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カスタードふリン  

久しぶりの更新です。
よろしくお願いいたします。
言葉そのものの力を試したいのです。
そして、悲しいことこそ明るく書きたい。
だって、悲しいことがあった日の方が、空の明るさが身に染みるから。
そんな感じで書いています。

カスタードふリン
             橘しのぶ

ただいまぁ
扉をひらいたら扉があった
また扉をひらいたらまた扉があった
家は入れ子式らしい
人形サイズに脱皮したわたしが
リカちゃんハウスの扉をひらきつづける
薔薇色の額縁の中から
わたるくんがほほえみかける
おかえりなさぁい
電池切れ

きのうわたしはおとといをこぴーして
きょうにぺーすとした
きょうわたしはきのうをこぴーして
あしたにぺーすとします
あしたわたしはきょうをこぴーして
あさってにぺーすとするだろう

熱中症警戒アラート発令中

こぴぺこぴぺこぴぺぺぺぺぺぺぺぺ

唾棄された半濁音
昭和のふリンは玉子多めで
病みつきになる

たまのをよたえなばたえね *
おとといはきのうできのうはきょうで
きょうはあしたであしたはあさって
変わらないことこそ平安なのです
あなたには帰る家が在る

西瓜の種子を
ぺっと吐く

*玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ることの弱りもぞする
式子内親王・新古今集・恋一


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