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公正証書遺言=意思能力あり?

Q.私のパパは、公正証書により遺言を作成していました。公証人がパパに面談して作成したものなので、遺言作成時の意思能力に問題ないと考えて良いものでしょうか?弟は、それだけではパパに意思能力があったとは言えない、と主張して、公正証書遺言が無効だと主張しています。

A.「これでいいのだ」と言い切ることはできません。
このような場合に意思能力に問題があるとされ、遺言が無効になった事例は複数あります。
公証人が遺言の作成に関与したことのみをもって遺言能力があったと断定できないとされています。(実際に、公正証書遺言について、作成当時に意思能力が無かったため遺言は無効である、との訴訟を起こされたことがあります。もちろん、無効にはなりませんでしたが、後で争うことが予想される場合には、執筆時の動画や意思能力の鑑定書など、意思能力があることを証明する証拠を集めておいた方が良いと反省しました。)

★世戸弁護士のコメントです
確かに,公証人が遺言の作成に関与したことのみをもって遺言能力があったと断定できません(実際,私が遺言が無効であると訴訟を提起された方の訴訟代理人として訴訟追行をしたこともあります)。ただ,公正証書による遺言は,①内容的に適正な遺言ができる,②(とりあえず)遺言意思が確認できるから,無効などの主張がされる可能性が少ない(上記のように,ない,ということはないです),③公証人が原本を保管するので,破棄・隠匿されるおそれが少ない,④家庭裁判所の検認の手続が不要である,というメリットがありますので,遺言は公正証書の方法により行うことをお勧めします。


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