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ナイチンゲール『看護覚え書き』を聴く#100

フローレンス・ナイチンゲールが著した『看護覚え書き』のオーディオ・ブックを配信します。HNS(=防府看護専門学校)の学生・生徒だけなく、卒業生や看護師を志す、すべての人に向けた配信です。ご自由にお聴きください。

#100 :色や形は、回復の手段となる 

美しいもの、物に変化を持たせること、特に華やかな色彩が病人に与える影響については、ほとんど評価されていない。

 このようなものを欲しがるのは病人の「気まぐれ」だと普通は言われてしまう。確かに、病人は「気まぐれ」を起こすことがしばしばある。例えば、2つの相反するものを欲しがったりする。しかし、いわゆる「気まぐれ」が回復のために必要とするものを示す貴重なヒントとなることの方がはるかに多い。看護師がこれらのいわゆる「気まぐれ」によく注意を払ってくれたらすばらしいだろう。

熱病の時に、患者は窓の外を見られず建材の節目しか見られないのを、最も痛切に苦痛と感じているのを見てきた。熱病患者が、鮮やかな色の花束に歓喜したことを忘れられない。

私の場合を思い出せば、野生の香り高い花束を送られて、その瞬間からめざましく回復した。
(2023年9月13日配信)

フローレス・ナイチンゲール(Florence Nightingale):1820年-1910年:近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。

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