ブロックチェーン調査(その3)

前回までは、技術やプロダクトを提供する側から話を伺う事ができたので、今回は利用者としての声を聞きたいと思い、某電力会社のI氏から大変ありがたいことにお話しを伺える機会を頂けた。

「利用者の声」というイメージで伺ったつもりではあったが、自社でプロダクトを作成して研究及び実験を繰り返していることに、とても感銘を受けた。

ブロックチェーンを利用して社員が独自でシステムを作成することで、社員食堂の購買状況を記録したり、P2P電力取引や電気自動車の充電記録を実施したりと、私の会社よりかなり先を行っていることに正直少し衝撃を受けた。

このようにさまざまな形でブロックチェーンを活用し、その有用性や可能性を探ってはいるものの、本当にブロックチェーンを使う必要があるのかということに立ち戻ることもしばしばあるという。

ブロックチェーンを使う主な理由としては、「コストメリット」と「耐改ざん性の必要性」であるが、現状としては、電力業界ではプライベートチェーンの利用が推奨されることから、結局中央サーバが必要となり、ブロックチェーンを利用した方がかえってコストが高くついてしまうという結果になってしまうこともある。

そのため軌道修正したプロジェクトもあるとのことだが、それらの取り組みを通して得られた経験や知識が会社を強くしていくのだと、I氏の説明を伺って感じた。

I氏は、アメリカ、エストニア、フィンランド、ドイツ、イスラエルなど(まだまだ沢山あるだろう)、世界のテクノロジーの最先端の場所へ行きさまざまな知見やネットワークを広げ、幅広く活動されている。

その幅広さは、エネルギー業界に留まらず、エンタメ業界とエネルギー業界を絡められないかとユニークな発想を持ち、かつ、業界の重鎮秋元康氏の元へ訪ねて自らの思いをぶつけるほどの行動力を持ち合わせており、穏やかに語るその冷静さの中にも熱いものが伺える。(そのネットワークがあることにも驚きである。)

少し話が戻るが、エストニアは電子住民票の所得が可能というほど、規模や資源少ない国に如何に人を集め国を盛り上げていくかということに力を入れていることから、テクノロジーの最先端を走っている国であるが、

I氏がエストニアの住民票を取得していたことも、行動力と新しいことへの感度に私自身非常に学びを感じた。

私自身、行動に起こしてこそ最大の学びがあるという思想を持っているので、それをさらっと実践しているところにI氏の凄さと敬意を感じた。

I氏の会社はEnergy Web Foundationへの加盟もしてますますグローバルに進んでおり、私もますます負けないように頑張らないといけないなと奮起させてもらえる良い機会となった。

一切面識のない私からの突然のメールに、ミーティングの機会を快諾いただいたことに感謝の気持ちでいっぱいである。実際に会ってみて、新しいものを掴みにいく姿勢や話ながら滲み出る人柄に、改めて見ず知らずの私の依頼をご快諾いただいたことに納得がいった。

正直私自身プログラム関係に明るくないことから、ブロックチェーンを実際に触って、実装して、実験して動作を見るまであまり具体的なイメージは湧いていないが、まだまだ黎明期にある可能性無限大のブロックチェーンを学びつつ、私の可能性も高めていけるように楽しんでいきたい。

改めて、今回ご多忙の中、見ず知らずの私の依頼をご快諾いただき、大変貴重な機会を与えていただいたI氏に心から感謝申し上げます。



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