日記みたいに書いたコント「レストラン」

今日は一人で初めてのレストランに行った。雰囲気もよく、料理もおいしくて、すごく嬉しかった。ただ一つ、ちょっとだけ不安なことがあった。僕は店員さんに声をかけた。僕が声をかけると、店員さんはすぐに来てくれた。僕は
「すいません。頼んだのがまだ来てないんですけど…」
と言った。店員さんは
「申し訳ありません、どちらの料理でしょうか?」
と聞いてきた。僕は
「あ、いえ。料理は全部来ました。ただその…シェフがまだ来てなくて」
と言った。
店員さんは、
「シェフ?」
と聞いてきた。僕は、
「はい。料理がすごく美味しかったので、是非シェフとお話したいと言ったんですけど、全然来なくて………あの……僕のシェフって、通ってますか?」
僕がそう聞くと、店員さんは
「少々お待ちください」
と言い、厨房へ確認しに行ってくれた。僕は、シェフ通ってるかなぁ、と思った。通ってたらいいなぁ、シェフ通ってなかったら嫌だなぁ、と思いながら待っていると、店員さんが戻ってきた。









通ってなかった。

僕のシェフは通ってなかった。

食後のデザートはきたけど、食後のシェフは通ってなかった。

僕が、シェフにも通ってないとかあるんだなぁ、とびっくりしていると、店員さんが
「まことに申し訳ありません」
と謝ってきた。頭を下げる店員さんは、すごく申し訳なさそうだった。僕は、店員さんだってわざと忘れた訳じゃないんだからと思い、
「いえ、全然大丈夫ですよ。じゃあ今から、もう一度シェフを頼み直す事はできますか?」
と聞いた。店員さんは
「はい、勿論可能でございます。本当に申し訳ありません」
と言った。
「いえいえ、大丈夫ですよ。じゃあすいません、もう一度シェフをお願いします」と、僕がシェフを頼み直すと、店員さんは
「はい喜んでぇ!!!!」
と、威勢よく厨房に入って行った。僕は、今はまだ申し訳なさそうにしてて欲しいなぁと思った。でも、シェフを頼み直せてよかったなぁと思った。

少しすると、
「お呼びでしょうか?お客様」
と、オールバックのダンディなおじさんが声をかけてきた。

ソムリエだった。
頼んでないソムリエが来た。
僕はソムリエのおじさんに、
「頼んでないです」
と言い、さっきの店員さんに声をかけた。
「すいません。頼んでないソムリエが来たんですけど」
「左様でございますか、申し訳ありません…」
「あの、シェフがいいんですけど。シェフと話したい口なんですけど。すぐ来ますか?」
「すいません、ただ今シェフの方が少しお時間頂いてまして…先ほどのソムリエならばすぐにご用意できるんですが」
僕は、ほんとはシェフと話したかったけど、でもこれ以上待つのもしんどいなぁと思い、
「じゃあソムリエでいいです」
と言った。店員さんは、
「喜んでぇ!!!!」
と言い、厨房の方へ向かって行った。僕は、喜んで欲しくないなぁと思った。
ワインも頼んでないしソムリエと何話せばいいんだよと思っていると、先ほどのオールバックソムリエのおじさんがやって来た。
「また会えましたね」
ダンディな感じで挨拶されたので、僕はとりあえず、ワインのことについて聞いてみた。
「えっと、やっぱあれなんですか?お肉料理とかお魚料理とかで、ワインも赤とか白とか変えるんですか?」
ソムリエのおじさんはきょとんとした。





野菜ソムリエだった。









ダンディな野菜ソムリエだった。







「私に野菜以外のことは聞かないでください」
と言われた。














僕は、
「わぁ。野菜ソムリエも、そんなにダンディな感じを出すんですね」
と言い、お店にえぐクレームをつけて店を出た。
でも料理はすごく美味しかったので、今度はちゃんとシェフとお話しできたらいいなぁと思い、家に帰った。



【元ネタ動画】


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