カゲロウの涙
私の恋愛は、儚かった。まるでカゲロウのようにあっという間に死んだ。
増:独りよがりだったんだ...
一人屋上で呟いた、そして一滴の涙が流れた
増:嬉しいけど...嬉しいけど...好きなだった
気持ちは、私も変わらない
普段はすぐ切り替えれるのに今回ばかりは、切り替えられずにいた
増:私ったら、、応援するって決めたのに...
俺:おっ...増本じゃん
こんなとこで外眺めるなんて珍しいじゃん
増:あっ...〇〇〇くん、、
泣き顔は誰にも見せたくなかった。必死で笑顔を作る
俺:はい、ハンカチ。何で泣いてるか分からん
けど、泣いてる増本なんて増本らしくない
やん
俺で良ければまた話聞くで
ってか、ほぼ初対面でそんな話しにくいよ
な笑
ゴメン、それじゃ俺行くわ
増:あっ.....ハンカチ...
彼はそういってすぐに立ち去ってしまった。
幸阪と〇〇が付き合ってから、会うことはあるが何か遠くに行ってしまった気がして、会うのが億劫になっていた
だから私にとって久々に話しかけてくれたのが彼だった。
増:嬉しかったなぁ...でもどうしよう
〇〇を忘れたい気持ち、さっきの彼の優しさが交錯して邪魔をする。
私でも感情がぐちゃぐちゃになっているのが分かった。
増:でも、自分の気持ちに正直になりたい。
あーでもどうしたら
天を仰ぎながら叫ぶ。
増:あーあ、何で出逢っちゃったんだろ。出逢
わなければこんなに悩むことも無かったの
に
昔から私は
『元気で一緒に居て楽しいけど友達としか見れない』
そう言われてきた。
その都度女の子っぽくなりたくて、、好きな人の彼女になりたくて、、努力してきた。
増:(ぶりっ子の方がモテるのかなぁ)
許さない!
増:いや、なんか怒ってるだけだな...
増:あー無理!どうしたらええんよ...
麗:あれ?綺良ちゃんが無理っていうの珍しい
何か悩み事?
増:うん、女の子っぽくなりたくってさ
麗奈ちゃんって女の子代表!みたいな感じ
やんか
勉強させてほしいな思って
麗:そういうことね〜それじゃ私に任せて〜
それじゃ手始めに...
手を顎の下でグーにして首を少し傾けて〜
『遅れてごめんね。コツコツ』
増:遅れてごめんね。コツコツ
こ、、こんな感じ?
麗:そんなんじゃアカンすよ!作業になっとる
し武元さんみたいになってます!!
増:やっぱり無理!どうしてもふざけちゃう
麗:はぁ〜これは数日間特訓ですね
増:すいません(へへへ)
そこから地獄の(増本にとって)女の子特訓計画が始まった。
麗:違う!そこはこう!爬虫類を愛でる時のよ
うな目で!
増:はい!れなぁ様!勉強なります!
数ヶ月後....
増:もうそんなん許さへんよ(ぷくっ)
麗:これで大丈夫や👌よし!行っといで
増:ありがとう。麗奈ちゃん。
私は毎日決まった時間に屋上で過ごしている。
あの日以来毎日
特別誰かが来るわけでもない。何かのきっかけで、また彼が現れたらと期待してしまう自分がいる
増:まだハンカチも返せてないし....
来ないかなぁ...〇〇〇くん
俺:ふぅ〜今日も疲れた〜
私に電撃が走った。
増:この声、〇〇〇くんだ
増:〇〇〇くん、この前はハンカチありがとう
返すの遅くなってごめんなさい
俺:あっ、久しぶり。あーハンカチ確かに貸し
てたな
ゴメン俺もすっかり忘れてた
増:(そうだよね、これも一方的な愛)
いや、私が全然渡せなかっただけだから...
ありがとう、それじゃ
増:これじゃダメなのに...本当の気持ちを伝え
ないといけないのに
どうしてもこれ以上、つらい思いをしたく
ない...
また涙が溢れる、、、、えっ...
俺:はい、ハンカチ。パワフルガールに涙は
似合わんな笑
感情が溢れた、彼氏でもないのに思わず胸に飛び込んでしまった。
涙が止まらなかった
増:私、頑固やから、、人に弱音吐けへんくて
正直になれへんくて..
いつも皆んなの笑顔のためにって....
俺:うんうん。大丈夫。大丈夫。
彼は何も言わずに私を抱きしめた。それだけで嬉しかった。
他の何もいらなかった。
増:私の気持ち受け取って、、
俺:その前に俺からも、初めて会ったあの
時から大好きでした。
綺良、これから一緒に居てくれませんか?
増:うぅぅ...ありがとう、私こそ大好き。
頬に彼女の唇が触れる。思わず驚いてしまう。
増:これが正直な気持ち。
私を救ってくれてありがとう
俺:俺も大好き
増:なぁなぁ〜〇〇〇〜おんぶして〜なぁ
俺:そんな綺良ってぶりっ子やったっけ?笑
でもそんな可愛くおねだりされたら....
しゃーない、さぁ背中どうぞ笑
麗・幸・僕:あぁ〜良かったなぁ(泣)
fin