マガジンのカバー画像

kittyの本棚

6
運営しているクリエイター

#米澤穂信

米澤穂信さん『栞と嘘の季節』〜何かにすがりたかったあの頃の自分と人生の伴走者としての役目を担った栞の物語〜

 米澤穂信,『栞と嘘の季節』,集英社,2021  図書委員シリーズの2作目『栞と嘘の季節』読了。本屋さんの新刊コーナーに並んでいるのを見て気になっていたので、一気に読み切った形になった。  ソフトカバーの帯に書かれていた言葉。私が米澤穂信さんの作品を読むきっかけになった「日常のミステリー」の枠は越えているであろう言葉の並びだった。それゆえに、前作「本と鍵の季節」を上回る苦い予感しかしなかった。  そんな私の予感は、大きく外れた。“苦い予感”と言う点ではあってはいたが、そん

米澤穂信さん『本と鍵の季節』~青春とミステリーの苦いところ~

米澤穂信,『本と鍵の季節』,集英社,2021 米澤穂信さんの作品は久しぶりに読みました。これまで読んだ作品は「古典部シリーズ」。こちらは小説と漫画を並行して読んでいます(でもなかなか新刊がでなくて)。あとは以前弟から借りた「ベルーフ」シリーズの『王とサーカス』。「ベルーフ」シリーズはまだこの作品しか読んだことはありません。 私にとっては、上記2シリーズ以来の新シリーズです。 【感想】米澤穂信さんが書かれる「日常のミステリー」が、古典部シリーズの時よりもビターと言う