見出し画像

『2周目だから好きな事を好きなだけ。弐拾壱話』

〇:うーん…困った…何買おう…

2018年一月末某日。

私は珍しく渋谷に1人で買い物に来ていた。

普段買い物は蓮加に連れ出された時しか行かない私。

そんな私が重い腰を上げ

こんな所で何をしているのかと言うと…

先輩へのプレゼントを買いに来ているのだ。

誕生日とかそう言ったことではなく

乃木ヲタなら知らない人はいない恒例企画。

乃木坂工事中、バレンタイン企画のためである。

3期生がお世話になっている先輩に何か渡す企画なのだが…私にとっては中々難しい企画なのである…

理由は主に二つ。

一つはセンスが無さすぎると言うこと。

こう見えても前世はゴリゴリ体育会系縦社会で、恋愛なんていつするの状態だったので女心なんてわかりえないものである。

二つめの理由は…

正直な話、今在籍されている先輩でプレゼントを渡せるほど親しい仲の人がいないと言うことだ。

この世界のファンの方やメンバーも周知なことで

私は橋本奈々未さんの大ファンである。

そして今一番連絡をとらせていただいている先輩は

つい先月、卒業なされた伊藤万理華さんなのである。

この企画、大抵はファン時代の推しメンに渡すのが通例というか一つの流れである。

例えば、葉月。

葉月はみなみさん一筋ヲタクなのでみなみさん一択。

梅はもちろん、神聖な憧れの白石さん。

蓮加も勿論、大好きな大好きな飛鳥さんに渡す。

後は珠美みたいに若月さん(軍団長)に渡す事もある。

そこで、困るのが私である。

前世から単推しを貫いたせいで推しが居ない。
よく連絡してくださるのは卒業した先輩。
軍団にも特には参加していない。

どれにも当てはまらないのが私なのである。

〇:まずいよ…ほんとどーしようかなぁ…

 :葉月は帽子だったよな…

 :でも、食べ物の人もいたよな…

 :そうだ。美月がウニ買ってたな確か。

 :あとは…珠美が手書きの絵…

 :てか…絵…?雲丹…?癖強くない…??

 :綾は…パジャマだっけ…

 :考えれば考えるほどわかんなくなってきた…

なんて悩みながらジュースを飲んでいると

?:あれ?〇〇やん。なにしてるん?

〇:ふぇ…?

 :西野さん!お疲れ様です!

西:おつかれ〜。〇〇も買い物?

〇:あ、はい。バレンタイン企画の買い物に…

西:あー。あるって言ってたな。

〇:西野さんは…

西:ななは別の仕事があるから行けへんねん。

〇:あ、そうなんですね。

西:ところで、誰に渡すか決めてんの?

〇:それが迷ってて…

西:〇〇の推しメンは…そうや。ななみんやったな。

〇:そうなんです…あ、でも今だいぶ絞れてて。

西:そうなん、誰なん?

〇:えーっと、優里さんか若月さんか玲香さんか

 :それか井上さんにしようかなって。

西:あ、そういえば〇〇ってアレ行ったんやな。

〇:犬メン会ですか?

西:そうそう。優里がこないだ言ってたわ。

〇:え!そうなんですか。

西:ん?待ってな。もっかい名前挙げて?

〇:ん?えーっと。

 :若月さん優里さん玲香さん井上さんです。

西:松は入ってないんやな候補に…(笑)

〇:あっ。あ、いやコレは違くてですね!

西:大丈夫大丈夫。松にしか言わへんから。

〇:あぁぁぁぁ違うんですってぇぇぇ!!

西:あはは。〇〇は面白いなぁ。

 :じゃあちょっと待ってな。

📱ピロリン。

〇:ん??

西:今、言ってたメンバーの好きなもんリスト。

 :ちゃんと松も入ってるで。(笑)

〇:もー!弄らないでください!!

 :でも、ありがとうございます。

 :ありがたく使わせていただきます!

西:はーい。ほな、なな仕事やし行くな。また今度。

〇:はい!お疲れ様です!

と言うことで、非常に便利なリストを手に入れた私。

私はとあるものを買いにお店へ向かい。

翌日の収録へ向かった。

今回のバレンタイン企画は3週分。

みんなそれぞれが先輩にプレゼントを渡していく。

そして乃木ヲタには懐かしのあの制度。

罰ポイントが今回から始まる。

〇:(この制度、気がついたら無くなったなぁ…)

設:〇〇、どこ見てんの?

日:〇〇、抜かれてるよ〜。

〇:え?あ、わっ。

設:えーっと、〇〇罰ポイントね。

〇:しまった……

設:3期生にも罰ポイントは付けていきますから。

秋:厳しい〜。

設:厳しくないです。芸能界ですから。

日:そうだよ、仕事中なんだから。

思わぬ罰ポイントを貰ってしまった私…

それ以降は普通に収録が進んで行き

遂に私の番になった。

ナ:続いてプレゼントを渡すのは〇〇。

設:さぁ、次は〇〇。

 :我こそは〇〇に貰えるぞって先輩…どうぞ。

日:お、お?1,2,3,4,5,6人!

設:多いなぁ(笑)

〇:(えぇぇぇぇぇぇ。)

私からプレゼントがもらえると
立候補してくださった先輩は合計で6人。

松村さん、井上さん、優里さん、若月さん、桜井さん

そして、飛鳥さん。

松村さん達は何となく予想がついていたが

飛鳥さんが立候補するとは意外だった。

日:設楽さん見てくださいよ。

 :〇〇すごい目になってますよ。

設:思ったより多かったか?

〇:はい…てっきり2,3人かなって…

設:てことはこの中の3人は眼中になかったんだ。

〇:あ、いや。そう言うことじゃなくて…アワアワ

日:なんでそんなイケズなこと言うの!

 :そんなことないね?〇〇。

〇:はい!もちろんです!

設:ではでは先輩に話を聞きましょうか。

 :じゃあまず、松村。

松:はい!これは私確実なのがあります!

 :私たち犬メンってのあるじゃないですか?

設:あーあったね。アレね。

松:あの犬会に〇〇ちゃんきてるんです。

日:あら、そうなの?

設:あれ?でも…

 :このメンバー(松村、井上、斎藤優里、若月、桜井)

 :ほとんどその会にいるメンバーじゃない?

松:そうなんですけど!違うんです。

 :私、〇〇ちゃんと2人で買い出し行きました!

設:ちょっとそれ…弱くない?

日:確かに、ちょっと弱いね。

設:お、日村さん見てください。きてますよ今回も。

日:あら、またのご来店ありがとうございます。

飛:今回はもう一つ貰ってますから。

設:心の余裕がある?

飛:そうですね(笑)

日:あんな泣いてた子とは思えませんね。

バレンタイン企画といえば…

2期生さんが1期生さんにあげるバージョンの時

飛鳥さんは振られに振られ最終的に泣いてしまったのである。

飛:いいんです。〇〇は絶対私ですから。

設:すごい自信じゃん。

飛:いっつも私の隣にくるんです。リハの休憩とか

設:お、それはちょっと深いかもね。

日:そうですか?ちょっと弱くない??

飛:あ、あと〇〇には服あげました。

そう。私は飛鳥さんからレッスン着をいただいた。

日頃、暇さえあればコソ練をする私は

ズボンの劣化がまぁ早いこと早いこと。

それでふと楽屋で通販サイトを見ていた時

------------------------------

飛:〇〇。

〇:飛鳥さん、どうしましたか?

飛:これ履いてみて。裾ずったりしない?

私は、突然渡されたパンツを履いてみる。

〇:え、あー。はい、全然大丈夫です!

飛:ん、じゃあそれあげる。

〇:え?いいんですか?

飛:普段から頑張ってるし、お下がりでよければ。

〇:ありがとうございます!ありがたく頂戴します!

------------------------------

なんてことがあり…

〇:あ、はい。頂きました。

 :レッスン用の服なんですけど、結構着てます。

白:あーアレか。

設:メンバーが言ってるって事は本当なんだ。

白:ほんと最近よく着てますよ〇〇。

日:おぉ、これは大本命なんじゃないですかぁ?

こんな感じで各メンバーさんとの思い出を話し

遂に渡す時が来てしまった。

設:では〇〇、プレゼントを渡したい先輩は…

 :誰ですか!

手を伸ばしてくださっている先輩がたに近づいて…

〇:はい!

?:え?ほんと!嬉しい!!!

日:ええぇ!意外!

設:おーっと、選ばれたのは斉藤優里〜。

優:ほんとに!わ〜嬉しい!

 :ありがとう〇〇♡♡♡

優里さんからの強めの抱擁を受け止める私。

凄くいい匂いがした。

〇(あとで香水聞こう…)

設:〇〇、どうして斉藤優里なの?

〇:私、服のセンスが正直あまりなくて…

 (前世、男だったもんで…)

 :それで握手会用の服迷ってる時に

 :優里さんが服選んでくださったり

 :服を頂いた事もあったのでそのお礼をしたくて

優:嬉しい!覚えてくれてたんだ〜。ナデナデ

日:それ中身はなんなの?

〇:マグカップとココアの粉です!

優:嬉しい!私ココア好きなんですー!

設:これも嬉しいだろうけど。

 :〇〇、斉藤優里に1番のプレゼントはな。

 :歌教えてあげる事だぞ。(笑)

優:なんでそーゆーこと言うんですか!!!

頂いたリストのおかげで無事に
プレゼントを渡すことができた私。

収録が終わってみると

3期生はやっぱり乃木坂が
大好きな子が多いんだなだと思った1日だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?