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ナイチンゲール『看護覚え書き』を聴く#101

フローレンス・ナイチンゲールが著した『看護覚え書き』のオーディオ・ブックを配信します。HNS(=防府看護専門学校)の学生・生徒だけなく、卒業生や看護師を志す、すべての人に向けた配信です。ご自由にお聴きください。

#101 想像などではないこと

 そんな効果は精神的なものに過ぎないと人は言う。しかしそんなものではない。効果は体にも及ぶのだ。形や色や光が私たちにどのような影響与えるかはほとんどわかっていないが、実際に体に影響与えることだけはわかっている。患者に送られる物の様々な形、鮮やかな色彩は回復を促す実際的な手段である。

 しかし変化はゆっくりとしたものでなければならない。例えば患者に1ダースほどの版画を続けざまに見せると、10人中9人は体が冷たくなって気を失うか、熱が出たり気分を悪くする。

 しかし、その中の1枚を患者の正面にかけておき、毎日1枚ずつ1週間、1ヵ月と取り替え続けると、患者は日替わりの版画をとても楽しみにする。
(2023年9月14日配信)

フローレス・ナイチンゲール(Florence Nightingale):1820年-1910年:近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。

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