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無課金おじさんの週末

9月も終わりが見えてきたのにカンカン照りで蝉しぐれ、グラウンドヒーティングでアースはチンチンに加熱されて脳味噌ぐらぐら湧いて虎はぐるぐる回ってバターになっちゃいますわよ、奥様。

お元気ですか。

三連休、全く予定を入れずに充電していました。充電のし過ぎも良くないと言うが、天気も悪いし低気圧は襲ってくるし、たぶん重力も2倍くらいになっていたと思う。
安っすいTシャツにユニクロのスウェットを履き、何処にでもいるザコキャラのような無課金おじさんに偽装したおれは、充電という名のもとに3日間籠城を決め込んだ。

暇なおじさんは庭仕事と相場が決まっている。
存在しているだけで眩しい若者たちを目を細めて見守りながら、おれは風景と同化したエキストラとして、夏の間にジャングルと化した植え込みと早朝から格闘した。

おれが籠城を決め込むや、急に用事を作って居なくなる妻子。彼らも秘密の任務に勤しんでいるに違いない。
庭仕事からの掃除、洗濯、部屋の模様替え、家計簿、絡まったコードのほどき、機密文書をシュレッダーに掛ける、などなど。もういいでしょう。よくやったおれ。

満を辞してご褒美。
わざわざ車で30分走り、30分行列に並んだ。
脂質、糖質、塩分。全てにおいて常人の摂取量を上回る、ハイリスクハイリターンな合法ドラッグ。脳味噌にダイレクトに染み渡るアディクティブな一杯だった。
やっと帰ってきたぜ。

もはや何だか分からないもの