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#63 Islam Makhachev vs. Dustin Poirierのプレビュー ~ 王者:マカチェフvs. 挑戦者:ポワリエ。PFP No1に挑戦!!ポワリエ、三度目の正直、念願の王座戴冠は叶うか?~

対戦カード概略

 UFC 302: Makhachev vs. Poirierのメインイベント。ライト級タイトルマッチです。PFP No1最強王者 イスラム・マカチェフとATTのイケメンベテランストライカー ダスティン・ポワリエの対戦です。
 ポワリエは暫定王者までたどりつくものの、当時の王者、同じダゲスタンのヌルマゴメドフには完敗。正規王者決定戦のオリベイラ戦も破れてしまいました。直近戦績は決してよくはないものの巡ってきたチャンスをものにできるでしょうか?
 対するマカチェフはキャリアで1敗のみ。それもアクシデント的なKOでありPFP No1に相応しい戦績と圧倒的な実力を持っています。
 下馬表は圧倒的にマカチェフ有利。ポワリエに攻略の糸口はあるのか?

ランキング:マカチェフ#王者 ポワリエ#4
オッズ  :マカチェフ−600 ポワリエ+450
参照   :

Islam Makhachevについて

スペック

年齢:32
身長:178
リーチ:179
スタンス:サウスポー

戦績

25-1-0
勝利内訳
・KO:5
・一本:11
・判定:9
敗北内訳
・KO:1
・一本:0
・判定:0
直近戦績
Win - Volkanovski KO
Win - Volkanovski 判定
Win - Oliveira 一本
ファイター印象
>コンプリートファイター。ダゲスタン=レスリング一色。というよりはトータルでMMAをする印象。打撃も強い。冷静で固い戦い方。

SWOT分析

強み:①テイクダウンのバリエーション、②フィニッシュする能力、③グラウンドの支配力、④冷静な戦い方
弱み:*特になし、①ややスタミナ面、②過去サウスポー相手にKO負け
機会:①TDとグラップリングで圧倒的、②強いプレッシャー、③戦いの選択肢が相手よりも多い
脅威:①カウンターギロチン、②パンチ交換、③カーフキック

コメント

 UFCライト級王者でPFP No1。現代MMAで最強の選手です。強力なレスリング力にサウスポーから放たれる向上した打撃。KO負けを経てからより慎重な打撃を身につけたように思われます。同じチームの元王者ヌルマゴメドフが獰猛さを前面に押し出し相手を圧殺スタイルであるのに対し、マカチェフはより総合力に優れ、慎重に戦うように思います。一方でフィニッシュチャンスは逃さず、一気に決め切ってしまう強さも持ち合わせています。
 打撃力が向上してからは相手の動きに合わせてカウンターを狙っているように見え、左のストレート・ヒジでの迎撃、インファイトでのフック、と対面する相手にとってはなかなか前に出にくい相手になるのではないかとおもいます。また、左の蹴りも強力でミドル、ハイと蹴り分けます。前戦狙い澄ましたかのような戦慄の左ハイでボルカノフスキーをKOした様は衝撃でした。
 グラウンドについては、ダゲスタン特有の力強さ、シングルからTD取り切ってしまうテクニックを持つものの、極端に強引に行くというよりはバランスをとっているように見えます。これもスタンドの強さが背景にあるのでしょうか。もちろんグラウンドでの極めも強力です。
 弱みらしい弱みはとくに見当たりませんが、強いていえばその慎重さを背景にした序盤の様子見にあるのかもしれません。過去には序盤に強打の一撃をくらいKOされたことがあるのは事実。相手としては全局面でマカチェフに見切られ、圧倒されてしまう前に飲み込んでしまうくらいしかチャンスはないのかもしれません。

Dustin Poirierについて

スペック

年齢:35
身長:175
リーチ:185
スタンス:サウスポー

戦績

30-8-0
勝利内訳
・KO:16
・一本:7
・判定:7
敗北内訳
・KO:3
・一本:3
・判定:2
直近戦績
Win - Saint Denis KO
Loss - Gaethje KO
Win - Chandler 一本
ファイター印象
>ホットソース大好き。イケメンストライカー。ATT所属。決まらないギロチンで引き込みがち。。。

SWOT分析

強み:①ボクシング技術、②カーフキック、③KO力
弱み:①TDD、②やや打たれ弱い、③年齢
機会:①パンチ交換、②カーフキック、③対サウスポーの対戦経験
脅威:①テイクダウン、②トップキープ、③スタミナ勝負では不利

コメント

 元ライト級暫定王者。もともとはフェザー級。血気盛んな印象がありましたがライト級に上げ経験を経て、以前よりは落ち着いた印象を見せます。
 元々人気選手ではりますが、フェザー級から続いたマクレガーとの因縁の対決を経てさらなる人気を得たと思います。ここ数年の戦いでは、ヌルマゴ、オリベイラ、ゲイジーといったトップどころには完敗も、前回プロスペクトのサンデニの突き上げを跳ね返しました。TDを取られ厳しい展開を迎えるもパンチの交換からKOで仕留めるという逆転劇。正直、サンデニが打撃に付き合ってくれなかったらかなり危なかったと思います。。。
 スタイル的にはストライカー。優れたボクシングテクニックを持ち、サウスポーからスイッチしながらパンチを繰り出していきます。パンチのコンビネーションが印象的でラッシュで相手を追い詰めることができます。パンチを捌く動きも優秀。若干ケージに詰まり気味ですが、そのリーチの長さとスイッチしながらが前にでつつパンチを振るうスタイルも相まって、相手からすると一気にポワリエが前に出てくるように感じるんじゃないかなぁと思ったりします。カーフキックも強力でマクレガーの足を破壊したのが最も印象的。どちらかというと中間距離の方がスタイル的にむているきがしますが、近距離でもパンチ交換も破壊的な攻撃力で、前回サンデニを返の右フックで沈めました。
 どうしても打撃の印象が先行しますが、柔術は黒帯。極めたところは見たことありませんが相手のタックルに合わせたカウンターギロチンをたまに仕掛ける印象があります。
 TDDについてはやや問題があるように感じます。特にケージ際につめらてダブルレッグで寝かされる印象。もちろん他のライト級選手に比べて極端に劣るとは思いませんがヌルマゴメドフ、オリベイラといったトップクラスの選手にはTDから一本負けを喫してしまっています。・・・まぁこの二人には他の多くの選手もやられているので仕方ないともいえるのですが。
 ストライキングが強いのは間違いないのですが、ややガードが甘くなる点、打たれて効かされる場面を見ることがあります。ゲイジー戦ではまさかのハイキックでKO負け。年齢的なものもありちょっとダメージが心配。また、ラッシュで仕掛けるシーンが印象的ですがやや出力し過ぎて失速するようにも思われます。
 正直マカチェフのテイクダウンが切れるとは到底思えず厳しい戦いになる前提ですが何かしら作戦はあるのでしょうか…?

試合内容について

勝者予測

 流石にマカチェフ勝利を予想します。KOでも一本でもフィニッシュできそうです。それでもポワリエに勝ってほしい。一体どうすれば…

予測/考察

 正直全局面でマカチェフが勝り、ポワリエを支持することはかなり難しいです。とはいえそんな中、推しのポワリエが勝利するためのストーリーを考えたいと思います。
 まずこの試合、マカチェフがゴリゴリにプレッシャーをかけてしまえばケージ側でテイクダウンされるのは時間の問題ですし、かつ寝かされるとそのラウンド立てないような気がします。寝かされたとてすぐに決められることはないでしょうが少々疲れただけでもフィニッシュされるリスクは一気に高まりそう。冷静なマカチェフなら打撃交換などすっ飛ばして早々に組にきそうなので正直ポワリエがノーチャンスくらいで負けても不思議ではないです。サウスポー同士ということでポワリエとしてはカーフキックが有効な相手ではあります。ただし、マカチェフも当然そんなことはわかっているでしょうし、逆に足を取ってのテイクダウンとかしてしまいそうです。
 ポワリエとして明らかに有利なのはパンチの交換。勝つためには殴ってKOする、そのための展開を作ることが必要なのだと思います。1戦目のヴォルカノフスキーがやったように、早々にスイッチからのパンチコンビネーションでぶん殴りにいく作戦もありかもしれませんが、ポワリエにはヴォルカノフスキーのようなTDDやグラップリングディフェンスがないと思いますのでいきなり距離が近くなるのはちょっと厳しいかも。。。それでもなんとかパンチ交換に持ち込むためにはある程度マカチェフの判断力を鈍らせ、パンチ交換の空気感と空間を作る必要があるのでは?序盤はひたすらマカチェフのTDを凌ぎ続け、マカチェフがパンチを打ちたくなる空気感を引き出すことができればわずかな可能性が見えてくるのかもです。それでも打撃でマカチェフが上回る可能性がなくもないですが。
 なお、マカチェフのタックルにカウンターギロチンというのは、、、決まらないでしょうね。

終わりに

 本興業にはコメインにパウロ・コスタが出場します。どうやらコスタが試合をする興行では王者が負けるという呪いのジンクスがあるらしく、今回その呪いがかかるか否かも見所です。一方でOVER35の挑戦者が負けるというジンクスもあるらしく、こちらの方が優勢かもですね。。。キャリアの最終盤、ダイヤモンドの様に輝くポワリエが見たい!!

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