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『2周目だから好きな事を好きなだけ。陸話』

〇:……そろそろソワレ始まる時間かな…

病院から帰り翌日。

本当は皆を見に行く予定だったのだが…

マネージャーさんに今日は家でゆっくりしてなと言われたのでゆっくりしていた。

振り返ってみれば加入からここまでしっかりとした休みなく来ていた。

それももしかしたら怪我の原因かもしれないが…

〇:みんな……今日も頑張ってるのになぁ…

仕方がない事とは頭ではわかっていた。

だが、それでもやはり後ろめたさのような

上手く言語化できない感情が蠢いている。

ピンポーン。

〇:え?こんな時間に…誰だろ。

突然家のインターホンが鳴った。

私は中学生ではあるものの一応一人暮らしをしている。

母が料理をしに来てくれたりしたりはするものの。

ある程度のことは自分でしなさいと言うことで

実家のほんとすぐそばで一人暮らしを始めた。

〇:お母さんが来る時間じゃないし…

そう思いながらもインターホンを覗くと…

そこには橋本奈々未さんが立っていた。

〇:ふぇ?!

 :奈々未さん?!どうしたんですか???

橋:今野さんに言われてさ。

 :入っていい?

〇:は、はい!今開けます!

大急ぎで私はオートロックを解除し玄関の鍵を開けた

橋:結構事務所から遠いとこ住んでるんだね。

〇:す、すいません…

 :一人暮らしだけど…実家がほんとすぐそこで…

橋:まぁまだ中学1年生だもんね。

 :1人で住んでる方が驚きだよ普通なら。

〇:あ、お茶出します。

橋:ありがと。

急いでお茶を用意し奈々未さんにお出しした。

〇:ど、どうぞ。粗茶ですが……

橋:どこでそんな言葉覚えたの(笑)

〇:と、ところで急にどうされたんですか…?

橋:今野さんに言われてね。

 :膝はやっぱり痛い?

〇:……痛くないです。もう大丈夫です。

橋:痛いんでしょ。無理しなくていいの。

 :〇〇、まだまだ先長いんだよ。

 :そんなに焦らなくていい。

〇:でも、今休むわけには行かないんです。

 :皆で一丸になってやってるのに…

 :私だけ足並み揃えずガタガタになるなんて…

橋:勿論、私がやらなきゃって気持ちは大切。

 :だけど、〇〇は最年少なんだし。

 :もっとみんなに甘えてもいい。

 :〇〇の気持ちもわかるけどね。

〇:ファンの方の期待にも応えないと…

橋:不思議だよね。

〇:は、はい…?

橋:〇〇は何だか中学生に見えない。

 :私と同い年くらいに感じる時がたまにある。

〇:(そりゃ…1周目は貴女とタメだったからな…)

 :そ、そうですか…?

橋:凄く不思議な感覚。

 :まぁでも、言いたいことはさっきも言ったけど。

 :もっと周りを頼りな。

 :先輩も同期も皆で乃木坂なんだよ。

 :皆で肩寄せて支えあって。それが乃木坂46なの。

〇:わかりました。

橋:期別曲のMVどうしてもでたいの?

〇:はい……出たいです。

橋:そっか。わかった。

 :私からもお願いしてみるよ。

 :ダンスとかは無理でも何処かで。

〇:そ、そんな。奈々未さんの時間を取るわけには…

橋:さっきも言ったでしょ。

 :もっと先輩に甘えなさい。

〇:わ、わかりました…

橋:私はもうすぐ卒業しちゃうけどさ

 :これからも貴女達の事はずっと見てる。

〇:ありがとうございます。

 :じゃあ…あの…奈々未さん…早速一つ…

橋:言ってみな?

〇:実は………………

私はとある相談事を奈々未さんにした。

橋:ふーん。いいんじゃない?

 :ファンの人も喜ぶと思うよ。

〇:わかりました!

 :そう言ってもらえると…自信が湧いてきます!

橋:よかった。今日初めて笑った。

〇:えっ?

橋:じゃあまた今度現場でね。

〇:はい!

 :奈々未さん。ありがとうございました。

橋:じゃあね。

奈々未さんの後ろ姿は凄く凛々しかった。

卒コンのあの姿と重なった。

〇:やっぱ…すごい人だなぁ…

 :いつか私もあんな風になりたいなぁ……

📱橋:とりあえず話してきました。

📱今:橋本、すまんな。ありがとう。

📱橋:責任感の強い子ですねやっぱり。

📱今:頼りになる子には違いないんだがな……

📱橋:大丈夫。あの子はもっと大きくなります。

📱今:今日は本当ありがとう。気をつけて帰ってくれ。

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