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iPod nano 第6世代

そもそもの始まりは2020年ごろに、もうスマートフォンを持たなくてもいいんじゃないかと思ったのがきっかけだった。ロックダウン(という言葉を思い出すことができず検索した)中の当時は、家でパソコンが起動されているのが常で、メールでもラインでもなんでもすぐ対応できた。息抜きに散歩するときにまでインターネットを気にしなくともよかろうと、電話とショートメッセージしかできないカード型の端末に乗り換えた。そうすると、スマートフォンに統合されていた機能の中でよく使っていたものたちは、改めて専用機を持つ必要がでてきた。そのひとつが音楽プレーヤーだった。

僕が中学2年生のとき、カラフルな「iPod mini」が発売された。姉はMDプレーヤーもコンポも持っていたが、僕は家にあったお下がりのカセットやCDのプレーヤーをちまちま使っていた。そんな折、新聞広告だかテレビCMだかで観た「iPod mini」に大きな衝撃を受け、その次のクリスマスだか誕生日だかに手に入れた。うちには母の仕事の都合でMacintoshがずっとあってアップル社製品はすんなりと使うことができ、TSUTAYAでCDを借りてきてはせっせとiPodに入れていた。BUMP OF CHICKEN、ASIAN KUNG-FU GENERATION、RIP SLYME、THE BACK HORNとか色々…当時海外の音楽は全くわからなかったがRAGE AGAINST THE MACHINEだけは好んで聴いたな〜。

…とかを思い出しつつ、そのminiはとっくに手元にないので、ヤフオクで初代iPod shuffleを落としてみたり、妻がまだ持ってたiPod classicを借りてみたりと、iPodシリーズをしばらく試してみた。どちらも使い心地は悪くはなかったものの大問題がひとつ。Bandcampで購入した作品をaiffやwav形式でダウンロードするとき、解像度が48kHz/24bit以上のものがあって、旧型プレーヤーたちにこれらのデータを入れても再生できない。iTunes上でいちいち44.1kHz/16bitにまず変換し、「(44.1)」と名前を付記してからプレーヤーに転送するという煩わしい儀式が必要だった。

iPod nanoの第6世代以降ではそのまま再生が可能だ、という情報を得て調べてみると、このnano第6世代がまさに、最も欲した形をしていた。ちいさいスクエアのクリップ型で、タッチ式のディスプレイ。初代shuffleは軽くてよかったけどクリップがなく手ぶらのとき不便。classicはサーチは便利だけどやっぱり重すぎる。データ形式も含めて不満な点を一挙に解決できそうなので、メルカリで良さげなものを探し、1万円弱くらいで購入。届いた個体はバッテリーも十分でその日からずっと使っている。

あらためてwikipediaでiPod nanoの変遷を追いかけてみると、スリムなiPodからスタートして、寸法や素材が変わったり、ビデオカメラやスピーカーが搭載されていって、そしてこの第6世代でそれらの機能が削がれたようだ。発売は2010年でこのころ僕は大学二年生だが、やっぱりこのときのアップル社製品はこういう「ぜんぶ無くしちゃうんだ!やべ〜」みたいな驚きがあったよなとしみじみ思ってしまう。ちなみに2012年に発売されたnano第7世代にはまたビデオカメラ機能が復活しており、その前年にジョブズがこの世を去っている。そこに関連はあるんだろうか。

いまは2023年で、最近はまたスマートフォンも使うようになったからApple MusicとかYoutubeでも音楽を聴くことはできるけど、やっぱりiPod nanoに入れた音楽を聴くことの方が多い。図書館でもそうだけどあまりに膨大な量の選択肢がすぐそばにあるとチラチラと観にいってしまうので、目の前のことに没頭しづらい。そしてあくまで借り物(アクセス権だけがある)なのでサービス終了したら何も残らないという前提にも気を散らされる。探し物をするにはやっぱり便利なのでそういう時には使って、集中して聴きたいものがでてきたらiTunes StoreやらBandcampやらで購入してダウンロードしておく。そして今ききたい作品だけを8GBのiPodに移してから出かける。アートワークも登録しておくと、ちっちゃいスクエアディスプレイにそれが表示されて、とってもかわいい。


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東郷清丸の日々の金遣いの記録。何を考えて、何を買って、どうだったのかなどを記していきます。

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