ナイチンゲール『看護覚え書き』を聴く#072
フローレンス・ナイチンゲールが著した『看護覚え書き』のオーディオ・ブックを配信します。HNS（＝防府看護専門学校）の学生・生徒だけなく、卒業生や看護師を志す、すべての人に向けた配信です。ご自由にお聴きください。
#072 ：女性の衣服が擦れる音
今日、「女性作家」が、女性特有の「特別の価値及び一般的な使命」について、私たちに常々感銘を与えている。この時代、女性のドレスがいかなる使命や役にも立っていないのを見るのは驚くべきことだ。また私的な用途にも家事をするにも、全くふさわしくない。
現在の病室においては女性より男性の方が身軽ではるかに問題が少ない。女性は皆、ドレスで締め付けられ、足を引きずるか、ヨタヨタ歩いている。病室の床を揺らさずに歩く事は男性しかできないのだ。女性の軽やかな足取りはどうしたのだろう。
ある人は、こんなことを言っている。「病気の時はむしろ男性にそばにいてもらいたい」と。不要な音を立てるのは、結果的に最も残酷な不注意であり、健康な人も病人も蝕む。不要な音は、それよりずっと大きな必要な音より、病人にはるかに大きな害を及ぼす。
（2023年7月31日配信）
フローレス・ナイチンゲール（Florence Nightingale）。1820年-1910年：近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。
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