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レビュー#10 Jennifer Maia vs. Manon Fiorot

観客が入る興行はやはり良いものですね。
3月のUFCはいよいよ海外での興行、UFNの観客入れての興行といよいよコロナを受け入れた時代のファイトビジネスがやってきたように思います。

マイアvsフィオロの女子フライ級の一戦をテーマに事前予習をしていましたので試合結果・内容・戦前予測との対比を見ていきたいと思います。
お目汚しでございますが、よかったらご覧ください。

試合結果:まだ余裕を感じさせる完勝

30-27×3人。フィオロがフルマークの判定勝利を挙げました。
マイアが思ったよりも良かったと思いましたがそれでもフィオロの完勝でした。まだまだ余裕があるように思いますし、王者挑戦に向けてはまだ見せてないポテンシャルを出していく必要もあるのかなぁ~と思います。
正直、マイアをもっともっと圧倒して次戦に期待を膨らませてほしかった気持ちはあります。

試合内容:勝ちに価値を見出した

1R:マイアが積極的にプレッシャーをかけ、パンチを振るっていきます。フィオロはサークリングしつつ、サウスポーの構えからサイドキック、マイアが入ってきたところに右フックのカウンターで対抗します。マイアが組に行きますがフィオロのフィジカルが強く返されます。
2R:1Rと同じような展開が続きます。パンチで詰めるマイア。距離をコントロール、入り際にカウンター狙いのフィオロ。さらに、組みを狙うマイア、防いで逆にTDするフィオロ。
3R:マイアは少し疲れたか詰められなくなっているような様子です。フィオロは勝利を確信したか、ややセーフティーに時間を過ごし、タイムアップを迎えました。

フィオロ目線で試合を総括すると『マイアを警戒し、いつもよりもセーフティーに戦い完勝』であったと思います。
いつものアグレッシブな戦いよりも距離のコントロールと打撃・組み技のカウンターに重きを置き、勝ちを最優先したように思いました。バージョン2.0へのメジャーアップデートとはいえませんが、それに向けだマイナーアップデートというところでしょうか?ランキングを一気に駆け上がるというよりはしっかり段階を踏んでいるようにも思います。逆にしっかりとランカーの強さを見せつけたマイアの意地もさすがと言えます。

事前予測との比較:アグレッシブに戦えなかったのか戦わなかったのか?

フィオロの判定勝利を予測に挙げ、展開としては『打撃で主導権を握ったフィオロの判定完勝。アグレッシブに打撃を放ち手数での勝利。』を挙げていました。
展開のポイントとしては、
・スピードとサイズで有利に打撃戦を運ぶ
・アグレッシブに攻めてもマイアをKOするのは難しいのでは?
・マイアに組まれてきても大丈夫では?
・逆に自らTD狙うかも、しかし寝技はマイアが上か?
を挙げていました。

打撃戦で主導権、判定で完勝というのは予測通りと言えますが、今回はアグレッシブな過去3戦のフィオロとは少し違うかな?と思いました。塩空手とはなりましたが、逆にある意味この様な戦い方もできるという点が素晴らしいとも感じました。もちろん負けはしたもののフィオロにこれまでのような圧倒的な打撃戦をさせなかったマイアもさすがランカーの意地。と思わされました。
マイアは積極的に詰めてTDを狙っていきました。いかんせん組に行くもののフィオロのフィジカル、体幹の良さに屈し投げ返されてしまいました。しかし、下になったグラップリングの時間帯のほうがスタントでの戦いよりも勝利に近づいた瞬間のようにも感じました。
フィオロは自らTDも奪い組みの強さも改めて示しましたがより優れるレスラー、グラップラーとの戦いでどうなるのか、まだ未知数な部分ではあろうかと思います。

〇勝利したフィオロの良かった点/改善点
・距離のコントロール:サイドキック、カウンター右フック
・TDおよびTDDの強さ
・いつもと違う戦術の選択を見せた点

・寝技の攻防がまだ不明
・組まれる、組んだ際に自らもこだわる点が優秀なレスラー、グラップラーに対してやや不安。

フィオロは次戦にチョケイジアンを指名したそうです。わりかし妥当な選択かと。レスラーとの対戦、未検証部分への証明に興味がありますが、それは王座挑戦後でもいいかもしれません。今は上位のストライカーとの対戦で力を見せつけ、シェフチェンコ戦への期待を膨らませてほしいところです。

〇敗北したマイアの悪かったところ/改善点
・スピードの差
・組むもののTD能力とTDD能力に課題

・打撃のバリエーション
・寝技を生かせる組み技力の向上があれば…

積極的にプレッシャーをかけるムエタイスタイルで思ったよりも善戦、フィオロにいつもの戦い方を選択させませんでしたが、それでも完敗でした。相性の問題もあるかとは思いますが組技、寝技に活路を見出すには組めた後の能力に課題が大きいと感じました。首相撲をするにも身長が小さいということもあるのでしょうか?結局寝技を有効に使うためのスキルセットが無いことがきついですね。また、パンチ重視の戦い方ではありますがもっと蹴りを使ってもいいのではないかなぁ~とは感じました。

感想と総括:そのほかの試合の感想

本大会ではテーマに挙げた試合のほかには、
”ストライカー”ブレイズの素晴らしいKO、予想だにしなかったバーバリーナvsブラウンの大激戦、”元RIZINファイター”カイ・カラ・フランスの王座挑戦を大きく手繰り寄せるアップセット、そしてマグニーのパイルドライバーと見どころのある大会となりました。
特にブレイズにとってこの勝利は王座挑戦に向けて非常に重要でインパクトのある勝利になったと思います。次戦は元王者ミオシッチへのアピールをしていました。ボクシング&レスリングというスタイルのくくりではある意味似ているかもしれない二人。元王者超えを達成し、念願の王座挑戦、そして現王者ガヌーとの三回目の対戦につないでほしいものです。

終わりに:次回は4月10日UFC 273: Volkanovski vs. Korean Zombie

4月のUFCは、
・UFC 273: Volkanovski vs. Korean Zombie
 →アジア人男子チャンピオンの誕生なるか?&王者vs王者の再戦。
・UFC Fight Night: Luque vs. Muhammad 2
 →王座挑戦へ一向聴二人のお互い負けられない再戦
・UFC Fight Night: Lemos vs. Andrade
 →UFC戦績勝ち越しに向けたケイプの5戦目
・UFC Fight Night: Font vs. Vera
 →全日本人MMAファンの期待、平良達郎のUFCデビュー戦
と楽しみな試合が盛りだくさんです。

次回はPPVイベントよりGilbert Burns vs. Khamzat Chimaevをテーマに挙げたいと思います。
ドゥリーニョvsウェルター級最凶ファイター・チマエフの一戦、楽しみです。

ここまで読んでいただけたのであれば大変嬉しく思います。
次回の予測も読んでいただければ。。。

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