『櫻の蕾が花開くまで。零』
私は〇〇〇〇。
2022年7月2日。
遂に決心が付いたのでとある場所へ履歴書を出す。
その為の写真を友人AとBに相談しながら撮っている。
A:〇〇、これでいいの?
〇:えーっと…バストアップはアレでいいでしょ?
B:あと、全身とアピール写真って書いてあるよ。
〇:全身はさっきので大丈夫かな?
B:問題なし!いいと思う!
A:あとはじゃあ特技の写真やね。
〇:私の特技か…
A:いや絶対身体能力の高さでしょ。
B:ほぼ猿じゃん。
〇:え?めちゃくちゃ馬鹿にされてない?
:木の上吊るすよ?
B:怖すぎるし
:アンタなら本当に出来そうで笑えないよ。
A:バク宙やら前宙やら出来るJK早々居ないからね。
〇:まぁ…そっか。じゃあ特技はそれ書いて…
:あとは生年月日と…
B:〇〇って何月生まれだっけ?
〇:七夕の日だよ。
A:え、もう直ぐじゃん。
B:〇〇は絶対受かるからさ。
:今年が最後じゃん。祝えるの。
〇:そうとも限んないでしょ!
A:いいや、受かるね。私の勘がそう言ってる。
B:大丈夫。アンタなら間違い無いよ。
〇:そうかなぁ…(笑)
2006年7月7日生まれ。出身地:京都府。
〇:コレでよし。
A:〇〇、頑張ってね。
B:ウチら応援してるから。
〇:ありがと2人とも♪
:スタバでも奢るよ。行こ行こ!
この日、私は櫻坂3期生オーディションに応募した。
同年、7月24日。
〇:まじで一次審査通ったよ…
:オンライン面接か…何話そう……
ここらで少し…私について…
私、〇〇〇〇には前世の記憶がある。
前世はしがないダンスが好きな男子大学生。
特にアイドルが好きだとかは無かったが。
ステージに立つアーティストへの憧れはあった。
とある冬の日、大きな事故に遭い命を落とした。
最後に雪の冬空を見上げ
次に目が覚めると多くの人が喜んでいた。
今世も兎に角ダンスに明け暮れた。
前世と同じく専門はHip Hop
一応、専門外のRockやPopも出来ないわけでは無い。
小さな頃から音に乗るのが大好きな子で
音楽を流せば泣き止むような子だったらしい。
後は、そこそこ身体能力が高めである。
顔はまぁ…自分で言うとアレだが…可愛い部類だろう。
身長は155cm。
前世は174cmだったのでダンスに中々迫力が出ないのが悩みだったが…前世より格段に品やかに動けるようになったことに気が付いてからはそこまで苦では無い。
オーディションはそれからも順当に進み。
ひとまず無事に研修生になることができた。
9月から様々な研修があり。
みんなに挨拶もままならないまま上京する事に。
多分3期生の中でも1番早くに上京したと思う…
11月9日。
私達は東京ドームで先輩方のライブを拝見した。
ダンスのレベルの高さ、ステージの迫力
そしてファンの方の熱気。全てに圧倒された。
〇:凄い…でも、私ならやれる。
不安な自分を奮い立たせる為なのか
ふと気が付けばそう呟いている私がいた。
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