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#75 Brian Ortega vs. Diego Lopesのプレビュー ~オルテガ vs. ロペス。一度流れた期待の一戦。激闘型グラップラー同士。ダブルタイトルマッチに劣らない、FON必死の激戦を期待!!~

対戦カード概略

 UFC 306: O'Malley vs. Dvalishviliのダブルタイトルマッチに組まれたフェザー級ランカー同士の一戦。一度UFC 303: Pereira vs. Procházka 2で組まれていたものの、オルテガ直前の体調不良により中止となりました。ボクシング&グレイシー柔術でアグレッシブに攻めるブライアン・オルテガに対し、代打の緊急出場で鮮烈な登場から4連勝と勢いに乗るディエゴ・ロペス。お互い独特かつファンを沸かせるファイターです。

ランキング:オルテガ#3,ロペス#13
オッズ  :オルテガ+160,ロペスー190
参照   :

Brian Ortegaについて

スペック

年齢:33
身長:173
リーチ:175
スタンス:スイッチ

戦績

16-3-0, 1 NC
勝利内訳
・KO:3
・一本:8
・判定:5
敗北内訳
・KO:2
・一本:0
・判定:1
直近戦績
Win - Rodriguez
Loss - Rodriguez
Loss - Volkanovski
ファイター印象
>イケメングラップラー。髪型かっこいい。アグレッシブなボクシングと柔術。極めの強さが際立つ。

SWOT分析

強み:極めの強さ、タフさとリカバリー力、ボクシング
弱み:被弾の多さ、試合間隔とケガ、体重のコントロールと体調面
機会:後半ラウンドで有利、中間距離での打撃、寝技でフィニッシュされる可能性は低い
脅威:至近距離での打撃戦と相手のKO力、早いラウンドで相手が有利、勢いに乗る相手

コメント

 UFC303で組まれていたロペスとの対戦でしたが、体重を落とせずライト級契約に変更したものの、その後体調を崩し欠場してしまいました。再び組まれたロペスとの一戦。楽しみではありますが不安要素も多い、、、
 毎回編み込んだ髪型に手が込んでいるイケメンファイター。甘いマスクが特徴です。最大の強みは寝技の極めの強さ。スタンドからガぶって相手の首を捉えることもできます。特にスワンソンをフィニッシュしたスタンドの飛びつきギロチンには驚愕しました。ボクシングも強く、スイッチしながら相手にプレッシャーを掛けパンチを放っていきます。アッパーやヒザなど下からの打撃の印象も強く、エドガーやグイダさんなど名だたるファイターをKOで仕留めています。
 直近の戦いは今年の2月ロドリゲスとの再戦。序盤強打を浴びてKO寸前の大ピンチに陥るも何とか耐え抜き、2R以降はその強烈なプレッシャーで距離を詰め、組付きテイクダウン。寝技で削り最後は組み手が珍しい極めが強烈な肩固めて大逆転勝ちを収めました。敗北した試合もそうですが、打撃を被弾して明らかにダメージがあるもののそれでも前に出て、戦い抜く姿は純粋にファイターとしてかっこいいです。
 柔術家らしく当然寝技が得意ですがボクシング技術も優れています。ただしオフェンスはともかく打撃防御にはやや難があるようで、優れたストライカー相手にはパンチを数多く受ける姿が見受けられます。このあたり激戦を重ねているだけにダメージが心配です。一撃で切って落とされるようなKO負けというのはこれまでありませんが年齢的にもそろそろ心配。

Diego Lopesについて

スペック

年齢:29
身長:180
リーチ:184
スタンス:オーソドックス

戦績

25-6-0
勝利内訳
・KO:10
・一本:12
・判定:3
敗北内訳
・KO:2
・一本:0
・判定:4
直近戦績
Win - Ige
Win - Yusuff
Win - Sabatini
ファイター印象
>髪型がネタキャラ。しかし実力派本物。女子フライ級王者グラッソの柔術コーチ。

SWOT分析

強み:至近距離打撃のKO力、ポジションを問わない極めに行く姿勢、体のサイズ
弱み:被弾傾向、スタミナとペース配分に課題、下になることを問わないスタイル
機会:早いラウンドのフィニッシュ、フィジカルで有利、寝技でフィニッシュされる可能性が低い
脅威:後半ラウンドとスタミナ、トップ/バックキープされる恐れ、対戦相手の質と経験

コメント

 DWCSでは敗戦してしまいUFC本線の切符をつかめなかったロペスですが、代打の緊急出場で無敗のエフロエフの相手を務め、攻撃全振りのスタイルで相手をヒヤッとさせる衝撃のデビューを果たしました。そこから1Rフィニッシュで3連勝。柔術家にもかかわらず至近距離でクリンチから強力な打撃を放つことができます。
 最大の強みはそのアグレッシブ(すぎる)スタイル。スタンドでは猛烈なプレッシャーで相手に詰め寄り、ほとんど密着したような状態から強烈なアッパー・フックを放つことができます。直近ではタフで体が強そうなユサフ相手に至近距離からのクリンチアッパーをぶち当てそのままフィニッシュしてしまいました。負けはしましたがエフロエフ相手にも強烈な打撃を当てあわやという場面を見せています。そしてポジションを問わない一本を狙う姿勢。下だろうがバックを取られていようが、チャンスがあれば全力で極めを狙いに行きます。力を使いすぎているのでは、、、と心配になるほどフルパワーで狙いに行っていますが相手からすると常に油断ならないプレッシャーを感じ、消耗しそうです。
 打撃は強烈ではあるものの被弾の傾向はみられます。ただ、前に出る勢いがすさまじくあまり問題になるようなシーンは見受けられません。短い時間でのフィニッシュが多くまだその弱みが顕在化していませんが、ここまでアグレッシブだと長いラウンドでではスタミナが持たいのではないかと思います。事実エフロエフ戦では2R以降、明らかに落ちているように見られました。ただし緊急出場ということもあり現時点では何とも言えません。とはいえこのスタイルを5分×3Rできるようならバケモノなのですが。。。
 直近のイゲとの対戦では、1〜2Rは圧倒も3R勝負出てきたイゲに対して明らかに消耗した様子を見せました。やはり長いラウンドでのスタミナ、というよりも序盤からイケイケのスタイルの弊害か、ペース配分に課題があることは明らか。一方で序盤に意図的に出力していることも間違いないので相手としてはいかに序盤の危険なロペスを凌ぐかがポイントになりそうです。

試合内容について

勝者予測

 前回のUFC303の時にも、この試合の勝者を予想するのはちょっと無理かなぁ。。。と思っていましたが、より勝者予測が難しい状態になったように感じます。オルテガはフェザーで戦うコンディションにあるのか不明ですし、ロペスはやはりペース配分とスタミナに明らかに課題があることが顕在化されています。そんな中でも勝者を選ぶとすればロペスになるのではないかと思います。判定。もしくはオルテガのパフォーマンスが落ちていればKOもありえるかと。

予測/考察

 お互いにパンチが得意でアグレッシブな柔術家。中間距離のボクシングとテイクダウンから展開を作れるのがオルテガなら、超至近距離でKO力を発揮しポジションを取られても一本を狙うのがロペス。という構図になると考えます。まずはスタンド勝負。どちらのボクシングが勝るのか見ものです。ロペスにはカーフキックがありますので中間距離でもオルテガは注意が必要。ただ、この試合は結局のところ近い距離での戦いが最大のポイントになるような気がします。ロペスとしてはガンガン前に出てパンチを当てようとするでしょうがオルテガはテイクダウンもありますしスタンドで首を抱える動きも得意です。至近距離の展開でロペスのフィジカルとパワーがオルテガを飲み込んでしまうようなら早いラウンドのフィニッシュもありそう。オルテガがグラップリングテクニックや得意のアッパー・ヒザで応戦できるようならロペスが削られる。そんな展開を予想します。また、テイクダウンをするならきっとオルテガからではないかと考えます。下からも危険なロペスですがさすがにオルテガを極めるところまではいかないのではないかと。まぁそんなことにかかわらずロペスはしつこく狙うでしょうが。。。長いラウンドになった際にはさすがにオルテガが上回ってくるのではないかと思います。序盤ロペス、後半オルテガ。ポイントをどのタイミングでとれるのか?激戦かつ緻密なポイントゲームがこの戦いの勝敗を分ける。そんな試合を期待します。

終わりに

 初めてSphereで行われるNOCHE UFC。あの球体のスクリーンを持つ会場でどのような演出がされるのかも含めて非常に注目度が高いイベントだと思います。そんな中でメインを務めるのは次世代スター選手の最有力候補。オマリーとそこに挑むメラブ。UFC側としては絶対にオマリーにKO勝利してほしいところでしょうが相手は非常に難敵です。それでも時代に選ばれた真のスターは衝撃的な勝利を見せるのが世の常。特別オマリがー好きなわけではないですが"持っている選手"を見るのは非常に興奮するものです。そんな期待も持ちながらUFC306を楽しみたいと思います。

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