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『2週目だから好きな事を好きなだけ。拾漆話』

2018年。

年が明けすぐに私たちはいつもの部屋に居た。

乃木坂46 20thシングル選抜発表。

乃木坂の記念すべき20枚目のシングル。

そして生駒里奈さんの卒業シングルである。

生駒さんは乃木坂の卑弥呼様ようなもので

乃木坂46という歴史の教科書があるなら

間違いなく、1ページ目に出てくる人だ。

まぁ普通なら生駒さんが卒業センターだけど

恐らくこの世界でもそれは起こらない。

そして美月と史緒里が初選抜。

後の乃木坂2TOPが選抜に初めて選ばれ

乃木坂が新たな時代に突入した事を予見させる。

当時は卒業する生駒さんと親交のあったであろう1,2期生が選ばれず批判的なコメントも少なくはなかったが。

確実にこのシングル以降の乃木坂には新しい息吹が吹いている。

今回の選抜は恐らく私は入らないと思う。

と言うか…仮に入って活動できるかどうか…

10月15日に見殺し姫の千秋楽を終え

11月7日8日で行われた東京ドームライブ

その8日のステージでとある事が起こったのだ…

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〇:痛っっ………

桃:〇〇ちゃん大丈夫…??

8,9曲目の三期生曲ゾーン。

三風からの思い出ファースト。

思い出ファーストの1サビ終わりのターンの時

嫌な感触があり、嫌な予感がした。

センターステージの段差を登る時も
うまく力が伝わっていない感覚があった。

暗転しメインステージに皆さんの視線が行ったので

恐らくバレてないだろうが、ステージが下がる時にはもう立つことすら厳しいほどの痛みに襲われていた。

なぜ、こーゆー時の嫌な予感は当たるのか…

マ:〇〇大丈夫?

〇:大丈夫です……

ト:うーん…次13曲目だよね。

〇:はい。

〇(大丈夫…葉月が一番目立つから…バレない笑)

なんて事思っていたが膝はそんな余裕は一切ない。

マ:その後、MCもあるし立ちっぱになるから…

〇:大丈夫です。そんなに激しい踊ないし…

 :逃げ水もあるのに…出ないわけには……

ト:わかった。じゃあ逃げ水は出てもいい。

 :その代わり10-21は諦めてもらうからね。

〇:わかりました……

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こうしてライブ中急に10曲近く私は出てなかった。

元々10曲のうち3,4曲だけだったが

三期生とからあげ姉妹のMCにすら
出てなかったのが決め手になったのか

ネット上では騒然としたようだった。

そして今なお膝の痛みや違和感が抜けきっていない。

マ:〇〇ちょっと来て。

〇:はーい。

マ:膝どう?もう大丈夫そう?

〇(ここは正直に言おう。隠しても仕方ない。)

〇:痛みは完全になくなりました。

 :でもまだ少し違和感が残ってて…

 :またカクッてなるんじゃないかって不安で…

マ:膝だしなぁ…日常的にも使わない日はないからね

 :うーん…まぁわかった。先生の言う事聞いて

 :とりあえずはあんまり無理しないようにしよう

〇:わかりました。すみません、ご迷惑かけて…

マ:大丈夫大丈夫。まだまだ若いんだから!

それから私が部屋に戻ると。

与:ばあっ!

〇:わぁ!びっくりした…(笑)

与:あけおめ〇〇。

〇:あけましておめでとう(笑)

 :変わった新年の挨拶だね(笑)

与:膝まだ痛いの??

〇:いや、痛みはないよ〜。

 :ただ、やっぱり場所が場所だから怖いんだよね

与:そっか。怪我するとそこ庇うって言うしね。

〇:与田は怪我とかしなさそう(笑)

与:怪我は唾つけておけば治るっ!

〇:あはは。与田はそうかもしれないけど

 :私は残念ながら治らないんでーす。(笑)

梅:あ、居た居た。

 :ほら、2人とも選抜発表始まるよ。

〇:与田!急がなきゃ!

与:先輩達待たせたら大事だぁ〜。

梅に呼ばれて急いで部屋へ2人で戻った。

西:祐希ギリギリやんか。何してたん?

与:お手洗いの帰りに〇〇見つけて少しお喋りを…

西:そっかそっか。

飛:〇〇、あんた膝はもう大丈夫なの?

〇:あ、はい。痛みはもうないです。

飛:まだ違和感残ってたりすんの?

〇:そうですね…違和感はまだ少し…

飛:そっか。ならまぁ無理はしないようにね。

〇:はい、ありがとうございます飛鳥さん。

東京ドームライブが終わったくらいから

飛鳥さんが話しかけてくださる事が増えた気がする。

中々話す機会がなかったので実はかなり嬉しい。

なんて思っていると今野さんが部屋にやってきた。

今:みんな集まってくれてありがとう。

 :聞いてると思うけど、今から

 :20thシングルの選抜発表を行います。

 :ではまず三発目21番から。

井上小百合

寺田蘭世

新内眞衣

樋口日奈

高山一実

若月佑美

星野みなみ

 :そして三列目最後。

〇〇〇〇

〇:はいっ!

 (えっ…私??)

驚く私を尻目に選抜発表は続いていき

今:では続いて二列目……

久保史緒里!

久:はい。

今:では最後に一列目、フロントメンバーは

山下美月

山:はい。

今:そして、センターは白石麻衣。

白:はい。

今:久保と山下は初選抜だけど先輩に頼って

 :〇〇や大園、与田とも協力して頑張って。

 :あと中田と川後。

中,川:はい?

今:2人は〇〇のパートの振り入れをやっておいて。

 :〇〇が膝の調子が悪い日は2人に代打を頼む。

中,川:わかりました。

今:アンダーのフォーメーションはまた後ほど。

 :今回から3期が全体に入ってくるから

 :先輩はしっかり見てやってくれ。

 :では今日は解散。お疲れ様。

全:お疲れ様でした。

私はすぐ中田さんと川後さんの所へ向かった。

〇:中田さん川後さん、すみません。

中:ううん。気にしなくて大丈夫だよ。

 :ね、陽菜。

川:うんうん。それよりも膝、まだ痛むの?

〇:あっ…いや痛みはないんですけど…

中:まあ膝だもんね。怖さは中々抜けないよね。

〇:はい…日常生活もたまにビクビクしちゃって…

川:あちゃーそりゃ大変だ。

 :まぁ私たちに任せときな。

中:そうそう。〇〇ちゃんはしっかり焦らず

 :振り入れも膝の治療もね。

〇:ありがとうございます。

乃木坂というグループの温かさを感じた。

このグループが長く愛された理由がわかる。

この日はこれで解散。
そして私は足早にとある場所へ向かった。

とある先輩とご飯に行く約束をしているのだ。

〇:すみません。お待たせしちゃって…

万:ううん。私も今来たとこ。

 :あ、忘れる前にコレ。

〇:???

 :なんですか?コレ。

万:香港行ったからさ、お土産。

〇:あ!ありがとうございます!

 :と、いうかなぜ香港に???

(まぁ…知ってるけど。言うわけにはいかないしね。)

万:そっか。あのね、私写真集出すんだ。

〇:え!そうなんですか!

万:そうそう、それで香港に行ったの。

〇:写真集かぁ〜。私も出してみたいなぁ〜♪

万:〇〇ちゃんにはまだ早いね(笑)

〇:ぐぬぬ…やっぱりそうですよね…

万理華さんとは卒業後初めて一緒にご飯を食べに行く。

まだ卒業されて日は経って居ないが
普段から結構色々連絡は取らせて頂いている。

怪我の事も万理華さんは全て事細かに知っている。

奈々未さんとも偶に連絡は取っているが

先輩で一番連絡を取っているのは恐らく万理華さんだ

私たちは2人でご飯を食べ色々なお話をした。

〇:やっぱり膝が…

万:焦っちゃダメだよ。

 :まだまだこれから乃木坂人生があるんだから

〇:わかってはいるんですけど……

 :1人だけ休むってすごく不安で…

万:まぁわかるけどね。

いつもこんな感じで
何かある度にお話を聞いてもらっている。

乃木坂と言うグループの良さはこういう所なんだろう

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