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コロナ禍で血迷い、都心から田舎の山麓に移住。 一時的な社会離脱である「ミニリタイア」を…

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コロナ禍で血迷い、都心から田舎の山麓に移住。 一時的な社会離脱である「ミニリタイア」を謳歌中。

記事一覧

Steve Grossmanという最高のテナーマンがいた

 偉大なテナーサックス 奏者Steve Grossman(スティーブ・グロスマン)氏が8月13日に69歳で亡くなったそうだ。  米ラジオNPRの報道によれば、持病に起因する心停止だっ…

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3年前
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おデブ全盛期のマイク・スターンはチーズバーガーを23個注文する 読書感想「25人の偉大なジャズメンが語る名盤・名言・名演奏/…

 当時、体重が「軽く100キロは超えていた」というマイク・スターン。マイルスバンドのツアー中、サックスのビル・エバンスとホテルでどんちゃん騒ぎをし、ルームサービ…

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3年前
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巨匠ソニー・ロリンズの精神世界 読書感想「It’s All Good/Christine M.Theard」

 ジャズテナーサックス の巨匠、ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)。本書には、彼と電話友達である著者との会話内容が収められている。基本的には、女性医師である著者が…

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3年前
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旅の適齢期は26歳? 読書感想「旅する力/沢木耕太郎」

 「旅の適齢期」を論じる際に「26歳最強説」というのがあるらしい。その立役者が、26歳で旅に出て紀行文の名作「深夜特急」を上梓した沢木耕太郎。深夜特急の”制作秘…

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3年前
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読書感想「行かずに死ねるか!〜世界9万5000km自転車ひとり旅/石田ゆうすけ」

 旅行記のジャンルで必ず「おすすめ」にあがる一冊。  自転車で世界一周。とてもクレイジーな響きだ。著者は頭がぶっ飛んでいるか、余程、体力に自信がある人物なのかと…

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3年前
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Steve Grossmanという最高のテナーマンがいた

Steve Grossmanという最高のテナーマンがいた

 偉大なテナーサックス 奏者Steve Grossman(スティーブ・グロスマン)氏が8月13日に69歳で亡くなったそうだ。

 米ラジオNPRの報道によれば、持病に起因する心停止だったそうだ。

 私は彼の友人でも、彼を研究するプロミュージシャンや批評家でもない。が、彼の演奏を生で聴いて衝撃を受けたファンの一人として、彼について記しておきたいと思った。

 いくら高級なオーディオ機器を用意しても

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おデブ全盛期のマイク・スターンはチーズバーガーを23個注文する 読書感想「25人の偉大なジャズメンが語る名盤・名言・名演奏/神舘和典」

おデブ全盛期のマイク・スターンはチーズバーガーを23個注文する 読書感想「25人の偉大なジャズメンが語る名盤・名言・名演奏/神舘和典」

 当時、体重が「軽く100キロは超えていた」というマイク・スターン。マイルスバンドのツアー中、サックスのビル・エバンスとホテルでどんちゃん騒ぎをし、ルームサービスでチーズバーガーを23個注文する。マイルスは、マイク・スターンのふくよかさに敬意を表し、新曲の一つを「ファット・タイム」と命名。それにビル・エバンスは嫉妬する。

 本書には、こういった著名ジャズミュージシャンの面白エピソードが満載だ。2

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巨匠ソニー・ロリンズの精神世界 読書感想「It’s All Good/Christine M.Theard」

巨匠ソニー・ロリンズの精神世界 読書感想「It’s All Good/Christine M.Theard」

 ジャズテナーサックス の巨匠、ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)。本書には、彼と電話友達である著者との会話内容が収められている。基本的には、女性医師である著者がロリンズ氏に悩みを打ち明け、ロリンズ氏が助言をする流れだ。苦しみへの対処方法、楽器との向き合い方、宗教観など、ロリンズ氏の精神世界について知ることができる。

 日本語訳版が出版されていないので、英語の勉強がてら、オリジナル版

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旅の適齢期は26歳? 読書感想「旅する力/沢木耕太郎」

旅の適齢期は26歳? 読書感想「旅する力/沢木耕太郎」

 「旅の適齢期」を論じる際に「26歳最強説」というのがあるらしい。その立役者が、26歳で旅に出て紀行文の名作「深夜特急」を上梓した沢木耕太郎。深夜特急の”制作秘話”のような位置付けである本書「旅する力」でも、沢木氏自身が26歳最強説を支持している。

 同氏によれば、良い旅には「未経験という財産つきの若さ」が必要。一方、「未経験者が新たな経験をしてそれに感動することができるためには、ある程度の経験

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読書感想「行かずに死ねるか!〜世界9万5000km自転車ひとり旅/石田ゆうすけ」

読書感想「行かずに死ねるか!〜世界9万5000km自転車ひとり旅/石田ゆうすけ」

 旅行記のジャンルで必ず「おすすめ」にあがる一冊。

 自転車で世界一周。とてもクレイジーな響きだ。著者は頭がぶっ飛んでいるか、余程、体力に自信がある人物なのかと思いきや、そうではなかった。出発直前に持病のナッツクラッカー症候群が再発し、血尿が出る。道中で気管支炎やマラリアを患えば、当然、衰弱する。精神力の面でも、強盗に命を奪われかけたトラウマが頭にまとわりつく。自転車の真横を巨大トラックが通り過

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