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プレビュー#10 Jennifer Maia vs. Manon Fiorot

アメリカ国内でPPV以外のイベントが有人観客の興行として再開されます。そんなUFC Fight Night Columbusからは女子フライ級の一戦、マイアvsフィオロを取り上げたいと思います。

お目々汚しではございますが良ければご覧ください。

総論:勝ちたい気持ちのぶつかりありを期待

元々は今月の前半にジェシカアイとの対戦が予定されていたフィオロですがアイの負傷によりキャンセルされ、新たな対戦相手としてマイアが選ばれました。より厳しい相手が当てらることとなりましたが、UFC側からの期待が伺えるともいえるかもしれません。
フィオロとしてはキャリア最強の相手になりますが、勝利は大きなチャンスとなりますし、やる気満々で試合に臨むことでしょう。
一方のマイアとしてもある意味チャンスの一戦なのかもしれません。再度王座挑戦のために厳しい相手となりますが勢いのある相手への勝利は強さを改めて示す格好の機会となりえます。
お互いにチャンスとなる戦い。だからこそぜひとも勝利を得たいという気持ちがぶつかる一戦になるのでは。

スペック比較:ヘッダー画像の通り明らかなサイズ差

マイア vs フィオロ
国籍:ブラジル vs フランス
ランキング:#4 vs #13 
年齢:33 vs 32
身長:163 vs 169
リーチ:163 vs 168
スタンス:オーソドックス vs スイッチ

ランキングは圧倒的にマイアが上ですが決して格差マッチという印象はありません。フィオロがサイズで上回ります。この後記載するお互いのスタイルを加味するとマイアにとっては厳しいマッチアップを予感させます。

実績比較:ベテランvs期待の新人、というわけでもない

マイア vs フィオロ
19-8-1 vs 8-1-0
<勝利>
KO   4 vs 6
SUB 5 vs 0
DEC 10 vs 2
<敗北>
KO   1 vs 0
SUB 1 vs 0
DEC 6 vs 1
<直近戦績>
マイア
 Katlyn Chookagian:LOSE DEC
 Jessica Eye:WIN DEC
 Valentina Shevchenko:LOSE DEC
フィオロ
 Mayra Bueno Silva:WIN DEC
 Tabatha Ricci:WIN KO
 Victoria Leonardo:WIN KO

年齢は似たような二人ですが試合数は圧倒的にマイアがベテランです。
フィオロはMMAが禁止されていたフランス出身ということが影響しているようです。UFCではこれで4戦目となります。プロキャリは少ないですがアマチュアでは世界王者に輝いています。
マイアはKO、一本の勝利があり、どんな局面でも戦えることが伺えます。
一方のフィオロはKO勝利が多く、強い打撃をもっていることが伺えます。
フィオロの敗北はプロデビュー戦で現在ベラトールフェザー級ランカーにスプリットで敗れています。

スタイル比較:ストライカー対決

マイア
概略:ストライカーです。ムエタイスタイルのようです。
特徴:どっしり、ガードしっかりのスタイルで正確な打撃を放っていきます。ブラジル人ストライカーらしい構えです。柔術も得意にしているようです。
打撃:パンチ主体です。手数が多いわけではないようです。正確に打撃を放つ/返す、ことを優先しているように思います。ローをたまに蹴ります。
組技:組む時は首相撲を選ぶようです。そこからヒザ蹴り。ただし組自体が強いわけではなく差し替えされていることがみられます。また、TDDはあまり良いとは思えません。
寝技:柔術黒帯らしいですがあまり寝技の展開になることが少なく何とも言えません。
極め:UFCではジョアンカルダーウッドに対して腕十字での一本勝利があります。
ガス:優れるように思います。王座挑戦の際も敗北してしまったものの5Rフルに戦い切りました。

フィオロ
概略:ストライカーです。空手がバックボーンです。松濤館空手出身です。
特徴:飛び込んでの打撃コンビネーション、手数が多くアグレッシブな選手です。意外にTDも仕掛けます。
打撃:遠い距離ではサイドキックを使います。飛び込んで右左右のコンビネーションを多用するように思います。前足のハイキックも使います。
組技:ラウンドが進むと意外にTDを狙います。また、フィジカルが強くTDDに優れます。UFCではTDD100%です。
寝技:寝かせてからはパウンドを積極的に打つように思えます。
極め:キャリアで一本の勝利はありません、が、一本の負けもありません。柔術は紫帯らしいです。
ガス:スタミナを消費しそうなスタイルですが直近の試合では3R戦い切っており極端に落ちるような選手ではないようです。

戦略比較:堅いマイアとアグレッシブなフィオロ

マイア
ガードをしっかり上げ、体を振りながらパンチで戦います。相手の打撃に対して正確に返し続ける戦いで勝利することを基本にしているように思います。手堅い戦い方を基本戦略にしています。

フィオロ
空手家らしい構えで遠目で動きながら戦います。遠い距離では足技、パンチコンビネーションで飛び込む、近い距離では組から打撃orTDとアグレッシブで多彩です。攻め切って強い打撃を当てKOを狙っているような戦略です。

打撃でどちらが主導権を握るかがかなり勝敗に影響しそうな基本戦略だと思います。さらにお互いにTDを仕掛けるのかもポイントになりそうです。

展開予測と勝利戦術:~フィオロ優勢~

オッズは
 マイア  :+350
 フィオロ :-475
ランキング上位のマイアが大きくアンダードッグです。フィオロへの期待、お互いの相性見るに、妥当なオッズのように思えてしまいます。マイアはvsシェフチェンコを除くとキャリア最大のアンダードッグです。番狂わせを起こしてやりたい気持ちが強いのではないでしょうか?

今回は優勢なフィオロの立場で展開予測をしたいと思います。

フィオロ:SWOT分析
Strength(強み)
・打撃
・スピード
・フィジカル
Weakness(弱み)
・TDDがまだ不明
・寝技の対処がまだ不明
・アグレッシブだが単調な戦いとコンビネーション
Opportunity(機会)
・身長およびリーチ
・打撃で優位にたてる可能性が高い
・相手のTDを防げる可能性が高い
Threat(脅威)
・相手の寝技?
・相手の首相撲?
・スタミナ?

上記分析から展開を検討します。

展開予測結論:打撃で主導権を握ったフィオロの判定完勝。アグレッシブに打撃を放ち手数での勝利。

この試合はオッズ通りフィオロが勝利すると考えます。
二人の選手の相性を考えるとフィオロの距離で戦いが進み、サイズ・スピードで有利なフィオロがいつも通り、遠い距離では蹴りで入れないようにし、たまに飛び込んでのパンチを放つ展開が続くように思います。
マイアは入ってくるフィオロの打撃を交わして攻撃を返したいところですが非常に厳しいのではないでしょうか?返しの打撃精度で上回ることができるかどうかも課題ですが、手数でポイントを取られてしまうように思います。だた、タフでテクニックのあるマイアがフィオロにKOされることはないかと。

マイアが前に詰めて組みを狙う展開も考えられますが、まず組むこと自体が難しく、組んだとしてもフィジカルが強く、大きなフィオロに対し、首相撲を仕掛けることが難しいのでは?さらに差し替えされてしまうような気がします。

一方で、ラウンドが進めばフィオロのほうから組にくる可能性があるかもしれません。マイアとしてはここをチャンスととらえて寝技に持ち込むことが勝利への戦術になるのではないでしょうか?
フィオロのTDを切ってスクランブルから寝技で有利な展開に持ち込み、望ましくは一本をとりきる。そんな少ないチャンスをものにすることが必要になりそうです。

フィオロにとってはインパクトのある勝ち方は王座挑戦への大チャンスになりえます。また、強さは見せるもののやや単調なスタイルではありますのブレイクルーを期待したい気持ちもあります。予想通りの完勝、以上のものを見たいです。
マイアにとっては厳しい戦いを自ら選んだ代打であろうと思います。上位ランカーとして実力を見せつけたい気持ちもあるのでは?さらに本興行ではマイア自身は前座である一方、自分より格下の同階級選手がコメインに組み込まれています。ここはぜひ意地を見せる戦いを期待したいところです。

終わりに:そのほかの試合

今大会は取り上げた試合以外に、
Curtis Blaydes vs. Chris Daukaus
Joanne Wood
Askar Askarov vs. Kai Kara-France
Aliaskhab Khizriev
上記カード、選手たちが楽しみです。
特にAliaskhab Khizrievはまたまた無敗のロシア人。UFCデビュー戦でどのような強さを見せてくれるのか、、、楽しみです。

では、続きは試合後のレビューにて…

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