天才たちの名もなき夜

まず、この動画を見ていただきたい。

こいつ何者だ!?と思ったし、すごい感動した。

でも、何に感動したかというと、ピアノの上手さや才能はもちろんだが、この動画を”自分がたまたま”youtubeで発見してしまったということだ。

この”自分がたまたま”というのがみそで、この動画がもしTwitterでバズっていて、誰かのリツイートで見た動画だったらそこまで感動しなかっただろう。

人が得意なことで力を発揮しているところを見るのは、実際それだけでテンションが上がるものだ。

例えば、クラスで目立たない奴が授業中誰も答えられない質問を答えた時とか、飲食店のバイトでくそ忙しい時、先輩が怒涛の客さばきを見せた時とか、まあいろいろだ。

それが不意であったり、さりげなかったりするほどテンションが上がる気がする。それはもちろん広くは知らされないし、歴史上に何も記録はされないけれど、その場にいた人の心には深く刻まれるものだと思う。なんだろう名付けるなら「アンオフィシャルな感動」というか。

自分がこの動画を見て感じたのはそういうタイプの感動であった。

つまり今日のSNS社会って、余計なものもいっぱい目に入るけれど、そういう種類の感動もいっぱい転がってるんじゃないかと考えると、非常にわくわくするよね。

さらに思いを馳せると、歴史上に名前を残した天才が与えた「アンオフィシャルな感動」はすごいことになってるんじゃないだろうか。

例えば、想像だけれど、「練習でとりかごした時のロナウジーニョのまた抜き」とか、「仲間内だけで飲んだ時のタモリのものまね」とか、「午前1時頃の梅田サイファーでのR-指定のライミング」とか、公式映像も公式記録もないけれど、すげえことやってんじゃないかと思うんだよね。

そういう場面に出会えた時の興奮はすごいし、スケールは違えど、そういう瞬間に多く出会えたら楽しいと思う。

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