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#72 Mateusz Gamrot vs. Dan Hookerのプレビュー ~ガムロット vs.フッカー アンダードッグの下位ランカーは地元の声援を背に番狂わせを起こせるか。~

対戦カード概略

 UFC 305: Du Plessis vs. Adesanyaのメインカード、マテウス・ガムロットvsダン・フッカー。ライト級のランカー対決です。ガムロットはターナー、フィジエフ、RDAと厳しい三連勝し、ここで地元勢フッカーの挑戦を受ける形です。ちょっとガムロットについては旨味の少ない相手、かつ打撃な危険な相手です。

ランキング:ガムロット#5 フッカー#11
オッズ  :ガムロット-325 フッカー+260
参照   :


Mateusz Gamrotについて

スペック

年齢:33
身長:177
リーチ:179
スタンス:サウスポー

戦績

24-2-0
勝利内訳
・KO:8
・一本:5
・判定:11
敗北内訳
・KO:0
・一本:0
・判定:2
直近戦績
Win - Dos Anjos
Win - Fiziev
Win - Turner
ファイター印象
>タフネスお化け。アスリート系MMAグラップラー。

SWOT分析

強み:グラップリング、テイクダウンの試行回数、スタミナ
弱み:強打の被弾傾向、テイクダウン成功率、フィニッシュ力
機会:テイクダウン&トップキープ、相手のテイクダウンディフェンスの低さ、フィニッシュされる可能性が低い
脅威:相手のホーム、膝蹴り、相手とのサイズ差

コメント

 われらがRIZINフェザー級最強ファイター=クレベル・コイケからKSWの王座を奪取した選手です。ATT所属のMMAアスリート。無限ともいえるアタックの多さと最後まで自分のスタイルで試合をやりきるスタミナを持っています。また、相手のいい打撃を被弾してもぎりぎりで崩れないタフネスを持ち合わせており、相手からすると非常にしんどい相手になるのだと思います。ツアルキャンとの一戦はそんなガムロットらしさが全開に発揮された見事なスプリット判定勝利だったと思います。
 非常に粘り強い一方でやや決め手に欠けるという印象はぬぐい切れません。相手とのレベルの差があれば圧倒するスタイルですが拮抗してくるとギリギリで競り勝つスタイルでもあるため、アタックの回数がそのまま勝敗に直結するスタイルであり、全ラウンド全開で仕掛け続けることが必須に感じます。さらに被弾の傾向と印象がぬぐえず、最近は毎度のごとく強打を被弾しています。とはいえ強打を被弾してもテイクダウンで凌ぎきって寝かせてしまう粘り強さがあるのでどちらかと言うとストライカー特攻なのではと感じます。かなり強いストライカーにもポイントをもぎ取れる印象。一方でレスリング/グラップリングで劣ると挽回の策が無くなり厳しくなるイメージです。

Dan Hookerについて

スペック

年齢:34
身長:183
リーチ:192
スタンス:スイッチ

戦績

23-12-0
勝利内訳
・KO:11
・一本:7
・判定:5
敗北内訳
・KO:3
・一本:3
・判定:6
直近戦績
Win - Turner
Win - Puelles
Loss - Allen
ファイター印象
>激闘型ストライカー。そろそろダメージの蓄積が心配…

SWOT分析

強み:タフネス、体のサイズ、プレッシャー
弱み:パフォーマンスのムラ、KO負けのダメージ、被弾傾向
機会:サイズ差を生かした打撃、ホームでの戦い、蹴り技が有効?
脅威:レスリング&グラップリング、ポイントゲーム、格上の相手

コメント

 キックボクシングがバックボーンのストライカー。サイズの大きさをレンジコントロールに使うというよりは、プレッシャーに使うタイプだと思います。細かいステップとスイッチ、カーフや前蹴りなどの足技を使いつつ相手を詰めていきます。ロングリーチですが中に入ってパンチを振っていきます。またサイズを生かした膝の突き上げも強力。
 個人的には現地で生観戦したこともあり、2014年の日本大会でマキシに敗れたドロドロの試合が印象に残っています。あの頃はフッカーが10年もUFCに残り、階級を上げ、こんな激闘型ファイターになるとは思いませんでした。直近の試合ではではターナーを相手にKO寸前の強打を被弾するもそこから逆に殴り返し判定をものにしています。らしいといえばらしいのですが毎度こんな感じなのでそろそろ壊れないか心配になります。
 テイクダウンディフェンスについては悪くないが寝かされるときついという印象。比較的サブミッションを積極的に狙う印象もあり、長い腕を生かしたカウンターのギロチンなんか狙いがちなイメージもあります。

試合内容について

勝者予測

 この試合はオッズ通り判定でガムロット勝利ではないかと予想します。ホームのフッカーは攻撃力が高い激闘型ファイターということで不安ではありますが…

予測/考察

 この試合、ガムロットは当然組み。フッカーはプレッシャーをかけつつ打撃で迎え撃つ展開になると予測します。サイズ差のある2人ではありますがフッカーはそこまで距離を使うスタイルではないため比較的近めの距離になるのではないかと思います。ガムロットはそこから一気にタックルを狙い、寝かせて支配する展開。できれば仕留めたいという戦いを考えます。対するフッカー、付かず離れずのプレッシャーで前蹴りやヒザを織り交ぜつつ相手のタックルを牽制する必要がありそうです。近づいて殴る展開も強いフッカーですが、ガムロットがしっかり組める距離や展開になってしまうとテイクダウンを防ぎ切るのはやや厳しいかと。近づきつつも距離とオクタゴン中央を維持し、ギリギリの距離感でガムロットがタックルにきた際、どんなリアクションをフッカーが見せてくるか?見どころだと考えます。個人的にはそれでも寝かせてガムロットが有利。仮に迎撃の一発を食らってもなんだかんだでグラウンドに持ち込める地力があると考えています。フッカーがギロチンを仕掛けるシーンがあれば盛り上がるかもですが、流石に仕留められないかと。お互い強打を被弾しがちな2人。もしかしたらスタンドで向き合っている時間にどちらかの打撃が火を吹くかもですね。

終わりに

 PPVメインはミドル級タイトルマッチ。アデサニヤの復活か?DDPが防衛し新時代の幕開けとなるか?個人的にはDDPのゴチャゴチャスタイルはそこまで好きでないので久々のアデサニヤのスーパーKOを見てみたいですね。

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