レビュー#8 Marlon Moraes vs. Yadong Song
若いアジア人ファイターがその才能をの見せつけライジングする一戦となりました。モラエスにとってはかなり厳しい敗戦となり、グローブを外したしぐさからもキャリアの終了を迎えた戦いになったかもしれません。
ヤドンにとっては2戦連続の圧倒的なKO。次の試合・対戦相手が非常に楽しみになりました。試合結果・内容・戦前予測との対比を見ていきたいと思います。
お目汚しでございますが、よかったらご覧ください。
試合結果:ヤドン脅威のハンドスピード
1R KO。追撃の必要がないくらいの強烈なアッパーでヤドンがモラエスを仕留めました。完全にヤドンの試合でモラエスはノーチャンスの結果となってしましました。モラエスが1発のパンチを繰り出す間に3~4発のパンチを放つほど圧倒的なハンドスピード、コンビネーションでした。そして一撃で仕留める破壊力。
では、試合内容を振り返っていきます。
今回アンダードッグ側のモラエス目線にてです。
試合内容:開始早々に嫌な予感の始まり
グローブタッチ後、早々にヤドンが距離を詰めてパンチを放ってきます。試合開始すぐですがモラエスにとっては非常に嫌な展開になってしまったのではないでしょうか。パンチのプレッシャーで前に出るヤドンに対してジャブを突きますが、自分の距離で戦えずパンチで応戦せざる得ません。ただ、圧倒的なスピード差を感じざる得ませんでした。かつてのスピードは失われてしまったのでしょうか…
ヤドンの右クロスでぐらついたモラエス。何とか立て直しますが最終的にはモラエスのパンチに対して、右クロス、左アッパー、右アッパーという驚異のスピードコンビネーションでKOされてしましました。圧倒的なパンチスピード差でした。
モラエス目線で試合を総括すると『ペースを作る間もなくヤドンの前進とハンドスピードに飲み込まれてしまった』であったと思います。勝利できる要素が全くなかったと感じるほどの完敗でした。
事前予測との比較:モラエスの衰え以上にヤドンの進化
アンダードッグのモラエス勝利への戦術として『蹴りの距離で相手を削る。相手が手が出しにくい、焦れる展開を作る。見合う展開で相手の反応できない強打を当てKO。』を挙げていました。
勝利のポイントとしては、
・蹴りを使って距離をキープ&相手の手数・前進を止める
・打ち合いを避ける
・相手のハンドスピード、プレッシャーが危険
・スロースターターの対手に対して序盤を制する
を考えていました。
スロースターターと予測していたヤドンが開始早々仕掛けてきました。モラエスとしてはパンチで応戦せざる得ない展開を強制され、過去には得意であった、しかし今はとてもリスキーな戦いにもっていかされたように見えました。ヤドンがこの展開自体をコントロールしていたとすれば恐るべき進化、もしくはチームアルファメールがあっぱれです。戦前あんまり戦略がない、というような評価していましたが撤回しないといけません。
〇勝利したヤドンの良かった点/改善点
・先に前に出てパンチの攻防にもっていった
・圧倒的なハンドスピードとコンビネーション
・モラエスに蹴りを出させなかった
・止まらずに見合う展開にしなかった
今回のヤドンはパーフェクトでした。今日のパフォーマンスはパンチ勝負であれば多くのトップファイターを倒せるのではないかと感じさせるほどの素晴らしさでした。
堀口とアジア最強バンタム級ファイターの座を争っても全く問題ないように思います。
〇敗北したモラエスの悪かったところ/改善点
・蹴りの展開を全く作れなかった。
・パンチの攻防をしてしまった。
・撃たれ弱さ、スピード低下の問題
モラエスとしては衰えた部分を補う戦いが必要でした。ただその戦い方を準備してきていたのかどうかが判断できないほど一方的な展開、ヤドンの強さを見せつけられる試合となってしましました。
先に蹴りを出していけば、TDをトライしていれば、、、などタラればはありますが、その展開があったとしてもどこかのタイミングでKOされてそうなほどヤドンが素晴らしかったとおもいます。
感想と総括:ヤドンの次戦に大注目
ヤドンの次戦は誰でしょうか?クルーズを指名していましたがここまで素晴らしいハンドスピードを見せたのであればどちらかというとストライカー対決を見てみたいと思いました。というわけでオマリーとの一戦を希望します。お願いだからエドガーを当てないでくれ…というのが個人的な思いとしてはあります。(エドガーのKOをこれ以上見たくないのです)
そしてヤドンの素晴らしいパフォーマンス、ライジングを見ると同じアジア人として日本人ファイターにももっと活躍をしてもらいたいと感じます。堀口は別格として、それ以外の若い日本人ファイターは大いに影響を受けていただき、ぜひ"世界"を目指すキャリプランを描いていただきたいとMMAファンとして希望します。
終わりに:次回は3月20日 UFC Fight Night: Volkov vs. Aspinall
来週はついにアメリカ以外(ファイトアイランド除く)の国にUFCが戻ってきます。一足先にコロナ規制を全面解除したロンドン 02 Arenaでの興行です。ご当地実力者ファイターも勢ぞろいしかなり盛り上がりそうです。また、佐藤天の契約更新一発目の試合も組まれています。緊急オファーかつ相手は実力者グンナーネルソンということもあり大変苦戦しそうですがぜひ勝利のための戦略・戦術を用意し全力で戦っていただきたいものです。空手家対決という点も踏まえてとても楽しみです。
そんな興行からピックアップするのは、次回は、Arnold Allen vs. Dan Hookerの一戦を予測対象にしたいと思います。ポワリエに勝利すればタイトル戦も見えていたフッカー。前回マカチェフに完敗し6年ぶりにフェザーに戻しての一戦となります。対するのは現在10連勝中のアレン。地元ということもあり絶対に次につながる処理を得たいでしょう。かなり競ったオッズになると思います。非常に予測しがいがありそうです。
ここまで読んでいただけたのであれば大変嬉しく思います。
次回の予測も読んでいただければ。。。
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