閏月事件設定資料集:第0章【導入】
こんにちは。
当記事は『閏月事件』の設定資料集の導入です。
導入と言っても、今回の設定資料集の全体構成と、ネタバレにならない程度に作者が『閏月事件』について語るだけの記事になっております。
裏話を読むのが好きな人向けなので、当記事の後半はお時間のある時に、興味があれば読んでいただけたら嬉しいです。
設定資料集の全体構成
今回の設定資料集は有料マガジンでの販売となっています。
記事は章ごとに分かれており、価格は単体記事¥200、有料マガジンとしてまとめて購入すると¥500です。
知りたい情報だけつまみ食いするもよし、まとめて買うもよしです。
と言ってもまとめ買いの方が圧倒的にお得なので、複数気になる記事があるのであれば有料マガジンの購入をおすすめします。
なお、有料記事の第1章~第4章は『閏月事件』の重要なネタバレが含まれています。
設定資料集の第1章~第4章の無断転載、内容をSNSに投稿するといった行為は禁止とさせていただきますので、ご理解のほどよろしくお願いします。
※ネタバレ内容を伏せた感想、当記事(第0章)の内容であれば特に制限は設けておりません。
第0章:導入
この記事です。
『閏月事件』を作る上で考えていたことや反省点について書いています。
第1章:人物・団体について
当作品に出てきた人物と団体に関する資料です。
基本情報と制作当時のラフ画などを掲載しています。
第2章:シナリオ・時系列について
当作品の物語の核心に触れる内容になっています。
本編の過去を含め、時系列で「結局、何が起きていたのか」を解説します。
第3章:エラーについて
当作品に出てきたエラーの解説です。
ラフ画や没にしたエラーも掲載しています。
第4章:制作の裏側
当作品を制作するうえで影響を受けた作品や作業中に聞いていた音楽などを掲載しています。
以下、『閏月事件』に関する作者の裏話(ネタバレほぼなし)です。
『閏月事件』のテーマ
当作品の下敷きになっているテーマは「死と家族」です。
Error Code:013(以下EC013と表記)の全体テーマは「異常に抗う、生きづらさを抱えた人々」なので、それに『閏月事件』のテーマを重ねたというイメージです。
といっても今回はEC013のテーマと『閏月事件』のテーマは2:8ぐらいの比率になってます。結果的に。
「生きづらさ」と異常
『閏月事件』が全体的に乾いた雰囲気なのは、最も影響を受けた作品『SCP財団』に対して私が抱いている印象でもありました。
職員が駒のように扱われ、怪異は人の気持ちも知らずにただそこに居る。
そんな雰囲気が大好きです。
リスペクトするからにはその雰囲気もしっかり再現しようと思い、『閏月事件』は作られました。
しかし、ただ同じ内容をなぞるだけであれば、オリジナル作品として世に出す必要性はほとんどなくなってしまいます。
なので、SCP財団とは明確に違いを持たせた世界観にしようと考え、テーマに「生きづらさを抱えた人間」という要素を入れました。
EC013世界では、エラーという異常が発生する原因がうっすらと判明しています。
それが「この世の理に反する行い」です。
これに関しては過去の私がCi-enに投稿していたアイデアがまんまそれだったので引用します。
昔からおまじないや呪いに対して「なんで脈絡のない(ように思える)行動をすると不思議なことが起こるって言われとるんや……」という疑問があったため、じゃあそれを「エラー」にしようと考えました。
で、おまじないとか呪いって、何かしらの悩みを抱えていたり、問題を解決したいと考えている人にとってはわりと身近な存在なんじゃないかと思っています。
最近では「スピってる」とかいう言葉があったりしますが、なんか「そういうもの」に傾倒している人ってどことなく「価値観のずれ」を感じるから違和感を感じるんだと思います。
じゃあその違和感の正体が、「EC013」と名の付く共通の異常存在だとしたら?
秘密裏にその異常存在を信仰する団体があったとしたら?
生きづらさを抱え、悩みを解決したいと考えた人たちがその門戸を叩いたら?
彼らが生み出した異常現象を調査、制圧する機関があったら?
……EC013の世界で描こうとしている世界は、大体そんな感じです。
死と家族
処女作のくせにいきなり物騒な内容で来たやんけと思われるかもしれません。
死って不可逆かつ絶対(今のところ)なので、いろいろ考えますよね(漠然)。
死生観に関してはそれだけで1本記事が書ける程度には思う所があるので、今回は割愛します。
『閏月事件』では、裏でかなりの人間が犠牲になっています。
そしてそれには、とある家族が関係しています。
家族の形というのもいろいろあると思うんですが。
家族って、他人を縛ることができる唯一のキラーフレーズだと思うんですよね。
「家族だから」「家族なのに」「家族として」。
今作はそんな死の匂い漂う「家族」が行き着いた先を見届ける、そんなお話です。
余談
今回はEC013シリーズの第1作目ということで、まずは「こういうよくわからん存在がいる世界なんじゃよ」ということが伝わればいっか~という軽い気持ちで作り始めました。
ただ作っていると色々盛りたくなるのが人の心というもの。
設定を作りこんでいたらエラーの数が30体になっていました。
これを実装するにはとんでもない労力が必要になると制作中盤になってから察し(遅い)、慌てて軌道修正しました。
そのまま実装してたらプレイ時間も制作時間もとんでもないことになってたと思います。
シンプルなシステムを何時間もやり続けるというのはプレイヤーさんにとってもしんどいだろうと思うので、13体に絞ってよかったと今は思います。
今回やろうとしたこと
とにかく作品を「完成」させたかった
ゲーム制作、思った以上に難しかったです。
というか私がわざわざ難しいことをやろうとしたがる傾向があるので、自分で自分の首を絞めていた気がします。
でもそんな中『閏月事件』と言う作品を世に出すことができたというのは、私の中で大きな自信になっています。
今まで作品を未完でぶん投げることしかしていなかったので、完成まで持っていけたのは本当にでかい。
結果いろんな人にプレイしていただけて、めっちゃすごいし嬉しいと思いました(小並感)。本当にありがとうございます。
ストーリー性のあるシンプルなゲームが作りたかった
今回は完成が第一目標だったので、「とにかくシンプルに!」と唱えながら、シンプルなゲームをひたすら目指していました。
できることはクリックだけ。
でもなんか演出とギミックは凝りたい(?)。
ストーリーも自分の”””癖(ヘキ)”””を盛り盛りにして、とにかく誰かを”””癖(ヘキ)”””で殴りたい(???)。
結果見た目はシンプルだけどあんまりシンプルじゃないゲームになりました。
よく完成まで持ち込んだなと思います。本当に。
今回の反省
バグがとにかく多かった
リリース日を遅らせてでもデバッグをもっとやるべきだったなと反省しております。
ど素人からのスタートなのは分かりきっているので、スケジュールに余裕がない状態で締め切りを優先したが故の大量バグです。
今回リリース日が8月30日だったのは、ティラノフェスに参加したかったからなんですね。
最終日(31日)は作品がたくさん投稿されて審査に時間がかかると踏んで、前日にした形です。そんなに変わらなかったけどね!
ティラノフェス公式さんが「9月はブラッシュアップ期間!」とおっしゃっていたので、そういうもんか〜と思っていた所もあります。
ただ、1ヶ月経たないうちにトータル2000DL&1000プレイを超えたというのは……本当に……。
ありがたいと思うと同時に、もっと洗練させた状態で出すべきだったなという反省もあります。
シナリオ面での技術不足
やばかったですね。
やりたかったことをやろうとしたらプレイヤーを置いてけぼりにする大暴投。
当記事はネタバレなしで行きたいので内容は伏せますが、プレイしてくださった方にとっては「???」となったところもあったんじゃないでしょうか。
これに関してはもう、言い訳の余地なしです。
シンプルに私の技術不足です。
一つだけ言い訳を許してもらえるのであれば、『閏月事件』は人生で初めて一人で作ったゲームだということぐらいです。
ただ、初めての作品を作る上でやってはいけないことを色々やってるので、そりゃそうなるよねって感じでした。
複雑にしすぎ
関係者増やしすぎ
要素盛り込みすぎ
……これ以上考えるのはやめておきます。
反省は大事ですが必要以上に自分を責めたところでいいことないですからね。
私の中ではやりきれなかったことが多いと感じていますが、それでも「面白かった」と言ってくださる方がいるので、非常に救われています。
反省は次に活かし、再発を防ぐことが今の自分のやるべきことだと思っています。
ティラノフェスも10月から始まりますし、いろんな作品を見て勉強します。
おわりに
改めて振り返ると、すんごいグダグダですね。
今回人生で初めてゲームを作った感想は、「マジでよくこんなん完成させられたな……」以外浮かばないです。
経験値はしっかり貯まったと思うので、次の作品で活かせたらいいなと思っています。
他の方の作品を見ると初めての作品でもすんごいクオリティの高いものを作っていたりしてアアアァァァ~~~~~!!!とならずにはいられないのですが、人と比べてもしょうがないので、それはそれ、うちはうち、よそはよそ。
今後の作品をどんどんいい感じにしていきたいです。
『閏月事件』も、しばらくしてアップデートできそうなところがあれば手を入れていきたいですね。
そんな感じです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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