイラーはアジャコングよろしく見事に強く賢くアジャスト。東女の一員として闘い続けている。
団体からも選手からも一目置かれ、物語の登場人物としてシングルでもタッグでも王座に就いたことはその証明。
大エースとして世界を転戦する求道者山下実優は海外で試合をすると外国人選手から東女参戦を直訴されることがあるという。
山下はインタビューでこんな風に言っていた。

「東京女子に長く残れている選手は性格というか、東京女子の環境を受け入れて溶け込めている選手。」

インペイラーはその悍ましいビジュアルとは裏腹にきめ細やかな性格と順応性がある人物なのだろう。

2023年12月10日に後楽園ホールで開催された旗揚げ10周年記念興行。
リング上で行われた選手たちの記念撮影に必死にまざろうとしていた彼女。残念ながら見切れ写真が週プロの表紙を飾ったが、その光景は東女ファン達の心に響いた。彼女からきわめて日本人女性的なマインドを感じた。暴れん坊の風来坊が大和撫子になった瞬間を見た。そう、彼女はリングで闘うマツコ・デラックスになった。私はマツコ・デラックスこそ、この国で絶滅危惧種となった大和撫子だと思っている。品と格。

「幸」と言う字は、手枷をした罪人を表す象形文字だそうだ。彼女は東女でその手枷を外し、ヒールという立場ながらもファンに幸福を突き刺すステキなプロレスラーになれたのだろうか。彼女自身は幸せになれたのだろうか。
進化し続ける東女、それにアジャストし続けるインペイラーをこれからも見続けていきたい。

これからも日本と東京女子プロレスをよろしく。ぽむもよろしくね。幸あれ。

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