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コロナその後・・・

ワクチン・ワクチン・ワクチン・・・

日本のニュースはもっぱらワクチン、そしてそれをどうスピーディーに公平に多くの人に接種できるか・・・についてですね。

今日はこちらロサンゼルスでの私の病院や周辺のワクチン&コロナ事情についてアップデートです。

ここのところ私の病院のコロナ患者数は一桁をキープしております!6人とか7人とか。。。1月末ごろに200名以上のコロナ患者がいたことを考えたらこれはもうすごい進歩!! コロナ病棟と言われアンテルームで完全に隔離されてたいくつもの病棟が普通の病棟に戻っており、今はICUの一部、そして一般病棟の一部の個室に陽性患者さんがいます。

そんなうちの病院の状況はもちろんこの辺り一般的な状況と比例してるわけで、街中にあるアージェントケア(ERの街角バージョンのようなもの)の前は12月・1月あたりはいつ通っても長蛇の列だったのが、このごろはすっかりガラガラ・・。一時の感染爆発状態は完全に今おさまっているといえますね。

院内で患者対応の際は常にN95のマスクをつけ、その上に普通のサージカルマスクをつけ仕事をしていたのが、ここのところはN95はつけずサージカルマスクだけつけて働いております。やっぱすごい楽。。。(もちろんつけたい人はつけてますし、コロナ患者さんの部屋に入る際にはつけますが・・)

ワクチン事情ですが、まず私の知る限りの周囲の医療関係者でまだ打っていないという人はいないですね。統計見てないのでちょっとわかんないけど、100%の接種率とまではいかなくともかなり接種率は高いんじゃないでしょうか。。ここアメリカでは12月末に医療者から始まったワクチン。その後高齢者、フード関連の職に就いている方、学校関係・・・などなど優先順位があったのち、希望する成人誰でも、16歳以上なら、、、と徐々に対象が広がり、なんと先週末からは12歳以上も接種可能となりました。

うちの息子は13歳。おとというちの病院では職員家族優先で接種会場を開けてくれていましたが、野球の試合と時間が重なりこのタイミングでは受けられず。急いで打つ必要を特に日常生活の中では感じてませんし、打ったら絶対大丈夫という保証もないけれど、今日常を取り戻しつつあるアメリカはとにもかくにもワクチンの貢献が大きいのは明らかなことなので、そのうち受けさせようとは思っています。

日本のニュースを見ていると、感染者数が多い方が視聴率が上がるのかどうか知らないけどなんだか数字が下がっていても「先週の同じ曜日より多い」とか「新たに感染者が出た都道府県数が過去最高」とかなんだかぼーっと聞いてると「すごく増えてる」と印象操作するような報道の仕方が多いなぁ・・と感じてるのは私だけじゃないと思うのですが。。。なんなんでしょうね、、あれ。。  

実際問題、数字として出てきてる感染者数はこちらのそのピーク時とは比にならないくらい低いですね。ネットで内閣に関係する方が「さざ波」と言ってしまって炎上してしまったとか・・・。さざ波はたぶん数字だけ読むとほんとにさざ波レベルで間違った表現じゃないと思います。ただ、医療体制・医療受け入れ能力に比較しての患者数を問題視しないといけないわけで、このさざ波という言葉は日本の今の緊急事態宣言が出ている現状にはフィットしないし、現状を軽視しているように聞こえるところで炎上となったのでしょうね。。。

じゃあ問題は何かというと、やはりコロナ患者を受け入れてる施設が少ない、医療スタッフが足りない、医療器材が足りない、そんな理由で受け入れ態勢を作れないとかそういうことなのでしょう。  こっちでのピーク時の状況は「受け入れられない」とか言ってるオプションはなく「受け入れざるを得ない状況なので受け入れる状況をむりくり作る」という感じだったと思います。病院内に入れずあふれた患者さんを受け入れるために普通の病棟をどんどんコロナ病棟に突貫工事で変えていったり、ERの外にテントを作って野戦病院的対応をしたり・・と、とにかく状況にあわせてすばやい対応をしていたと思います。 それができるシステムがあるアメリカ。そういうことができない、しにくい日本の医療システム。

人材については・・こちらはコロナ病棟で働くナースをトラベルナースで多くまかないました。そのナースたちはそれぞれの病院には所属せず、トラベルナースのエージェントに契約しているナースたちです。その人たちは何か月という単位であっちの病院、こっちの病院、市をまたいで、州をまたいで派遣され働くナースたちです。慣れないところで働く働きにくさはあるでしょうし、数か月後どこで働けるのか保証もないけれど、そういう契約をし、とにかくそれに文句が言えないほどのお金を支払われ短期間でぎゅっと稼げるわけです。正直いうと多少看護の質は下がるかな・・・という印象はあります。中にはすごくできる人もいますが、お金のために働いてるという印象をあたえる働き方をしてるナースがいるのも事実です。でも猫の手も借りたい今回のような緊急状況を乗り切るにはこういうフレキシブルに必要なところに数を配置していけるトラベルナースたちが不可欠だったと思われます。

それに反して日本は「ボーナスが出なかった」「コロナ患者に接している医療者という風評被害」「ボランティアで出ていって働いてる」・・・などなどが聞こえてくるではないですか。。

もう「なーん それ!!」って言いたくなる。(By Zazy)

そんな状況で誰がリスク背負ってまでそこで働こうと思うでしょうか、いや思いません。。。 ですよね。そんなことだから医療スタッフが集まらないのです。

って考えるとやっぱりこの「コロナに直接かかわる医療者」をピンポイントに大量のお金を投じない政府が悪いのか!?っていうところに着地してしまうのよね。。。菅さんもいつもお疲れの様子でがんばっておられるんだとは思うんだけど。。。どうにかなんないのかね。。。

お金だけじゃないけど、お金で動く人はたくさんいると思います。そこを「美」としない日本の文化は重々理解できるけど、このさざ波と言わせてしまう感染者数で医療体制に息があがってるんだったら、そこはそこにもっとお金を投じて改善していくべきだと私は思うのですよね。。。

日本の看護はとても丁寧で心のケアも大事にし、まさにナイチンゲールの心で患者様に寄り添う素晴らしいクオリティーを持っていると思いますが、それによる弊害がバーンアウトであったりしますね。患者に寄り添いすぎて私生活にもその感情を持ち込んでしまうし疲れちゃうのでしょう。。。  

こちらのドライではっきりしすぎてるくらいの「仕事」と「私生活」の境界線を持つことは非常時を乗り切る際には非常に大事なスキルなのかな・・とも思います。

現状と思うことをつらつらと書きましたが、文化的な背景の違いもありなかなか深い問題。外野から言うは易しですね。。

頑張ってる方々には敬意を表し、とにかくすばやくワクチンが行き渡ってくれ~!!と願っております。

そしてひいては自分が以前のように日本とアメリカを自由に行き来できる環境に戻ってほしいと願います。早く日本の家族に会いに行きたいよ~。日本のおいしいものを食べに行きたいよ~。。。日本の家族にこっちに遊びに来てもらいたいよ~。

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