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ナイチンゲール『看護覚え書き』を聴く#104

フローレンス・ナイチンゲールが著した『看護覚え書き』のオーディオ・ブックを配信します。HNS(=防府看護専門学校)の学生・生徒だけなく、卒業生や看護師を志す、すべての人に向けた配信です。ご自由にお聴きください。

#104 :病人は体の痛みと同じように、心の痛みによってひどく苦しむ

病人の印象は、苦しい思いで楽しい思いが台無しになってしまうことに、本人自身が痛ましい驚きを覚える。

そして、自分で理由付けをし、自分を感謝の念のない人間だと思う。これは全て無駄なことだ。実際は、あれこれと直接的に理由をつけるよりも、本や会話で笑いを誘うことができたら、心から笑うことで痛ましい印象をもっとうまく拭いされるのだ。弱って笑えない患者でも、自然が与えてくれる感動を求めている。

無味乾燥な壁を患者に眺めさせるのが残酷な事は、すでに述べた通りである。多くの病気、特に熱病の回復期にあるときは、壁が患者に向かって、あらゆる限りの渋い顔してるように見える。花ならば、決してそのような事は無い。議論よりも形や色のほうが、はるかに効果的に患者を苦痛な思いから救ってくれる。
(2023年9月13日配信)

フローレス・ナイチンゲール(Florence Nightingale):1820年-1910年:近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。

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