角田大河騎手が21歳で非業の死を遂げる

JRAは8月10日、角田大河騎手の死去を発表しました。
角田大河騎手は、8月1日夜に花火を見るために函館競馬場の芝コースを車で侵入する暴挙に出て、日本中央競馬会競馬施行規程第148条第4項により、8月3日から裁定委員会の議定があるまで騎乗停止処分を受けており、今後第1回の裁定委員会の開催が待たれるところでした。

死亡日時や死因については親族の意向により、JRAとして回答を差し控えるとありますが、UHB(北海道文化放送)のニュースでは、8月2日午後3時10分頃に札幌市厚別区のJR千歳線上野幌駅構内で、新千歳空港発札幌行き区間快速エアポートの車両に撥ねられ、その場で死亡したと報じられていました。

大河騎手は函館競馬場の芝コースを車で侵入したのを誰かに厳しく咎められたことで、人生が終わると思ってしまうほどに絶望したのではないでしょうか。
2日の朝の調教には騎乗していましたが、あまりの突然の行動です。

JRAが2日午後に大河騎手の一件について裁定委員会に諮る旨の通知を試みるも本人と連絡がつかず、午後4時に師匠の石橋守調教師に通知した後、JRAは裁定委員会の裁定結果が出るまで大河騎手の騎乗停止処分を発表していました。
大河騎手の死去によりJRA騎手免許は取消扱いとなるため、裁定委員会の開催は不透明となっています。

角田大河騎手は2003年5月21日生まれ、滋賀県出身の21歳。
父は騎手時代の2001年にジャングルポケットに騎乗してG1日本ダービーを優勝した角田晃一調教師、2歳上の兄は角田大和騎手の競馬一家で育ちました。
競馬学校騎手課程38期生としてデビューし、2022年3月5日の阪神1Rで初騎乗初勝利を果たし、昨年2023年のG3毎日杯で重賞初制覇を果たしました。
一方、昨年5月には競馬開催日における通信機器・スマートフォンの不適切使用に対する制裁で30日間の騎乗停止処分を受けていました。

引用のUHBのニュースでは、「よりそいホットライン」や「北海道いのちの電話」の電話番号が最後に付加されていましたが、近年の自死や人身事故のニュースで必ずと言っていいほどこうした類の電話番号(若しくはメールアドレス、SNSアカウント等)が付加されています。
しかし、それで死にたい気持ちをどれだけ抑止できるかが実証されていない以上、無闇矢鱈に付加されるべきではないと、わたしは強く疑問に思うのです!!
それ以前に、日本政府として現在どれだけ自死対策に積極的であるかが不明で、民主党政権時代よりも寧ろ消極的ですらある現状、若年層の自死率が近年は過去最悪を更新しており、大河騎手の死去が、自死念慮を持った特に若者を自死へと誘導しかねないか、わたしはそれにも恐怖を抱きます。

今年2024年の競馬界では、4月に藤岡康太騎手がレース中の落馬事故により35歳で死去しており、以後も騎手による不祥事が中央・地方問わず続発しています。
大河騎手の騎乗停止処分の発表と同日には、松若風馬騎手が飲酒運転により警察に摘発され、こちらも裁定委員会の議決が出るまで騎乗停止となりました。
公営競技という特殊な世界に身を置くことにより、一般社会の人々よりも一般常識や倫理性の涵養の面で問題がないかも問われています。
近年、マルチメディアコンテンツ「ウマ娘 プリティーダービー」によって若年層の競馬ファンが増加していますが、競馬歴の浅いファンから離反していく流れが大きくなる懸念もあります。
今回の大河騎手の死去が、競馬への離反の引き金を引く重大な結果に繋がることになれば、当面競馬へのマイナスイメージは止まらないでしょう。

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