#kiyomarization / NeckWarmer

画像1

 突然、ものを作りたくなった。

 自分が欲しいものを、自分で作る。服であれ家具であれ機材であれ、形も素材も細かい処理も思い通りにして、使いながら気に入らない部分がでたらまた自分で改良する。いま使っている道具をどうしたいのか考えることは、つまり自分の生活について深く思いを馳せること。そうして生活そのものにグッとフォーカスを合わせることで、毎日がよりビビッドになるんじゃないか。突然、そんな気持ちになった。

 ものの構造を理解するのが好きだ。子供のころから筆箱の中のボールペンやシャーペンをよくバラバラにして怒られた。そして、ものを作る機械を触るのは大好きで、印刷機やミシンやハンダごてを触っている時間は僕にとっては遊んでいるのと同じだ。忙しい日々に追われるうちに、自分のそういう部分のことをしばらく忘れていたけど、急に思い出した。

 これから少しずつ、ひとつずつ、自分のための自分の道具を作ってみよう。年始にそんなことを思い立った。

-------

 1月も中旬になってようやく、関東の冬が寒くなってきた。風がキンキンに冷えていたある日、家を出た瞬間にスカスカの首回りが心もとなく感じた。

 僕は厚手のマフラーやスヌードをつけられない。首や肩のあたりに少しでも拘束感があると無意識に緊張してしまうのか、すぐ肩が凝る。ボタンシャツも上まで閉められないくらいだ。だから防寒具にはいつも、軽めの筒型ネックウォーマーを選んでいる。

 毎年ユニクロのネックウォーマーを買っては春が来る頃にどこかに失くしてしまうので、いま手元にはなにもない。よし、ネックウォーマーを作ろう。そう決めた。

-------

 とにかく素材は軽い方がいい。重かったりかさばったりするとすぐ肩が凝るから。かつちょっとかわいい方がいいかな。生地屋の棚を眺めながら、プードルファーという生地がちょうど良さそうだとわかった。僕はダウンやリュックやズボンがだいたい黒か暗い色なので、ネックウォーマーは明るめな色の方がいいと思ってオフホワイトっぽいものを買った。

 家には誰も使ってなかったブラザーの家庭用ミシンがある。ただ僕はあまり経験がない。はじめに作るものの構造は簡単なほうがいいだろうな。長方形を2枚切り出して袋縫いにするだけの、ただの筒状で作ることにした。

 生地をカットして縫い合わせるのにそんなに時間はかからない。すこし毛足が長めのファーなので2枚重ねるとそこそこ厚みがある。まっすぐ縫うために待ち針クリップでしっかりとめてゆっくり進める。自分が使うものなので少し粗っぽい部分もあるが、だいたい15分ほどで作業は終わった。

 う…生まれた…!!!出来上がった瞬間ものすごい実感が体を駆け巡った。

 さっきまでただの長方形の布だったものが、ミシンで少し加工しただけで立派な道具になった。この感動は活版印刷をしているときや音源のマスタリングが終わったときなどと同じ類のものだ。ただの素材だったものに意味が付与されたときの、急に命が宿るような魔法っぽい感じ。いや、やったのはほんの簡単な縫い合わせだけなんだけども…。

 さっそくスポッと被ってみるとふわふわで軽くて気持ちがいい。いつものダウンと一緒に着てみると付属品くらい馴染んでる。すごくうれしくてすぐ写真を撮った。

画像2

 数日つけてみて、なにも支障がないことがわかった。自分が望んだ通り軽くて暖かくてかわいい。洗濯も大丈夫そうだし今年はこれで行こう。

 自分が欲しいように自分のものを作ったということで"kiyomarization"というタグを付けることにした。果たすべき機能はすでにあるのでタグはなくてもいいんだけど、あると売られているものっぽさが出てよりアガるかなと思って。

 タグ屋さんに発注すると大量に作られてしまうので、サテンリボンと布用ボールペンを買ってきて自分で文字を書き、収まりの良さそうな向かって右下のあたりに4点どめをする。kiyomarization NeckWarmer、これにて完成。

画像3

画像4

 生地は1m単位での購入だったので、プードルファーがまだ余っている。同じ寸法で3つは作れそうだ。だから欲しい人がいたら作ります。ホームページ www.kiyomarization.com のBAZAARコーナーにて。経験値がどんどん上がっているので、僕がつけてる自分のものより綺麗に仕上がると思います。

注文できる時間は1/26(日)の21-22時のみです。欲しい方はぜひご参加ください。よろしくね。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

ありがとう🔥
19
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。