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帰国


只今帰国。

スーパー多忙な2週間だった。
あらゆる手段を使い、まるで格安パックツアーの如くアジトを転々とした。その移動も朝一番の飛行機とか、それに乗るには深夜に宿を発たなくてはならないとか、じゃあ食事はこの隙間でとか(とても大事)、毎日チームで話し合いながらこなして行った。メンバー(部下たち)も百戦錬磨なので、ある程度丸投げ出来るのは良かった。時に二手に分かれて別々な国に飛んでディナーで合流したりとか、レンタカーやら公共交通機関やらUberやらを駆使して動き続けた。

実は出発前、若手が作った今回の予定表を見た時にはその多忙さにまじかよ、とみんなで突っ込んだのだが、結局滞在日数とタスクを貼り付けるとこういうスケジュールにならざるを得ないという事で、覚悟を決めて飛んだ。

結果は出たかというとこれが微妙で、大人数のミーティングは時間切れ、トップ会談には参加できず、影のボスには辿り着けず。という事で、一番の目標に掲げていた部分は「もっとがんばりましょう」という評価に終わった。
やりたい事は分かったけど、結果は出なかったね、では小学生の自由研究になってしまう。忙しさにかまけて結果を出す部分のフォーカスが甘かったのかも知れない。

問題としては、トップ会談で物を言うにはそれなりの肩書きと、その場をひっくり返すくらいのキレッキレの話力(英語力だけじゃなく、人身掌握の様なキャラも含めて)を持ち合わせておかないといけなかったようだった。ネイティブクラスの英語力と、めんどくせえくらいの執着心が無いと、彼らの派閥や政治の世界に切り込む事は容易ではないのだ。つまりおれたちはまだ土俵に上がれていなかったということか。
おれの立場は政治や管理業務を売りにしているわけではないし、どちらかと言うと元々そういうのは不得意な役割。っていうか長年サラリーマンやってるけど、日本にそんなヤツいるか?

一方でおれが合間に行った技術的なサポートでは予定通りの結果を出し、現場のQ&Aにも全て答え、クライアントの絶大な信頼を得ることが出来た。現場のトップがわざわざ会いに来てくれたくらい。ここでは確実に名前を刻んできた。やっぱりおれ、こういうのが向いていると再認識。これは「よくできました」をもらえたと自負する。だから不器用かもしれないが、おれは自分なりのルートで人脈を作っていかなくてはならない。勉強ももっとやらないと。ますは目の前に見えている課題はこなすべきだ。その先にもっと見えない課題があるのだが、手が届かない先の事をのんびり考えている暇は無い。

ところで今回の帰り道にこんな事があった。
イタリアの地方空港からドイツに飛んだのだが、チェックインカウンターでチケットのバーコードをかざしたが何度やってもエラーになってしまう。そこにイタリア人のスタッフが来ておれのチケットを見るや、おもむろにピリッと真っ二つに破ってしまった。「オイオイ!」と思わず声が出たのだが、彼は棚から別なチケットをおれに渡して「ハイ次」と言った。恐らくダブルブッキングか何かだったんだろう。それは小さい飛行機だったし2時間程度のフライトだから変更された席も特にどうというものではなかった。

ミュンヘンは雨。
10℃以下で寒い!

ドイツのミュンヘンから飛ぼうとした矢先、やはりおれのチケットだけまたもやピリッと破かれて「オイオイ!(2回目)」となった。するとスタッフが別のチケットをおれに渡しながら「すみませんお客様、お客様のシートは都合によりビジネスクラスに変更になりました」と。

広い
ええやん
お贅沢

半信半疑で乗り込むも、一桁台の座席にやや緊張。アテンダントさんが「カッパ様、フライト前のお飲み物は如何でしょう」と名指しで呼んでくれて人間に昇格した気分がした。

前菜がすでにこの量
メイン。
うまー

食事は豪華でエコノミーと比較するとだいぶ美味しいし、座席はフルフラットになったので半分以上爆睡出来た。疲れは全く少ない。

朝食
うまかった
ディズニーを眺めながら着陸態勢へ

だけど贅沢過剰だよね。食事も別にここまで要らないし、着替えと称して配られたTシャツもいつ着替えるんだから謎だし要らなかった(荷物になるから置いてきた)。日本人の誰か、カプセルホテルの技術を飛行機に採用できないだろうか?どうせ落ちたら死ぬんだから安全なんか程々でいい。長距離フライトはカプセルでミイラになればいいんだ。