CDショップ閉店 顛末記 ~CD業界のたそがれ その9
*今回のおススメBGM: Shape Of My Heart / 木村晃子
スティングの有名な曲のカバーだけど、この木村晃子という人は謎めいている。 この人名義のアルバムは出てないようだし、動画を検索してもヒットしないし、Wikipediaのデータもないようだし。 何者?
唯一「Voyage」というコンピレーションCDで聴くしかないようだ。
そのミステリアスさと相まって、この暑い時季の体感温度が5℃くらい下がる「クール」さがたまらない。
今月末の閉店に向けて少しでも在庫を減らすべく処分セールに臨んでいるが、思うようにはいかない。
まぁ、予想されていたことでもあるが、これくらいの値引きじゃダメなんだな。
それでもおいしいところは確実に売れてなくなっていく。
山下達郎、井上陽水、小田和正あたりの定番ベスト盤は速攻で売れちゃったよ。
旬でいえば、藤井風やMrs. GREEN APPLEもぜんぶ売れてしまった。
もちろんもう補充仕入はしないので、CDショップとは思えないような歯抜けだらけの品揃えになってきた。
この期に及んでまだ品揃えが…なんて往生際が悪いな。 ワカってますよ。
今まで日々のルーティンだった新譜情報のチェックももう意味がないなんて、これってCD屋さんの仕事か?って思う毎日だ。
「終焉」ってこういうことなんだな。
閑話休題だけど、気付いたことがある。
私事だけど、現在の電車で片道約30分の通勤時間はナカナカに充実している。
行きは本を読み、帰りは音楽を聴く。
本は司馬遼太郎、浅田次郎、椎名誠等々とくにポリシーはない。
音楽はこの連載の冒頭におススメしているBGMのラインナップをご覧いただいても分かるように、何でもいける。
本道は洋楽ロック、ジャズだけど、シャンソン、ボサノバ、日本のポップス、演歌など何でもこいだ。
トルコ軍楽「ジェッディンデデン」なんてなんど聴いても、鳥肌がたつ。
近ごろはクラシックにも手を出し始めた。
ところが今の仕事を辞めたら、この貴重な通勤時間がなくなる。
不覚にもごく最近それに気が付いたのだ。
ひえ~っ、それは困るなぁ…
自宅では本読んだり、音楽聴いたりするという時間の使い方はしないからなぁ。
まえも書いた希望退職応募に手をあげて仕事を辞めたとき、割増退職金が出たのをいいことに約八ヶ月間何もしなかった。
いわゆるニートですな。
毎日が吟遊詩人だった。 そんなカッコよくないが…
せっかくだから海外旅行に行くとか、そば打ち道場に通うとか、スポーツジムの会員になって身体を鍛えてムキムキを目指すとか、そういう建設的で前向きなことでもすればよかったのに…
毎日夫婦そろってのんべんだらりと毎日をすごしていた。
そういうだらしない性格を内に秘めているので、今回もヤバいかもね。
ちなみに、今回は割増退職金なんて夢のハナシだ。 そんなものは、ない。
これ読んでる方、どなたかこんな私を雇ってくれませんか?
(まだまだつづくのです… その10へ)
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