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コロナ陽性者を自宅で看病してわかったこと

※ 筆者は医療従事者や医師ではないため、実際に新型コロナウィルス感染者の看病を行う場合は保健所や医師の指示に従ってください。本記事は、看病ライフの参考程度としていただけると幸いです。

こんにちは。つい2週間ほど前に身内(妻)が新型コロナウィルスの陽性判定を受け、自宅療養となりました。

医師が言うところの「軽症者」ではありますが、しっかり発病し、回復までに2週間ほどかかりました。

その2週間の間、妻の看病をした経験を踏まえ、新型コロナウイルス感染者の自宅療養中の看病のポイントを、看病する人の目線でまとめます。

年齢や家族構成、生活パターンによってケースバイケースなことが多いかと思いますが、身内にコロナが出て自宅で看病しなければいけない時に参考にしていただければと。

1.ウチの情報

・妻も私も30代中盤、2人で東京のアパートで暮らし
・妻も私も仕事はフリーランスで、リモート仕事が多い
・ふたりとも大きな持病はなし、健康体 

2.妻の病状

医師が言うところの「軽症者」でしたが、私は心配になるほど重症に見えました。

・痰がからんだようなゲホゲホという咳が止まらない
・熱が39度を超えて出たかと思うと、37度台まで下がり、また突然上がる繰り返し
・憔悴してベッドからは起き上がれないが、咳と熱で良く眠れない
・味覚・嗅覚はない
・当然食欲はない

これが「だんだん良くなる」わけではなく、治るまで同じ感じで続きます。
なので、皆様、コロナに罹(かか)らないことが一番です。苦しい思いします。治った後も後遺症が続きます。

3.自宅療養の流れ

基本的には看病者(同居者)も、療養者の自宅療養期間(病状がおさまれば、発病から10日で解除)が過ぎるまでは外出できません。

同居者はほぼ100%濃厚接触者なので、保健所から電話が来て、PCR検査を受けることになります。もし、同居者も陽性が出た場合(当然、出る場合が多いそうです)、自分も自宅療養者になります。

4.看病する上で大切にしたこと① 「共倒れしないこと」

まず、看病する人が「共倒れ」しないことを大切にしました。

自分もコロナに罹(かか)るのは、陽性者と一緒に住んでいる以上、避けられないと考えていたので、とにかく気合でも何でもいいので、「妻が回復するまでは、看病できないほど具合悪くならないこと」を目指しました。

ウチは二人暮らしですし、妻の病状は先述の通りの惨状でしたので、自分が倒れたらアウトだと思っていました。

そのために私が実践したことをリスト化します:

1アクション、1手洗い
看病の行動だけでなく、何かを取ったり、PCやスマホを触ったり、料理したりしたら、必ず薬用ハンドソープで手洗い。
肘の下までしっかり洗います。手は荒れますが気にせず。
1アクション、1うがい
手洗いと同じタイミングで。
最初は市販のイソジンで毎回うがいしていましたが、1日に20回くらいイソジンうがいするので、結果として喉がかなり荒れました。イソジンは1日2回程度にして、あとは水うがいの方が良いかと。
1日3回の鼻うがい
知らない人は「鼻うがい」でググってください。
「ハナノアシャワー」などの一般的に販売されているモノをまずは買いました。市販品の鼻うがい液はすぐなくなるので、お金に余裕があるならばケチらず買い足してください。
ちなみに、0.9%の生理食塩水でもOKらしいので、私は塩分計を買って、食塩水で鼻うがいしてました。
1日3回、1回400mlくらいやりました。塩分が濃すぎたり薄すぎたりすると、鼻痛いです。
栄養ドリンクを毎日飲む
自分が一番効くと信じているものを、お金はかかりますが、毎日飲みました。ちなみに私の場合は、meijiの活蔘というドリンク剤でした。
看病の方でも書きますが、食事が偏りがちになるので、これは結構重要だと思ってやっていました。
ビタミン摂取
栄養ドリンクと同様、食事が偏るので、ビタミンは積極的に取りました。
素人ですが、ググって調べたところ、ビタミンAが粘膜の健康には重要とのことだったので、ビタミンAとカロリーが取れる野菜ジュースを毎日1Lは飲みました。
マヌカハニーを毎日ノドに垂らす
これもお金はかかりますが、毎日寝る前にマヌカハニーをスプーン半分くらい喉にタラーっと垂らしてから寝ました。
殺菌効果が期待できるとのことで、どの程度効くのかわかりませんが、やれることは全てやるということで、毎日続けました。
胃に落とし込むというより、喉にくっつけるイメージでやると、結構喉がヒリヒリして、効いている感がありました。気分的にも安心できたかも。
 筋トレなどの家でできる運動で汗をかく
「自分も罹(かか)っているかも・・・」と思うと、何となく息苦しく感じたり、喉が痛く感じたりしてきます。
そこで、1日1回、筋トレなどで汗をかくと、何となく不調な気分は吹き飛んでいきました。私の場合、20kgのダンベル(重さ調節可能)があったので、幅広いトレーニングが可能でした。
なお、本当に具合が悪い場合は無理せず保健所に連絡したほうがいいかもしれません。
早く寝る、良く寝る
運動量が減るので眠くなりにくいですが、筋トレなどしっかりして、とにかくしっかり眠ることを心がけました。
感染しないように最低限の予防行動をとる
看病の方でも触れますが、療養者の正面には絶対に立たずに、何をするにも横から、横からを心がけました。
また、ふとした瞬間に目や鼻をかかないように気を付けました。かきたい時は消毒(アルコール消毒を常に机に常備)か手洗い直後に、と決めていました。
あと、基本は、巷で言われているような対策は最低限やった方が良いかと。

5.看病する上で大切にしたこと② 療養者の看病実践

看病に関しても、保健所や都道府県のガイドラインなどで言われているようなことは基本として実施しました↓↓↓
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/corona_portal/shien/zitakuryouyouhandbook.files/zitakuryouyouhandbook0128.pdf

それに加え、以下の2つの観点で看病を組み立てました。

(A)療養者の「気分的安心」
軽症とは言え、本人の体感としてはかなりシンドイと感じました。特に呼吸器系の症状なので、酸素飽和度(SpO2)が十分あったとしても、かなり息苦しく不安があると感じます。
その不安をできるだけ感じさせないように、何ができるかを考えました。(ちなみに、SpO2が95%を下回らなければ大丈夫らしいのですが、95%を下回ると山登りをしている時と同じような息苦しさらしいです。)

(B)療養者の「体力増強」
特効薬が未だなく、自分の免疫力で戦う病気ですので、どのようにしたら体力をつける食事と睡眠をとってもらえるか考えました。
特に、息苦しさ+味覚嗅覚がないことで食欲はかなり低い状態、一日中ベッドに居るのでそんなに眠れないという課題がありました。

上の(A)と(B)を解消するために、以下を看病の中で実践しました。

★仕切りを作って、可能な限り療養者がマスクをしないで済む環境づくり
・ガイドラインに従えば、療養者も看病者もマスクを常につける必要があります。基本的には飛沫(正面から咳を受けるとか)で移る病気ですので、マスクをしていれば感染リスクはかなり低減できます。
しかし、息苦しい人にマスクを常にしておけというのも酷なことと思いました。
うちはワンルームのようなレイアウトなので、ベッドに居る療養者と看病者の間に「ついたて」のようなものを設け、基本的には療養者がマスクをしなくても飛沫が散乱しない環境を作りました。
また、看病行動をとる場合は、療養者の正面に立たない。療養者が触ったものは、すぐ消毒(アルコール消毒液をティッシュにしみこませしっかり拭く)。使った皿もすぐ洗う。療養者が使ったティッシュなどはベッドサイドに置いた袋に入れて、密閉してこまめに捨てる。
この辺りを徹底し、療養者はマスクなしで生活してもらいました。(←これは医療的には推奨されていないと思うので、感染リスクは高くなることをお含みおきください。)
★部屋が暑くなりすぎないように、喚起はほどほどに
夏は喚起をすると室内温度が上がり、息苦しさが増します。
飛沫がかからないように制御できていれば、コロナは空気感染は今のところほぼしないということでしたので、喚起は1日3回、それぞれ10分程度としました。(←こちらも医療的には推奨されていない可能性があります。)
★シャワー・風呂に入れない分、他の手段で清潔に
高熱が出ていたので基本的にはシャワー・風呂は無しにしていました(というか、ベッドから起き上がれる状態ではなかったので、いずれにせよ無理)。
しかし、何日も体や頭を洗わないのもシンドイと思い、1日に1回、体はボディシートで拭き、頭はドライシャンプー、顔は洗顔シート&シートマスクでお手入れ、といったことをして、できるだけ気分よく過ごしてもらえるようにしました。
療養者本人はフラフラで出来ないため、看病者が実施しますが、実施中は常に背中を向けてもらうことで飛沫に触れないように心がけました。
なお、顔を拭く場合は、後ろから、ないしは仰向けに寝てもらい横から拭きました。
★食欲がない中での食事
とにかく食欲が出ない状況なので、工夫して栄養をねじ込む必要がありました。

食事を用意する上で難しかった点は、お腹の調子は基本悪いので、油と生ものはNG。かと言って、おかゆばかり出しても飽きる&栄養が摂れない。1品を沢山食べることは無理(疲れるし、味もないので飽きる)。味を感じにくいので、基本は何もおいしくない。

その中で、実践したメニュー↓↓↓
◎ 朝ごはん:
鍋に、少し濃い目に水で割っためんつゆを入れ、沸騰させ火を止めて、溶き卵を流しいれて固めたもの(親子丼の卵部分のみのイメージ)
◎ 昼ごはん/夜ごはん:
基本的には主食(おかゆor白米)+ 和食を3品ほど少しづつ(3品あれば、3品とも少しは手を付けてくれるので、1品よりは量を食べてくれる)。

味覚障害で風味を全く感じられないので、原始的な味(しょっぱい、甘い、辛い、など)を感じやすくするために濃い目の味付け。ただし、食塩の塩味は苦く感じるので、できれば醤油などで味付けすると良い。甘味は感じやすいようでしたので、砂糖とミリンは普段レシピの1.5倍ほど入れても、療養者ウケが良かったです。

※ 普段料理をされない方へ: 野菜と肉を鍋に入れて、醤油・酒・みりん・砂糖を大さじ1ずつ、水を150ml入れて、かき混ぜながら10分ほど煮てください。療養者はおそらく味をあまり感じていないので、なんとか食べられます。

なお、お腹を下しているときは食物繊維は良くないので、野菜はイモ、ニンジン、大根、カボチャ、キャベツなどを中心にしました。
あとは、どうしても食べられず、カロリーと栄養が足りないという日は、ウイダーインゼリーのビタミンとミネラルをストックしておき、それらで栄養補給をしてもらいました。食事ができない日は、ウイダーインゼリーをそのまま渡しても吸うのがシンドイようだったので、皿に出してスプーンで口にねじ込んでいきました。

基本的には自分も同じメニューになりますが(結構しっかり作るので別メニューは用意できない)、自分も体力をつける必要があるので、できるだけ量を食べることを心がけました。足りないビタミンなどは、ドリンク剤や野菜ジュースでしっかりとることも忘れずに。
★水分補給を管理する
基本的には、経口補水液を買い込んで、500mlを1ボトルずつ渡していました。
最初の数日で気づいたのですが、渡しておいてもあまり飲みません。
そのため、寝ている時間を除き、1時間に1回程度は、最低でも100mlは飲むよう声がけをしました。
大塚製薬の経口補水液のボトルには、100ml単位のメモリがついているので、療養者もごまかせません(笑)
1日1Lは飲んでもらうようにしていました。
★とにかく寝てもらう
ベッドから動けないので、起きていてもシンドイでしょうし、寝て体力を温存してもらう必要があるので、とにかく寝てもらうよう工夫をしました。

食事の時間に加え、体を拭く時間、おやつのようなもの(ゼリーとか)の時間など、区切りの時間を作って、その後に寝てもらうルーティン作りを心掛けました。

あと、重要なこととして、咳が出てしまい眠れない状況が散見されました。診察してくださった医師曰(いわ)く、咳はウィルスを体外に出す反応で、痰(たん)が絡んだような咳は出した方が良いと言っていたので、基本的には咳止め薬は使いませんでした。
とはいえ、発作のように激しく咳き込んで休めない時もあったので、その時は、療養者の首から背中の中心を手でさすったり揉んだりしながら、背中に意識を集中してもらうよう伝え、徐々に咳を落ち着け、療養者が眠るまで続けることで、眠ってもらっていました。

また、熱が出て寝付けない時は、カロナールなど処方された解熱剤でもOKですし、冷えピタなどをおでこや胸部に貼ると少しは楽そうにしていました。

6.最後に

以上、私が実践した、コロナ自宅療養者の看病方法でした。基本的には、「とにかく療養者が良くなるまでは自分が倒れないこと」と「療養者が可能な限り快適にコロナと戦える状況を作る」ことに焦点を当てて、乗り切りました。

結果として、妻の自宅療養は2週間程度で解除され、私もコロナに罹(かか)りませんでしたが、繰り返しとなりますが、まずは保健所の指示やガイドラインに従ったうえで、本記事の内容を参考に、看病をしていただければと思います。

最後になりますが、同居者から陽性反応が出てしまうと、買いだしも満足に行けなくなりますので、看病が始まったら、ネットなどを活用して必要なものをストックしておくことをお勧めします。

<ストックしておくと安心なもの>
・ティッシュペーパー
・ビニール袋(療養者のティッシュを隔離して捨てるもの)
・経口補水液
・アルコール消毒液
・イソジン
・鼻うがいキット
・冷えピタ
・ボディーシート、洗顔シート、シートマスク
・米、野菜(食物繊維が少ないもの)、肉(脂身が少ないもの)、卵(卵とじ、おじや等の「流し込み系」に使えて、栄養価も高いので大量消費)
・栄養ドリンク
・野菜ジュースやウイダーインゼリー

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