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CDショップ閉店 顛末記 ~CD業界のたそがれ その4
*今回のおススメBGM:Michael Hedges/Aerial boundaries
ヒコーキに乗って梅雨空を突き抜け、成層圏に舞い上がる。 それが私が感じるこの曲のイメージだ。 静謐で透明でそれでいてスピード感に満ちている。 超絶のギターテクニックらしい。 私は弾かない(弾けない)ので、よくわからないけど。
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閉店の発表や、取引先との打ち合わせや、お客様へのていねいな案内はもちろん大事だけど、正直もっと大切なことがある。
キレイごとではない。 自分たちのことだ。
この店では私のほかに二人の女性スタッフが働いている。
13年生の私を筆頭に、10年生、7年生。
この店が閉店したあとの我々の処遇を会社にはちゃんと考えてもらわねばならない。
本意ではなく店を辞めることになるので、「会社都合」の退職にしてもらうこと。
それから有給休暇の完全消化。
そんなの改めて言うまでもなく今どきは当たり前だろと思われるかもしれないが、零細企業ではうやむやになることも多いので口頭にせよしっかり伝えておく必要がある。
私はここまで40年以上をこの業界ですごしてきた。(いくつかの店で)
最初の店に入ったころは、松田聖子のデビューや山口百恵のカッコいい引退劇なんかが印象深い。
大ヒットアルバムの寺尾聡や大瀧詠一は何枚売ったことだろう。
当然メーカーも景気が良く、しょっちゅう「コンベンション」に招待してくれた。
この業界でいう「コンベンション」とは、アーティスト・歌手のお披露目会のようなものだ。
本人のライブがあってそのあと立食パーティで盛り上がる、というようなパターンが多い。
パーソンズが来たときは、パーティでvo.のジルが吸ったタバコの吸い殻を失敬し持ち帰って、その時のスナップ写真とともに店内に掲示した。
いちばん思い出深いのは、あるコンベンションでサプライズゲストにサザンオールスターズの面々が来てくれたこと。
サザン、ほんまにおるんや…
週のうち2度も東京を往復なんてこともあった。
ホントになつかしい、いい時代だった。
ヒコーキに乗るのが子供のように大好きだったのでいつも窓際の席をとってもらい、飛んでる間じゅう窓の外を眺めてた。
あれ? 話がそれましたな。
まぁね、40数年ほぼこの業界しか知らないのでついついね。
だけどもちろん楽しいことだけじゃないのはいつの時代でも、どこの世界でもいっしょ。
つぎは「負」の経験も紹介してみようかな。
(その5につづく)
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