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職権による相続登記って、できるようになったの?

Q.昨今、ペンギン村では、村長自らが面白半分に土地を破壊していることに加え、相続登記未了による所有者不明土地が増加していることから、公共事業等のための用地取得に支障をきたしています。相続登記が未了のまま放置されている土地を解消するために、登記官も兼ねている村長は職権で相続登記を行うことができるのでしょうか?

A.職権で相続登記を行うことはできません(相続登記の申請を勧告することができる)
所有者不明土地の利用の円滑化に関する特別措置法により不動産登記法の特例が定められました。
登記官は、地方公共団体等に対し、当該土地の所有権登記名義人についての死亡の事実などの情報の提供を求めることができ、相続人に対して相続登記などの申請の勧告を行い、職権で所有権の登記名義人の死亡後長期間にわたり相続登記がされていない土地である旨を所有権の登記に付記できるようになりました。

★世戸弁護士のコメントです
所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法(施行日: 令和元年6月1日)の40条に,以下のような規定を置きました。
第40条
1 登記官は、起業者その他の公共の利益となる事業を実施しようとする者からの求めに応じ、当該事業を実施しようとする区域内の土地につきその所有権の登記名義人に係る死亡の事実の有無を調査した場合において、当該土地が特定登記未了土地に該当し、かつ、当該土地につきその所有権の登記名義人の死亡後10年以上30年以内において政令で定める期間を超えて相続登記等がされていないと認めるときは、当該土地の所有権の登記名義人となり得る者を探索した上、職権で、所有権の登記名義人の死亡後長期間にわたり相続登記等がされていない土地である旨その他当該探索の結果を確認するために必要な事項として法務省令で定めるものをその所有権の登記に付記することができる。
2 登記官は、前項の規定による探索により当該土地の所有権の登記名義人となり得る者を知ったときは、その者に対し、当該土地についての相続登記等の申請を勧告することができる。この場合において、登記官は、相当でないと認めるときを除き、相続登記等を申請するために必要な情報を併せて通知するものとする。
3 登記官は、前2項の規定の施行に必要な限度で、関係地方公共団体の長その他の者に対し、第1項の土地の所有権の登記名義人に係る死亡の事実その他当該土地の所有権の登記名義人となり得る者に関する情報の提供を求めることができる。
4 前3項に定めるもののほか、第1項の規定による所有権の登記にする付記についての登記簿及び登記記録の記録方法その他の登記の事務並びに第2項の規定による勧告及び通知に関し必要な事項は、法務省令で定める。


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