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この夏の大冒険の話 2023

あと少しで2023年が終わります。

今年を振り返るにあたって、これに触れないわけにはいかないでしょう。

"B'z LIVE-GYM Pleasure 2023 -STARS-"に参加させていただきました!

B'zさんの記念すべき35周年ツアーです。身に余る光栄。

WOWOWでツアーファイナルの模様が放送されていましたが、ご覧になりましたか?
すごかったですね!!!!!(興奮)

昨年の"B'z LIVE-GYM 2022 -Highway X-"に続き、2度目の大冒険でした。笑

"大冒険"という言葉が、私の中ですごくしっくりきて。
自然とこう表現するようになりました。


昨年末に書いた『この夏の大冒険の話』という記事を読み返してみました。

我ながら、なかなか良い記事ですね!笑
すごく素直に気持ちを書き残せたなと思います。

自然体でいられたこと
富士山のようだと思ったこと
自分の小ささを思い知ったこと
などが書いてありますが、

これ、そのまんま、今年も感じたことです。
同じ気持ちがずっと続いてる。変わらない。

なので、もう書くことはないと言えばないのですが、あると言えばめちゃめちゃあります。本を1冊書けそうなほど。笑

基本的に、オフィシャルじゃないところで他アーティストさんの現場に関することを発信するのは、あまり良くないと思っています。

昔はねー、参加させてもらったツアーでの出来事とか、けっこう細かくブログに書いてたんです。
単純に書くのが楽しかったし、ファンの方にも喜んでもらえて嬉しかった。

でも、今それは、違うなと思います。
時代も変わったし、自分の考え方も変わりました。

なので、すでに公になっていることや、完全に個人的な思いだけ書いていきます。

長くなりませんように。。
(追記:長くなりました/約6000文字)


今回のツアーは"Pleasure"です。
B'zさんのベストライブのことをそう呼ぶのですね。

そりゃあもう、日本国民全員知っているような曲ばかりのセットリストです。
受け取ったとき、あまりに現実味がなくて、しばらくただ見つめました。笑
この曲たちを本当に私が弾くのかと。

「曲を知っているのだから演奏なんて楽勝では?」と思われそうですが、そんなことはありません。
"知っている=弾ける"ではないのです。
適当でいいなら、記憶を頼りにそれっぽく弾くことはできると思うけど。

それに、そのアーティストさんご本人のライブで演奏することは、単なる演奏とは次元が違うことなので。
誰もが知る曲でも何年前の曲でも、プレイヤーとして真剣に向き合ったことがないなら、それは"新曲"。

私にとって、新曲だらけでした。
しっかり曲を分析するところからスタートです。
全部の音を自分の耳で確かめて、自分専用の譜面をつくります。

この最初の作業が、もうすでに、とても楽しかったです。
元々好きだった曲をもっともっと好きになっていく。

曲を身体に入れて、ひたすら染み込ませます。
最終的には、晩ごはんのこと考えながらでも指が勝手に動くレベルまで仕上げます。笑

本番というのは色んな想定外のことが起こるし、外からの刺激がすごく多いので、そのくらいの準備はしておきたいです。
まあどれだけ準備しても、本番1回の経験に勝るものはないんですけどねー。


そうして、リハーサル期間に入ります。
チームの皆さまと再会!

あまり久々な感じはしなかったです。
2022年のツアーファイナルが11月末だったので、少し前まで一緒にいましたからね。
あれからずーっと続いてる感じがしました。

このバンドメンバーで2年目なので、リハの最初からグルーヴが出来上がっていたように思います。
それぞれが持つタイム感を、それぞれがもうよく知っている、という感じ。

リハでそれですから、ツアー終盤なんてもう、演奏がめっちゃタイトでした!
ライブ音源をチェックしながら「スタジオ作品かな?」と思うくらい。


バンドメンバーの皆さんと、めちゃくちゃ仲良くなりました!

そりゃそうですよね。
文字どおり同じ釜の飯を食い、笑
同じ目標を持って長期間一緒に過ごすわけですから。

前にも書きましたが、すごーーく自然体でいられました。
「ちゃんとしなきゃ!!」が強くなりすぎて勝手に疲れがちな私にとって、これは本当に珍しいことで。

やるべきことだけに集中できるチームの雰囲気と、皆さんの人柄がそうさせてくれたのだと思います。
初めてお会いしてまだ2年足らずですが、今ではすっかり大好きだし、心から尊敬しています。


バンマス&ギターのYTさんは、とても視野の広い方だと思いました。
耳の中の、見えている景色が広いという感じ。

あれこれ細かくオーダーする方ではないけど、要所要所で言ってくださることが本当に的を射ていてわかりやすくて、絶対そうしたほうがいいな!と思えるものでした。

ギターは当然かっこいいし、演奏姿もロックで素敵ですよね。
個人的には、若い頃のザック・ワイルドみを感じます。笑

で、ベーシストさんでもあります。
YTさんのベースは、"ギタリストがちょっと弾いてみたベース"ではないです。"ベーシストのベース"です。
ベースもかっこいいんですよ!嫌んなるぜ!笑

あと私、YTさんのコーラスが好きです!あのシャウト感が!
女性が歌うべきではという高音域でも、私が歌うより、YTさんが歌うほうがヒリヒリ感があってかっこいいんです。ご本人は大変だと思いますが。笑
コーラスの役割分担するのも楽しかったです!

そんななんでもできちゃうYTさんですから、私がベースを弾く上でもっとも大事にしていることを、かなり早い段階で見抜いてくださっててね。
すごく驚いたし、涙が出るほど嬉しかった。あまり気付かれない部分なので。
ますます、頼れるバンマスだなと思いました。


ドラムの青山さんは、お会いする前のイメージと1番ギャップがあった方かもしれない。
見た目のポップな印象に反して、もうなんというか、"この道60年"みたいな音をしてはります。笑

常にめちゃめちゃ安定してるし、ビートが重い。
音符を置く位置が重いっていう意味ですが、これ伝わるんだろうか。。

私は重めのドラマーさんが好きなので、すごくやりやすかったです!
ライブでテンションが上がって演奏がどんどん前に行きそうなときも、「みんな落ち着けーい」と後ろに戻してくれる。

やっぱりリズム隊ですから、青山さんの1音1音をがっちりキャッチすることが私の仕事でした。
どの音も心地よかったですが、私は特にシャッフルビートが大好きでした!

今回、わりと長めのベースソロがあったでしょう。
あそこ1番かっこいいの、ドラムですから!!ドラム聴いて!!清なんていいから!!笑

で、そのポップな印象どおりにおもしろい方でもあり。
ある日のドラムソロ直後の「うーー、、松本さーーーーん!!!」という謎の絶叫は忘れられません。笑

まじで笑いが止まらなくなって「今の何!?なんで!!?なんで松本さん!!?」が頭の中でぐるぐる回って、演奏に支障が出そうな危険レベルでした。。
あれは許しがたいです。笑


そしてキーボードの川村ケンさん。
私がやっとベースを真面目に練習し始めたかな?という頃にはすでに、数々の著名アーティストの現場でバリバリに活躍されていた方です。
なんで自分なんかがご一緒できているのだろうと思います。

でもそのキャリアを一切振りかざしたりしないで、めちゃめちゃ優しくしてくださってね。
ケンさんがいらっしゃるだけでその場がパッと明るくなる。まさに太陽のような方。

演奏は言わずもがなで、フレーズとか音色のチョイスとか、全部やばいですよね。
私は特にケンさんのピアノが大好きで。自分のパートがない時とか、よく目を瞑って聴き入ったり、踊ったりしていました。笑

テルミンも大好き!!
"NATIVE DANCE"のイントロから速攻入ってくるプァーーーっていう、あのとぼけた音!笑
異世界に連れてってくれそうですよね!いや、連れてってもらいましたよね!

こんな方が日本にいたなんて!と思います。
ものすごくちゃんとしてはるのに、同時にぶっ飛んでいるという。。
ご飯めっちゃ食べるし。(それは関係ない)

もし生まれ変わって、またサポートワークなどをするミュージシャンになるなら、ケンさんのような人になりたい。
真剣にそう思うくらい尊敬しています。

それを言うなら、バンドメンバー皆さんに対して、そうです。
あんな風になれたら素敵だなーって、人としてミュージシャンとして、見習うべきポイントばかりです。
ご一緒できて、本当に幸せです!!


今回のツアーは、前半がアリーナ公演、後半がスタジアム公演でした。

アリーナでもホールでもライブハウスでもどんな場所でも、B'zさんはいつだって最高にかっこいいのでしょう。
会場の規模なんて関係ないと思います。

でも、たぶん、どうやら、、

B'zさんは、スタジアムですね!!!??

と思った!!!
似合いすぎている!!!!


スタジアム公演の初日は、灼熱の8月、味の素スタジアムでした。

オープニングが忘れられない。
鮮明に覚えてる。今も書きながら思い出して、目の奥が痛い。

メンバーさんの背中、その背中越しの景色、地響きのような大歓声。

震えた。もう、隕石とか、爆撃に近かった。

吹っ飛ばされそうでしたが、その場にどっしり踏みとどまって、ローを支えることに集中しました。


スタジアムの何万人もの大観衆、そりゃあ壮観です。ものすごい眺めです。

でも、その眺めに圧倒されると言うよりは、ずーーーっとこれをつくってこられたのだという事実に圧倒されます。
スタンドの一番後ろのもっともっと向こうまで、分厚すぎる歴史がある。

同じステージからの景色を共有させてもらったけど、見えてるものは全然違うよきっと。


でねー、何がすごいって、何もかもすごいんですが、笑

やっぱり、曲がすごいと思う。

とにかく「曲と一体化したい」と思いながら演奏しました。
自分が演奏しているという事実なんてどうでもよくて。

曲の中に溶けてなくなりたかった。

イメージとしては、顆粒とか粉末。
"ほんだし"とか"鶏がらスープの素"みたいな。笑

ちょっと何言ってるかわからないですね。笑

セットリストの1曲1曲、思い入れたっぷりです。
個人的なこだわりポイントもいっぱいあって、全曲解説したいくらいですが、終わらないのでやめておきますね。。


あ、これは言っておかないと!
ベースソロ、聴いていただきありがとうございました!!

あの最初のリフ、かっこいいでしょ?笑

あれは実は、私の中に何年も前からずーっと存在しているもので。
曲に仕上げようと何度も取りかかったのですが、どうもしっくりこなくて、お蔵入りになっていた古いリフです。

今回ついに、成仏できました。笑
シャッフルビートから次曲のダンスビートへ、うまくつながったかなと!

ベースソロって、ベースだけでは"楽しいもの"になりにくいと思っています。
それが、青山さんのバチクソかっこいいビートをはじめ、皆さんが盛り上げてくださったおかげで、会場中がノって踊って手拍子して楽しんでくれて、最高に嬉しかったです!!

お客さんの声もいっぱい聞こえましたよ!
きよしーーー!とか、きよしさーーん!とか。
簡単な名前でよかったー!笑


あとね、セットリストには関係ないのですが、まじで生涯忘れられないのが、"Real Thing Shakes"!!

ある日のサポメン紹介のちょっとしたコーナーで、少し演奏させていただいたのです。
それもなんと、私のベースボーカルで。
は??(混乱)

言うまでもなく、私の喉は終了しました。。
でもそんなことはどうでもよいのです。

お二人が演奏に参加されたときの衝撃たるや。

ほ、、、本物やああああああああ!!!!!!

いやいや、本物とツアー廻っててもう何曲も一緒に演奏してますがな。何を今さら。って思うけど、
"Real Thing Shakes"が1番思った。本物や、、!!って。

あまりに感激して、テックさんに、
「わたくし本日をもちまして引退いたします本当にお世話になりました」
と真顔で伝えました。笑


い、いかん、、長い、、
こんなつもりではなかった、、

次から次に溢れ出てくる。
まさに、大冒険のようなツアーでした。


この業界にいるとライブというものがすごく身近だから勘違いしてしまうけど、ライブって、そんなに頻繁には行けないものだと思います。

10年とか20年とか長い間ファンをしていても、色んな事情があってライブには参加していないっていう方も多くいらっしゃると思う。

そんな方にとって、初めて観るB'zのライブが今年だったかもしれないですよね。それが唯一のライブになるかもしれない。

そう思うと、"同じことをしないといけない"って思います。

場所とか会場とか何本目とかファイナルとか関係なく。
常に一定のクオリティを保って、いつもどおりのことをいつもどおりにする。

それが一番難しいんですよね。

昔は、毎回違うことをしないと!っていう、よくわからない思い込みがあったような気がします。
なんかそれがかっこいい、ロックだ、みたいな。

大丈夫。同じことをしても同じにはならない。
なぜなら、それがライブだから。

一定のクオリティを保てるようになってから四の五の言いなさい。
と、その頃の自分に言いたい。笑


富士山のように大きく、同時にすごくきめ細やかで。

お客さんを楽しませることに余念がないなと思いました。
開演前のスクリーンにちょっとしたメッセージが流れたり、会場のQRコードからラジオが聴けたりとか。

規模はまるで違うけど、自分の名前がついた公演チケットを販売する者として、学ぶべきところがたくさんありました。


こうして大きな現場で色んなお仕事を間近で見させてもらうと、ほんと、この社会を思います。話がでかいけど。。

すべての仕事は人を幸せにするためにある

これ、本当にそう思います。
もちろん一部の悪い人たちは除いて。

すべての仕事がつながっていて、誰かが誰かを支えているのだなと。

B'zさんがなぜこんなに偉大かって、
それだけ多くの人を幸せにしてきたからだと思う。

動員何十万人とか、売上何千万枚とか、全然小さい。
いや小さくないけど。笑

数字じゃ測れない、もっともっとたくさんの人たちを幸せにしてる。

私もその中のひとりです。
この上ない幸せをもらいました。


"荒野を走れ どこまでも
荒野を走れ 傷ついても"
from B'z - RUN

一緒に走らせていただいたこと
一生の宝物です。


経験だけは誰にも奪えない。

この先、何を失っても、どれだけ派手に転んでも、

私はこの経験を胸に、また走り出せるような気がします。


こんな気持ちにさせてもらえるなんて

やっぱ、でっけえな!!!!!!


本当に本当に
ありがとうございました!!!!!


清は

人生最大の経験値を手に入れた!(更新)

テッテレー