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ナイチンゲール『看護覚え書き』を聴く#067

フローレンス・ナイチンゲールが著した『看護覚え書き』のオーディオ・ブックを配信します。HNS(=防府看護専門学校)の学生・生徒だけなく、卒業生や看護師を志す、すべての人に向けた配信です。ご自由にお聴きください。

#067 :患者を寝入りばなに起こさない

故意であれ、偶然であれ、患者の目を覚まさせないことが、良い看護の必須条件である。寝入りばなに起こされると、眠れなくなるのはほとんど確実である。

奇妙に思われるが、道理にかなった事実として、患者は入眠後、数分後に起こされた時よりも、数時間後に起こされたときの方が、はるかに再び眠りに入りやすいのである。

寝入りばなに起こされた患者は、眠れないだけではなく、眠る力もなくなる。健康な人は、日中に眠ると夜に眠れなくなる。しかし病人の場合は全く反対である。病人は寝れば寝るほど、よく眠れるようになる。

良い看護師は患者の邪魔にならないように、むしろ寛(くつろ)がせるようにして、1時間ごとでも足元に湯たんぽを入れたり、指示された時に滋養食を食べさせたりすることができる。

私は気の利く看護師の1人が、患者を起こしたくなかったという理由で、早朝は患者の足が必ず冷えるのに、足を温めないようにしていたのを見たことがある。

このような言い訳をすると、信頼できない人間と言う烙印を自分に押すことになる。
(2023年7月24日配信)

フローレス・ナイチンゲール(Florence Nightingale):1820年-1910年:近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。

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