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#45 Shavkat Rakhmonov vs. Stephen Thompsonのプレビュー

対戦カード概略

対戦概要 :
ランキング:ラフモノフ#5、トンプソン#6
オッズ  :ラフモノフ-550、トンプソン+400
参照   :

Shavkat Rakhmonovについて

スペック

年齢:29
身長:185
リーチ:196
スタンス:オーソドックス

戦績

SWOT分析

17-0-0
勝利内訳
・KO:8
・一本:9
・判定:0
敗北内訳
・KO:0
・一本:0
・判定:0
直近戦績
Win - Neal SUB
Win - Magny SUB
Win - Harris KO
ファイター印象
>ニコニコした笑顔から鬼のような攻撃力。地味なのに強いのが一番怖い。

強み:①体の強さ、②クリンチ攻撃、③テイクダウンディフェンス、④フィニッシュ力
弱み:①打撃ディフェンス、②やや雑な印象
機会:①TDしようと思えばできる可能性が高い、②無敗、③プレッシャーとケージぎわでの組みの展開、④相手との年齢差・相手が高齢
脅威:①相手のカウンター、②相手の打撃の距離感が優れる、③経験の差

コメント

 フィニッシュ力100%無敗のウズベキスタンファイター。アジア系の顔立ちではありますがウズベキスタン出身、そのニックネーム=ノマド(遊牧民・放浪者)が示す通り、おそらくその血筋には遊牧民族を祖先に持ち、戦うことに優れたDNAが備わっているように感じます。ニコニコしながら相手を痛めつけフィニッシュする姿に狂気すら感じます。
*遊牧民族=戦闘民族を印象つける歴史としてモンゴル帝国の覇権が思い当たります。
 直近のニール戦では相手の得意な打撃戦で被弾はあるものの強烈なプレッシャーと組み膝で相手の体力ゲージが減っていくのが可視化されるほど追い詰めていく様子が見られました。特に恵まれた体格を活かして、組んでからの膝が強烈かつ上手く、フレームの大きさを距離感で生かすというよりは相手をすり潰すように使うという表現が適切なのかもしれません。テイクダウンは積極的に狙うというような印象はないですが、その気になれば圧倒的な組み力を生かし足技でこかすことは十分できるようです。そして強引ながらも極め切る力があります。まだまだ底を見せない強さを感じさせ、上位ランカーからすると戦いたくない相手No1ではないでしょうか?
 無敗ということもあり明確な弱点というのは見当たりませんが、打撃ディフェンスがやや甘いところが見受けられ、前戦のニールさんにも良いパンチを当てられるシーンが見られました。そして強みの面でもあるかと思いますが、少し戦いを挑みすぎる傾向があるように思います。もう少し相手の得意なところを防いで強みを活かす戦略をとってもいいとは思うのですが、ある意味そんなことは無関係に自分のゲームを強引に強要してしまう点が最大の強さなのかもしれません。

Stephen Thompsonについて

スペック

年齢:40
身長:183
リーチ:191
スタンス:オーソドックス

戦績

17-6-0
勝利内訳
・KO:8
・一本:1
・判定:8
敗北内訳
・KO:1
・一本:0
・判定:5
直近戦績
Win - Holland KO
Loss - Muhammad 判定
Loss - Burns 判定
ファイター印象
>ワンダーボーイ(40歳)唯一無二のアメリカンカラテスタイル。何気にワイドマンと従兄弟。

SWOT分析

強み:①距離感、②カウンター、③足技の多彩さ
弱み:①TDD、②強打を被弾する傾向、③年齢
機会:①強敵との対戦経験、②相手のラフ差とカウンターの相性が良さそう、③距離感とスピードに優れる
脅威:①組みの展開、②距離が詰まると不利、③テイクダウンとグラウンド

コメント

 みんな大好きワンダーおじさん。2014〜2017年には、ウィテカー→コーテ→エレンバーガー→ジョニヘン→ロリマクを相手に連勝を重ね、ちょうどその頃にトンプソンを見たじめたこともあり、その特徴的なスタイルも相まってとんでもない選手が出てきたな。。。と感じた事を思い出します。40を迎え間違いなく全盛期は過ぎているはずなのにここにきてラフモノフのとの対戦を受け入れる様には頭が下がります。
 最大の特徴は真横を向くくらいに半身に構えサークリング。多彩な足技を放ち、強烈なカウンターで迎えうつ、スタンドの華麗さと強さです。距離のコントロールに優れ、相手の打撃をことごとく無効化する姿を見る機会が多く、自分の距離から蹴りで相手の出鼻を挫きます。直近のホランド戦では相手のガードする手首あたりをあえて狙ってなのか、最終的には破壊しギブアップに追い込みました。また、トンプソンに対しなかなか詰められない相手が強引に入ってきた際には狙い済ませたパンチカウンターを打ち込むため、相手としては非常にやりにくい相手になるのだと思います。見合っているとスピンキック等々の飛び道具も持ち合わせており、スタンドの戦いでは多くの選手に対して優位に運べるのだと思います。
 一方で明らかな課題としてはテイクダウンとグラウンドの展開があるように思われます。地味強ベラルムハマドには10−8のラウンドが2Rもつくほど寝かされつけられるという姿を見せていました。距離のコントロールを最大の強みとする一方で詰められてしまうとそのTDDの問題と合わせかなり厳しい展開になるように思います。さらに、攻めているときは華麗なのですが、守りに回るとややばたつく様子もみられ、いかに自分のゲームをコントロールし続けることができるかがポイントになりそうです。何より、いくら優れたファイターでも年齢だけにはかてず、40を迎えるトンプソソンのコンディションが最大の懸念になり得るかも。

試合内容について

勝者予測

 勝者予想はラクモノフです。オッズ通り有利なのは間違い無いですし、過去一度しかフィニッシュされたことのないトンプソンを仕留め、フィニッシュ率100%をキープできるか否かが注目の的になりそうです。ただ、私としては判定での勝利になるのでは無いかと予想します。

予測/考察

 この戦いはお互いに苦手なタイプとの対戦になるのでは無いかと思います。ラフモノフ=プレッシャータイプ、トンプソン=距離コントロールタイプと見立てています。
 ラフモノフはそのフィジカルの強さを背景にプレッシャーをかけ、相手をすり潰すようなクリンチを最大の強みにしています。一方で距離をコントロールされると苦戦するケースになるかと。
 かたやトンプソンは相手と距離をコントロールし、焦れた相手にカウンター、見合っているところで距離のある蹴り。と相手を突き放すようなテクニカルな打撃が最大の強みです。一方で距離を詰められ組みの展開になってしまうとその華麗な打撃テクニックを使うことができません。
 ラフモノフが勝利するのであれば、プレッシャーが有効に働き、トンプソンの強みを出させることなくすり潰すでしょうし、トンプソンとしてはそうならないようにサークリングで距離を維持し続けることを優先することになるでしょう。
 個人的な見解としては、トンプソンのサークリングが有効に働き、序盤は捌き切れるものの徐々にラフモノフのプレッシャーに詰められ、最終的にはポイントを失うことを想定しています。ラフモノフとしては勝利への最短ルートは打撃に付き合わず、早々に詰めて寝かせることなのでしょうが、なんとなくですが打撃につきあい、かつ相手の得意なフェーズで相手を打ち砕いてしまうような強さを見せてくれるのでは?と期待してしまいます。この想定した展開の中で最もポイントと考えるのはトンプソンの年齢による落ち具合であり、想定よりも維持できているのであればFON級の熱戦となり、想定よりも落ちてしまっていればラフモノフに引導を渡されるような負け方をするのかもです。私としては前者の展開を期待し、お互いの良さが出る熱戦とその結果、苦戦しつつもラフモノフが判定勝ちを掴み取る姿を見たいと思います。
 。。。ちなみにトンプソンが勝利するケースでは、1R中盤からブーイングが飛び交うような塩スタンドバトルでトンプソンがリスク管理を完璧にこなせる戦いになると思います。

終わりに

 今年最後のUFC興行はメインにウェルター級タイトルマッチを設けた大会となります。おそらく次の挑戦者はムハマドで内定でしょうが、ラフモノフが今回の戦いで圧倒的なパフォーマンスを見せればまた違う展開を迎えるかもしれません。
 また、ファーガソンvsピンブレットの一戦が組まれており、正直かなり残酷な結末が待ち構えている気がしており、正直見るのに怖さがあります。。。MMAファンのピンブレットへのヘイトの高さとファーガソン人気を考えると、試合後のXのTLが荒れそうです。。。

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