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レビュー#9 Arnold Allen vs. Dan Hooker

久々にロンドンで開催されたUFCは最高の盛り上がりでした。自国の選手がかなり印象的なパフォーマンスを見せつけ観客は興奮のるつぼとなりました。
正直うらやましいですね。。。日本がこのような状態になる日が来るのか?

では、試合結果・内容・戦前予測との対比を見ていきたいと思います。
お目汚しでございますが、よかったらご覧ください。

試合結果:多くの予想を裏切ったアレンのパフォーマンス

1R TKO。アレンが怒涛のラッシュでレフリーストップを呼び込みました。4年ぶりのフィニッシュ勝利。UFCにきて初のKOは地元で最高のパフォーマンスとなりました。

プロップスを見てみるとアレンの1Rフィニッシュは+500~600とかなりのバリューがあったようです。完全に予想を裏切られました。素晴らしい勝利です。

試合内容:押し切ったアレンと押し切られたフッカー

アレンはローから組み立てていきます。フッカーもインローを返す。フッカーが詰めていきアレンが回るという、普通に考えられる展開、と思いきやアレンが先にパンチを当て一気にラッシュ。効いた様子のフッカーですがさすがにタフです。アレンは詰めるもやや疲れたか?フッカーも打ち合いの中で打撃を返しアレンに膝をつかせます。それでも打撃で応戦するアレン。左ストレートがどんどん当たります。打撃の精度がフッカーを上回ります。そのままケージまで押し込んでヒジの連打で勝利をつかみました。
フッカー攻略のハイプレッシャー、フッカーが得意とするインファイトの打ち合いを意外や意外、アレンが仕掛けて押し切っての勝利をつかみました。

アレン目線で試合を総括すると『相手の得意な真っ向勝負の打ち合いで精度で精度で上回り仕留め切った』であったと思います。
スタミナとラッシュ、そしてフッカーの現時点のタフさのバランスがかみ合ってアレンが押し切ったように感じました。

事前予測との比較:とてもいい意味で裏切られた

(予測時点での)アンダードッグ、アレン勝利への戦術として『プレッシャーを受ける展開は避け、ジャブでいつも通り戦い判定勝利を挙げる。』を挙げていました。
勝利のポイントとしては、
・ジャブ&ジャブで試合をコントロール
・相手より早く動きプレッシャーを受けない
・アレンはいつもの戦い、フッカーの出方次第
を考えていました。

全く予測と違いました。とてもいい意味でです。アレンがこんなに激しい試合を見せたのは地元開催の興奮、地元勢の大躍進の流れがあるのでしょうか?
そしてフッカーにとってはかなり厳しいフェザー復帰になりました。

〇勝利したアレンの良かった点/改善点
・打撃の精度、左ストレート
・ラッシュでガスを消費しきらなかった
・フッカーに対してサイズで劣るように見えず

・打撃ディフェンスの改善?

今回素晴らしかった面点は次回も素晴らしい点として現れるのでしょうか?打撃のプレッシャーと撃ち合いという今回の戦い方は対フッカー用に用意してきていたのか、それとも素晴らしく盛り上がった興行が地元のアレンにそうさせてのでしょうか?気になります。

〇敗北したフッカーの悪かったところ/改善点
・打撃ディフェンス
・プレッシャーをかけられると崩れる弱点を突かれてしまった?
・効かされた後に撃ち合ってしまったこと、歴戦のダメージ?

・プレッシャーのかけ方をもっと慎重に?
・得意な打ち合いを避ける勇気?

今回の戦い方を繰り返すとフェザー級での戦いはより厳しいものになってしまいそうです。
ライト級では打ち合いの中で強さを見せたフッカーですがもうその戦い方はできないのかもしれません。とは言えプレッシャーはかけないと強みが発揮されないスタイルであるため撃ち合わない圧力が必要なのかもです。

感想と総括:早起きは三文の徳。

プレリムは2時、メインは5時開始と早朝開始となった本興行。早起きをしたMMAファンの方々は大満足の興行となったこと間違いなしでしょう。

アレンはこれでTOP5入りが確実でしょう。ケイターを指名していましたがフッカー以上にタフでテクニックのあるストライカーに対しては今回の戦いは非常にリスクがあるかもしれません。どんな戦いを用意するのか?それともこれが新しいスタイルとしてライジングしていくのか?楽しみです。

一方のフッカーにとっては仕切り直しのフェザー初戦で、おそらく最も予測していなかった形での敗北を喫してしましました。どちらかというと得意な展開でやられてしまったことでより一層、スタイルの方向転換を考えざる得ないのでは?

コメインのこの試合以外も多くの素晴らしい試合、素晴らしいフィニッシュが生まれた今大会。次戦に期待生まれまくりの選手たち。次戦の組み合わせを考えるだけでわくわくします。
そんな中で非常に厳しい完敗を喫した佐藤天選手。先週には同じアジア人のヤドンがライジングしただけに期待していたのですが、、、判定を聞く最中も受け止められない様子でもあり、悲しいです。せっかく掴んだ再契約。ぜひ次戦にこそ、自分自身が納得できるパフォーマンスを見せてほしいところです。

終わりに:次回は3月27日 UFC Fight Night: Blaydes vs. Daukaus

次戦はかつてのプロスペクト、王座まであと一歩での敗戦を喫してしまうブレイズがメインイベントです。次戦勝つことはもちろん、連勝を続けた先にあるチャンスが最後の王座獲得の機会になるかもしれない年齢となってきました。
今回メインを務めたアスピナル、今年ルイスに対してKO勝利を挙げたツイバサは20代の選手。自身よりも若い選手が台頭しつつある中もう負け許されません。近年は少ない純レスラーのブレイズにはぜひとも頑張ってほしいです。

そんな興行からはJennifer Maia vs. Manon Fiorotの一戦を取り上げたいと思います。理由はFiorotに興味があるから。それだけです。

そしてこれまで、アンダードッグ側の選手目線で勝利のための事前予測をしてきましたが、少し形を改めて、、、
お互いの選手を比較して何が起きそうなのか?着目すべき側の選手選択とその選手の戦術分析。分析の結果どちらがどのような勝利を挙げる可能性が高いのか?
という流れでの事前予測をしたいと思います。
アンダードックの勝利戦術は、結局無理がある選択肢をひねり出してるだけなのでは?と思い、改めることにしました。

ここまで読んでいただけたのであれば大変嬉しく思います。
次回の予測も読んでいただければ。。。

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