POP VIRUS=星野源の唾液⁉

今更ながら星野源の『POP VIRUS』をちゃんと聴いた。

素晴らしいアルバムだった。聴き終わった後はなぜか「もっと一つ一つのことを大事にしよう」と思えた。今までの自分は心が荒んでたのではないかと思うほどだった。

1.POP VIRUSはノリとメロディが大好き。あのダイナミックな雑音もくせになる。2.恋はどうしても逃げ恥とセットでいままで聴いてきたけど、単体で聴くとこれまたクラシックだなと。こんな気分を上げさせられてしまう曲なかなか無い。でも一番好きな曲は8.KIDS。で、一番印象に残ったのは10.サピエンスかな。

で、全体的に結局何が好きなのかというと、やっぱ人間くさいってところなんだよね。ただカッコいいアーティストっていっぱいいると思うけれど、星野源は歌唱力が抜群てわけではないせいか、なんかすごく愛着がもてる。もっというとかわいい音楽だなと感じた。この言葉はあまりプラスの意味で使われないけど、いい意味で生ぬるい

そこで、かわいいとか生ぬるいって何なのかというとやっぱPOPってことなのではないだろうか。星野源がどういう意味でPOPって言ってるのか分からないけど、自分が思うPOPはそういう感じだ。そしてやっぱり自分はPOPが好きなんだと改めて思った。

でもそのかわいさにちゃんと嫌味がないのは、やっぱどこかひとりのにおいがするからなんだよな。すべての曲の作詞作曲が星野源自身であるように、(もちろん多様な豪華アーティストが参加してるが)ちゃんとひとりで産み出してるものだって感じることができる。以前、ポルカドットスティングレイのインタビューで「曲は完全にマーケティングで作ってる。どういうものが今受けるのかというのを計算づくで作ってる」という主旨のことを言ってた気がするけれど、そういうものとは対照的なものだ(それはそれで凄いと思った)。

だから、POPって決して売れるように作った音楽ってわけではないと思う。今思いついた例えだと、食べ物を甘くするには甘味料とか砂糖をありったけ入れればいいと思うけど、結局何を食べてもずっと噛んでると甘くなるじゃないですか。POPってそういう甘みのことをいう気がするんですよ。

星野源の音楽もソウル、ジャズ、HIPHOPとかいろんなジャンルを嚙み砕いてる。嚙み砕いてきちんとオリジナルなものとして自分の感覚で提示してる気がする。よ~くよ~く噛んでるからやっぱり甘くなるんですよ。その甘みみたいのが凝縮されているんじゃないかと思います。だから『POP VIRUS』の曲たちは星野源の唾液まみれということ。つまりは菌が沢山なわけです。そう、それが「POP VIRUS」。

まあ飛躍しましたが、良い音楽だということです。すごくポジティブな。だからいろんなものを大事にしたいと思えたし、結局はこのアルバムが大事な一枚になりました。

(TSUTAYAで借りたけど、ちゃんと買わなきゃなあ・・・)


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