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驟雨
「道路の向こう側に植えられている一本の贋アカシヤから、そのすべての枝から、夥しい葉が一斉に離れ落ちているのだ。風はなく、梢の細い枝もすこしも揺れていない。葉の色はまだ緑をとどめている。それなのに、はげしい落葉である。それは、まるで緑いろの驟雨であった」
作家、吉行淳之介の『驟雨』の中の一場面。想いを寄せる娼婦と朝の喫茶店でくつろぐ主人公。ふと窓の外に目をやると、緑葉が散っている。少しずつ時間をかけて散ってゆくはずの葉が、一瞬のうちに散ってしまったことに、主人公は驚きと言いようのない寂しさを感じた。
そんな経験をした僕の青春の1ページ。
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僕:ほの、今年も逢いに来たよ
俺らも22歳かぁ〜
今頃バレーボール選手になってたんやろな
4年前の2月彼女は亡くなった
僕:あんなに元気やったのになぁ
母:○○君、今年も会いに来てくれてありがと
うね。
僕:いや、僕にはまだ「一緒に学校行くで」っ
て言われてるみたいで...
母:ふふふ、ほんとあの子ったら
そろそろ保乃も許してくれるかな
僕:えっ?
保乃の母さんから1つの日記帳を預かった。
母:これ、保乃が入院してからの
本人が〇〇君にも言わなかったことを書い
てた日記。
〇〇君には弱いとこ見せたくないって....
楽しかったことを忘れたくないって.....
僕:そうだったんですか....保乃...
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僕と保乃が生まれ育ったのは関西のとある島
島民はみんな顔見知りぐらい小さな島だ
保:おはよう〇〇〜はよせな学校遅れんで〜
僕:いやそれ、保乃の時間朝練の時間やん!
俺そんなはよ行かんでもええのに〜
保:あかん!保乃が一緒に行きたいから行くの
僕:(はぁ...送迎担当やん..)ねむた
はい、荷台どうぞ
保:ありがと〜 よーし出発進行!
僕:はぁはぁ...しんどい...しぬ...
保:早く〜早く〜
僕:アトラクションちゃうんやぞ...ホンマに
保:到着〜今日もありがと〜練習行ってくる
ね〜
僕:お...おう、頑張れよ〜
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保乃は幼稚園生の頃からの生粋のバレー少女
なんなら中学の頃も島外の学校からスカウトが来るくらいの選手だったのだが....
「私は、この島が好きやから」
この一点張り
僕:せっかくスカウト来てんのに、もったいな
いやんか
俺も観に行くし
保:それでも嫌なもんは嫌やねん
島外でバレーするくらいなら辞める
彼女の目は真剣だった、それ以降島外でのバレーの話はしなかった
保:1年レシーブ行くよー!10本連続!
後:はい!お願いします!
後:田村先輩このプレーの時上手く動けなくて
保:ここはね〜こうやって〜最短距離で〜
後:やってみます!
保:そうそう良い感じ🙆良い感じ!
保:それじゃ〜今日の朝練は終了!それじゃま
た放課後!
一同:ありがとうございました!
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ー教室ー
僕:朝練おつかれ
保:うん、今日の朝練も楽しかった〜
僕:ほんと好きだなバレー
決して強豪でもない、普通の高校にあるバレーチーム、ただ保乃はそのチームでプレーする事に意味があると言わんばかりに笑顔を振りまいていた。
保:そりゃ〜めちゃくちゃ楽しいもん!後輩ち
ゃん達もどんどん上達してるし
僕:そっか、久々に俺も部活ないしバレー部除
くよ
保:ホンマに?来てくれんの嬉しいわ〜
気合い入れよ〜っと
ほな、授業は....スヤァ
僕:次赤点とったらヤバいんじゃなかったっ
け?
保:うぅ.....たすけてください
僕:バレーと同じ力量で頑張るしかないなぁ
保:、、、がんばります、、、
僕:寝そうになってたら起こすわ笑
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保:なんとか耐えた....さ、部活行こ
僕:いや、6限死んでたやん...
とりあえず俺、日直作業済んだら行くわ〜
保:うん、体育館で待ってるな
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保:ストレッチ済んだ子からボール持って〜
僕:普段のちゃらんぽらんな保乃からは想像つ
かないほどバレーになると真剣だよなぁ
そんなことを呟きながら体育館ピロティから眺める
そんな様子を見にくるのは僕だけではない
フ:保乃ちゃん〜カッコいい〜
フ:こっちにも手を振って〜キャー
今レスくれたよね!?死んでもいい..や...
フ:うぐっ.....ほ、、、のさん、、、
そう、彼女は学校のヒロインでもあるのだ。
僕:す、、、凄いなやっぱり
後:あっ、〇〇さん来てますよ!
保:おーい〇〇〜
ファンからの人を殺めるかの様な視線が飛ぶ
僕:あ、、、あかんて、、殺されるって...
保:おーい〇〇ってば〜
フ:我らの保乃ちゃんを脅かす存在、、
フ:生かしてはならぬ...
フ:〇〇君覚悟はいいか?
僕:お前ら、それじゃ、、、
か、、過激派じゃねぇかぁぁぁぁぁ
僕は殺されてはならぬと一目散に逃げる。
保:ほのの?
後:あちゃ〜先輩ファン多いですからねぇ笑
保:そっか〜逆鱗に触れちゃったのか!
後:無事だといいですが...笑
僕:はぁはぁ、保乃といるといっつも疲れてる
気がする....
フ:あ!こんなとこにいたぞ!追えー!
僕:しぶとい奴らめ....
その後何とか捲れたが
僕:保乃のファンヤバいやろ...
倒れるかのようにソファでくつろぐ
保L:今日はゴメン、あの後大丈夫だった?
僕L:まさかあんな過激だとはな..保乃愛され
てんだな笑
保L:まぁ、、、ちょっとやり過ぎだけどね
応援してくれるのはありがたいんだけど
僕L:これからは行く時気をつけないとな笑
俺にファンサくれるのは嬉しいけど
保L:バレないようにファンサするね!笑
僕L:それで頼む!ってかファンにしてあげて
笑
保L:いやや、〇〇来たらファンサするから!
僕L:はいはい笑、それじゃおやすみ
保L:もぅ!また明日
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保:おはよう〇〇〜はよせな学校遅れんで〜
僕:いやそれ、俺そ、、
保:あかん!保乃が一緒に行きたいから行くの
僕:はいはい、拒否しても乗るやろ?
荷台どうぞ
保:ありがと〜 よいし....くっ...
ごめんちょっと手貸してくれへん?
僕:どうしたん?
保:なんかちょっと足痛くてさ...
多分昨日練習やりすぎただけやろから
心配せんでええよ
僕:そ、そうか。でも無理はせんと朝練休んだ
ら?
保:いや、大会近いし1秒も無駄にしたくない
練習しないと....
僕:でも、大会前にケガするのも....
保:保乃は大丈夫やから!ほらめっちゃ元気や
ろ?
そう言って背中を叩く
僕:痛ったぁ〜
保:あはははは〜行こ行こ〜
僕:はぁはぁ...しんどいけど慣れたなこの道も
僕:はい、到着
保:ありがとー練習行ってくる〜
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保:サーブ、レシーブ、トスローテで!
後:はい!
保:声出して!ここからノーミス10回!
後:はい!最後田村先輩お願いします!
保:任せて!くっ....
そう踏ん張った時
「一歩目がでない」「えっ、、動いてよ足」
バン、、、、
無情にも体育館に響くボールの跳ねる音
後:、、、、、
保:、、、、ホンマごめん!
なんか緊張してもた、、
後:あの田村先輩が、、いやぁもうしっかり
してくださいよ〜
保:ホンマごめん!放課後には絶対治す!
顧:田村、大丈夫か?
大会近いし無理はせずになんかあったら
言ってくれよ
保:はい、
でも保乃はコートで死んでも良い!って
思うぐらい今バレーが楽しいので!
ちょっとぐらい無理させてください!
顧:まあ元々俺が何を言っても田村は聞かない
と思ってるが....
とにかくこれからの人生も長いんだから
無理は禁物
保:監督大丈夫ですって!ちょっと緊張した
だけですから
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僕:朝練おつ〜足どない?
保:おつ〜
一応保健室で湿布とサポーター貰って着け
とるよ〜
僕:先生なんていうとったん?
保:うーん、ちょっと腫れてるから無理は
しないようにって
僕:そっか、お大事にな
保:心配してくれへんの?
僕:心配したら調子乗るやん
保:なんよそれ笑
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保:ストレッチ済んだ子からボール持って〜
後:田村先輩足の具合どうですか?
保:無理しない程度ならできるで〜
後:良かったです〜でも痛かったら休んで
ください!
保:ありがとー
そんなことを言いながら、本人が思っているほど足は限界だった
保:保乃入ります!
顧:足は大丈夫なのか?
保:お願いします!、、アタック!
あっ......
田村!田村!大丈夫か!
田村先輩!田村先輩!
体育館に響く顧問の声と後輩達の声
顧:立てるか?
保:うっ.....ダメかもしれません、、、
顧:後1は車椅子頼む!後2は保健の先生に連
絡を!
後:はい!
そのまま運ばれた保乃の情報は僕のところにも早かった
後:〇〇さん、
田村先輩が練習中倒れました、、今保健室
にいると思います。
僕:えっ?教えてくれてありがとう。
保健室向かうわ。
何故だろう、ただの幼馴染なのに
そして、あの時強く止めてれば、、
二つの気持ちが交錯する。
僕:保乃!大丈夫か!
先:やっぱり来た笑、保乃ちゃんはこっちよ
保:ごめんなぁ〇〇、、心配かけて、、
母:ホンマ、無茶しーな子なんやから、、
って、あら〇〇くん
僕:無事で、、よかった、、、
こんにちは、お母さん。
すみません
あの時ちゃんと僕が止めてれば....
母:いいのよ、多分言っても聞かないだろうし
いい薬になったわ笑
保:お母さん!
2人とも心配かけてごめんね
先:一度病院で診てもらったほうが良いと思い
ます。ここからだと〇〇整形がオススメで
すね。
母:ありがとうございます。ご心配おかけしま
した。
それじゃ、行くよ。保乃
保:はい、、
あの元気が取り柄の保乃がここまで落ち込むのは初めてだった。
その日から、保乃は休むようになった。
僕L:保乃大丈夫?
保L:ごめんね、心配かけて。少し休めなさい
って言われちゃった。
だから学校休む、、
でも安心して!すぐ帰るから!
僕L:そうだよな!保乃明日にでも待ってるで
保L:絶対すぐ帰るから!また荷台乗せてな!
僕L:しゃーないな笑 ほなおやすみ。
保L:おやすみ〜
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医:保乃ちゃん、お母さん。落ち着いて聞いて
欲しい。一回大きな病院で診てもらったほ
うがいい。
保・母:えっ、、
医:これ診て欲しいんやけど、足に影が見える
もしかしたら、腫瘍かもしれん。
〇〇大学病院へ紹介状出すから、診てもら
ったほうがいい
保:腫瘍....なぁ私ってバレー続けれるやんな!
なあ!こんなところで、、、、
医:とりあえず診てもらわんことには分からん
母:はい...保乃落ち着いて、、、一回診てもら
お
保:大会は?もう出られへんの?
医:検査結果次第にはなる。今はそうとしか
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翌日大学病院にて精密検査を受けた。
医:お母さん、娘さんの診断結果は、骨肉腫で
した。
幸い早期発見できたので、腫瘍を取り除く
手術を受けることで、寛解できる可能性は
90%。リハビリは必要ですがバレーも可能
です。
母:そうですか、ありがとうございます。娘と
も相談したいと思います。
保:お母さん。私の足大丈夫なん?
母:診断は骨肉腫っていう癌らしい。ただ早期
発見できたから、腫瘍を取り除く手術さえ
受けてリハビリも頑張ればバレーできるっ
て。
保:癌なんか....でも早く足治してバレーしたい
また〇〇と一緒に学校行きたい。
私、手術する。
母:分かった。先生に言うてくるわな。
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僕にとって保乃は雨が降ろうが槍が降ろうがいつも隣にいる存在だった。
ただ、この夏は居ない。
僕:こんな暇で、寂しかったっけ。
8/31
一本の電話が入る
プルプルプル
僕:はい。〇〇です。
保:久しぶり〜!保乃やで〜覚えてる??
僕:お、、、おう。久しぶり
保:えっ、、、もしかして忘れてた....
僕:そんなわけ無いじゃん笑。久々の電話でめ
ちゃくちゃビックリやわ
保:あははは〜保乃明日から学校行けんねん〜
僕:おぉ〜ホンマに!おかえり!待っとったで
保:まだリハビリしてるから歩き方ぎこちない
けど
僕:それじゃ普段迎えにきてくれてたけど俺が
迎えにいくわ〜
保:ホンマに!やった!朝練の時間待ってるな
僕:はいよ〜それじゃ
保:あっ、ちょっと待って
僕:ん?
保:いつもこんな私に優しくしてくれてありが
とう。ホンマ好きやで
プープープー
僕:.....なんやそれ笑
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
僕:おはよ〜保乃。学校行くで〜
保:ちょっと待ってな〜よいしょっと
杖をつきながらゆっくり歩く彼女。自然と俺も手を貸していた。
保:ありがとう。ごめん自転車に乗せてくれ
る?
僕:はいよ、お嬢様!
僕は軽々と保乃をお姫様抱っこした。
保:ヒャッ、えっ、、えっ、、、(いつからこんな
大胆になったんよ)
僕:顔真っ赤やん笑 まあ昨日のお返しや
保:もう笑
僕:ほな、掴まって行くで〜
ギュッと抱きつく保乃の温かさが懐かしい。そして知らず知らずのうちに僕は、保乃が居ない生活が考えられなくなっていた。
保乃が好きだ
そして月日は流れ、、、、、
僕たちは3年生になった。
クリスマスに正式に告白して2人は付き合うことになりカップルとなった。
カップルとはいえ、保乃はバレーで全国、僕も夏のインターハイで部活三昧だった
〇〇高校、田村選手の快進撃!
〇〇高校、ほのスマイル!でVへ猪突猛進!
瞬く間に保乃は、バレー界を代表する選手になりファンも全国規模になっていた。
フ:あぁ〜我らのほのすがぁぁ全国のものにな
ってしまう(涙)
そして決勝戦、、、、
保:ここまできたら日本一になろう!
後:オーー!
僕もスタンドから声援を送る
僕:〇〇高校頑張れー!!
実:前半を終え〇〇高校優勢!決勝でも田村選
手の躍動が止まりません!
泣いても笑ってもあと25分!果たして今
年の覇者は!
保:後半も気合い入れていこ!
後:〇〇高!ファイト!
実:ここを決めれば日本一が決まります。さぁ
誰が決めるのか!!
後:田村先輩!
保:おりやぁーーーー!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
保:ここは、えっ?会場戻らないと!
僕:看護師さん!目覚ましました!!
良かったぁぁぁ
試合は終わったよ。保乃日本一なれたよ
おめでとう。
保:日本一なれたんだ、良かった。でもどうし
て私ここに居るの?
僕:保乃、アタック決めた後足押さえながらう
ずくまって、意識失ったんだよ
保:そうだったんだ....また癌なのかな.....
僕:一通り検査はしたんだ。まだ結果は出てな
い。
保:これで高校バレーも終わりかぁ〜
これからはいっぱいデートできるね!
僕:そうだな、俺も保乃と色んなところ行きた
いな。
保:楽しみやなぁ〜たこ焼き食べて〜ユニバ行
って〜
医:〇〇さん、きてください。
医:田村さん再発です。また転移が見られます
これ以上足の手術はできません。手術する
となると切断になります。ただ肺にも転移
が見られました。
もって「余命、半年」です。
僕:なんでだよ!手術したら生きれる確率
90%って.....
なんで、保乃なんだよ、、、なんでだよ、
必死で涙を堪える。本人の前で泣いてる姿なんて見せれなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
僕:保乃、少しの間入院して、元気なったらユ
ニバ行こか。
保:やっぱり、なんか悪いん?
僕:いや、大丈夫やって。様子見で入院するん
やって
保:嘘や!何でそんな嘘つくんよ!騙せる
と思ったら大間違いやで!
僕:.........
保:言って!
僕:再発した。
保:そっかぁ....でも絶対治す。〇〇といっぱい
デート連れてってもらわなあかんしな!
覚悟しといてや〜
僕:....うん。
保:もう!彼氏が暗い顔してどうするんよ!
これから支えてよね!〇〇
僕:分かった。保乃を一生支える。
保:あははは、それってプロポーズじゃん笑
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そこからは毎日病院に顔出した。
元気な時は外出許可も出て一緒に病院内散歩したり学校のこと、勉強を教えたりした。
僕:もう面会時間終わりか...また明日来るよ
保:うん!絶対来てよね!
僕:それじゃ
そう言って病室を後にする
保:お母さん、、保乃もっと生きたい。〇〇と
一緒に過ごしたい。
毎日泣いた。
明日迎えれるかわからない不安。
死への恐怖。
ただ、彼には弱いところを見せたくなくて
楽しい思い出を忘れたくなくて
毎日日記をとった。
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9/5
今日も〇〇が来てくれた。会えるとやっぱり嬉しい。明日も会えるかなぁ。
9/20
今日は体育大会!○○組は優勝!私にもメダルを掛けてくれた。嬉しい。
10/2
○○から連絡。
「風邪ひいた、ごめん」すぐにでも駆けつけたい。でも足が動かないもどかしい。辛い
10/21
検査から帰ってきたら病室でサプライズバースデー🎂
退院したら行こうね!ってユニバのチケット貰った!
早く元気になって〇〇と外出しなきゃね!
11/17
薬が増えた、いややなぁ
でも、秋の新作のシュークリーム買ってきてくれたうま〜
11/30
放射線治療でツルンツルンになっちゃったけど
〇〇も坊主で登場笑
12/25
クリスマス....外に出たいー
でも数値悪くて病院.....〇〇と一緒にユニバのツリーみたかったなぁ
〇〇は会えるだけで嬉しいって言ってくれるけど、こんな彼女でごめんね.....
1/1
あけましておめでとう。なんだか今日は体調が悪い、〇〇も来てくれる予定だったけど、会えなかった、、
1/20
〇〇がセンター試験、ここ2週間会えてないけど仕方ないよね、、応援する事しかできんけど、私も受けたかったなぁ
はやくあいたいよ、、、、
1/25
受験が落ち着いてクリスマス振りの〇〇
久々過ぎて思わず泣いた。
まだ生きている。そして、喜べている
生きたい!生きたい!まだ死なない!
2/10
痛い、痛い、痛い、、、
でも会える時は元気で!!笑顔!
2/14
痛い、しんどい、、、、、たべれない、、
今日も1日寝てるだけで精一杯
2/17
呼吸が苦しい...わたし、、もうしぬのかな
この日が日記の最終日だった
翌日....
母:保乃が!保乃が!もう山場を迎えてる。
僕:すぐ行きます!
電話を受けすぐ病室に向かった。
ピッピッピッ
機械に繋がれた保乃はベットに横たわっていた。
母:ほのちゃん、○○君来てくれたよ。
ほら、挨拶して
僕:保乃...
そっと手を握りしめたその瞬間
保:もぅ...くんの...まってたんやで....
もう、ほの、、あかんかもしれへん、、
微かな声だったが、めいいっぱい話そうと必死だった。
僕:何ふざけた事言ってんねん!
ユニバも行かなあかんし!2人でせなあか
んこといっぱいあるやんか!ほの!
保:ごめんね...こんな女の子で....
○○が.....居てくれてよかったよ....しあわ
せになってね......
そう言って1粒の涙を流した
そして保乃と握っていた手から力が抜けるのがわかった
機械は1本の線を表す_________________
看:田村さん心停止!先生呼んで!
すぐさま胸骨圧迫が行われる。
医:帰ってこい!帰ってこい!
看:ほのちゃん!ほのちゃん!!
母:先生もう手を止めてあげてください。もう
保乃に痛い思いはさせたくない......
医者の手が止まる
僕:嘘だろ、ほら、学校行くぞ、なぁ保乃!
おい!ユニバ行くぞ!なぁ保乃....
俺は諦めへんからな〜保乃
ほら、頑張れ!
そう言い聞かせながら僕は手をとめなかった。
母:○○君、保乃にこれ以上痛い思いさせたく
ない、、辛いけど、、ゆっくりさせて
あげて欲しい。
________一瞬の沈黙が訪れる____________
僕:うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ
保乃の手を握りながら僕は一生分の涙を流した。
医:2月19日 10時46分 田村保乃様
お看取りの確認をさせていただきました。
ご闘病大変お疲れ様でした。
その後たくさんの仲間や友人、家族に見守られながら保乃は葬儀を終えた。
あっという間に3月になり僕達は卒業を迎えた。
僕:いよいよ卒業式、みんな保乃が居たことを
忘れないで欲しい。
友:そうだな!3年○組は一生一緒だもんな笑
僕:そうだな笑
(ほの〜卒業やで〜もちろんここに来てるよな
まぁおっちょこちょいやから○○忘れたー!とかしてそうやけどな笑
そんなことない!って怒りそうやけど)
卒業式を迎える.....
卒業証書授与が徐々に行われる。
3年○組 田村保乃
もちろん返事は無い、ただ心の中ではいつも元気な保乃が受け取っていた。
僕:これでいいんだよな、保乃。
たとえ遠く離れて逢えなくなっても僕、そしてみんなの心の中で生き続ける_________
fin
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