いつもの階段

いつもの階段に来てしまった、全く偶然に

初めて、この世に全く需要されてないと思った場所

あの時と全く変わってない店、あの時と全く変わってない私

私と違って需要されている階段の光がどのイルミネーションより美しく見えてしまって、その前に立ってる自分の惨めすら美しく照らしてくれそうだった。

需要されなくてもいいや、と思ってた。

ーーー

いつもの階段に来てしまった。

もう来ないと思ってた。
もう大丈夫だと思ってた。

何もかも変わってしまったな

いつもの階段だったのに
照明がただの照明にしか見えなくなってしまった。
どこにでもある普通の階段だった。

あまりにも普通すぎて疑問すらもってしまった。
あの日に見た光景は本当に存在してたのかな、ただの妄想だったかもしれない。

階段を見て酒を飲む、禁煙じゃなかったらタバコも添えたい気分だ。

何もかも変わっていないような何もかも変わってて、やっぱなんも変わってなかったかも。

今も変わらず需要されてない。
今も変わらず人生が惨め。

普通の階段だったよって10何年前の自分に言いたい。

照らしてくれる光なんがないけど、
何も変わらないけど、

生きてね。



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