知的複眼思考法

自分の頭で考える方法として、知的複眼思考法を解説した本
一貫して何事も得た情報を鵜呑みして単眼的に捉えるのではなく、どの視点で、どういう言葉の定義で、なぜその主張をするのか、自分自身に問いを立て、複眼的に捉えることで1つの本や記事から、いくつもの洞察をして知識を得ることができることを主張している

例えば、幼稚園児の補助教育を受けている比率が4割を超えるという新聞記事があったときに、

その記事は誰が書いているのか?もしかしたら、塾業界と繋がりがある記者で、日本人の同調意識をてこに、幼稚園児の補助教育の推進を狙っているかもしれない。

中高生など、他の区分の比率と比較してどうか?この4割という数字自体が高いかは他の区分と比較しないとわからない。仮に高かったとして、補助教育の定義は他の区分と一緒なのか?幼稚園児でベネッセなどの本を購入することも定義に含むのであれば、中高生と一緒の定義では無いかもしれない。

調査のn値や、対象者は偏ってないか?例えば、文教地区での調査だとすると、教育熱心な親の影響が著しく出ているため、上振れだ結果になっているかもしれない。

このように、全てを鵜呑みにするのではなく、まずは批判的に記事を見ることで、精査することが必要だ

また、精査が終わった後は、自ら問いを立てて、考えを深めていくべきだ
例えば、上記の例であればなぜ幼稚園児の補助教育が増えているのか?と問いを立て、仮説をもとに検証していく
もしかしたら、少子化の影響で1人あたりにかけられる費用が上がっているかもしれないという仮説を立てたとすれば、実際の数値を調べて検証してみる
はたまた、需要側の変化ではなく、供給側の変化で、主である学校教育の質が下がってしまっていることも考えうる。この場合、質をどう定義するかが重要だが、仮に先生の量と質に分けてみて、量→先生あたりの生徒数を見てみる、質→先生の経歴(大卒、高卒等)を見てみる、といったアプローチで検証できる

この一連の流れを通じて、世の中にある出来事や情報から導出される洞察力を高める方法がこの本を読むことで理解できる

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